もう地元の スーパー 店 に通わない?“ネット” で取り寄せ Amazon と ライフ 、WoltとLUSH等
以前ほど スーパー に通ったり、 店 に行く機会は減少するかもしれない。それも大事なお店の進化。 ネット をテコに、お店とお客様をダイレクトに繋ぐ。先日、 Amazon とライフコーポレーションは、 スーパー の「 ライフ 」で扱う生鮮食品や惣菜を注文から最短2時間で届けるサービスをプライム会員に提供して、その配送エリアを拡大した。そうした店とお客様を直に繋ぐ動きが活性化されている
Amazon プライム会員 には ライフ 商品が 最短2時間以内
1.プライム会員が気軽にライフで頼んですぐに届けてもらう
対象エリアのプライム会員のお客様は、ライフの実店舗で取り扱っている新鮮な野菜や果物、精肉、鮮魚をはじめ、「ライフプレミアム」や「スマイルライフ」といったライフのプライベートブランド商品等、合計数千点の商品をAmazon.co.jpのWebサイトやAmazonショッピングアプリを使用してオンラインで注文できる。
注文後、ライフ店内の専門スタッフが、お客様に代わって品質をチェックしながら商品を厳選し、Amazonの配送ネットワークにて届ける。届ける時間は12:00~22:00(※一部エリアは12:00~20:00)で、当日または翌日の2時間単位で指定できるという。
その届ける範囲を拡大しており、7月1日から川崎市多摩区など川崎市、横浜市の一部の区、7月15日から神戸市の一部の区で利用できるようになったというわけだ。これはAmazon上で既にライフの売り場が別に用意されていて、ここでまとめて買えるようになっている。
改めて、非常に連携が見事であって、お客様がAmazonのアプリなどで購入をすると、下の写真の通り、それがライフのお店に通知されて、その店員が自ら買い物する感覚でそれを取りまとめてカゴに入れ、Amazon専用の袋に梱入れて、両社受け渡しの場所に、保管しておく。
すると、それに呼応するかのように、Amazonの配達員が保管していたものをすぐにその場所に取りに行き、お客様の元へと届けるのである。
ライフとしてはお店を、これまでの通り、近隣のお客様が通って商品を購入するお店としての役割を果たすとともに、倉庫として捉えることで、そのお店という場所の価値を高める。陳列されている商品は、Amazonの配送網によりすぐに送り届けられる環境が整うことで、新たな価値を見出し、また、この連携だからこそ、最短2時間という時間が可能となっているのである。
2.実は海外ではそれがプライム会員の付加価値になっている
Amazonは海外などにおいては、Amazon freshとwhole food Marketの食品配達注文は、第4四半期に対前年同期比の2倍以上の伸びを見せていて、おそらくここの領域は日本国内においても注目していると思われる。つまり、商品拡大を盤石にさせる為に、生鮮食品に着目しているものの、鮮度を失わない点に付加価値をつけ、その配送にはそれなりのコストがかかることを踏まえて、それを敢えてプライム会員に限定しているのではないかと思う。
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海外では、そのAmazonがそのプライム会員の制度を背景に、普通に人々の日常に浸透していて、Amazon freshを利用した配送サービスは以前、1ヶ月14.99米ドルの有料だったが、現在はプライム会員の特典として無料になっている状況。日本においては、Amazon freshというよりは、ライフとの連携でこのサービスの中で強調して、その存在感を出しているというわけである。
Amazonにとっての国内におけるプライム会員を増やす考えの中に、この生鮮食品の扱いは重要な位置付けにあるように思う。
「Wolt」と LUSH 、エニキャリなどお店とお客様とを直に繋ぐ関係性に着目
1.デリバリー 「Wolt」 LUSH と連携し店からお客様に配達
少し話が逸れるかもしれないが、生鮮食品ではないけれど、お店の価値をデリバリーによって高める動きは、活性化しつつあると言って良い。デリバリーサービス「Wolt(ウォルト)」を展開するWolt Japanは、英国発のナチュラルコスメブランドLUSH(ラッシュ)と提携し、2021年7月21日から全国5都市9店舗にて配達サービスを開始することを明らかにしている。
ちなみに、「Wolt(ウォルト)」は、フィンランド・ヘルシンキで2014年に創業したデリバリーサービス。既に世界23ヵ国180都市以上にサポートチームによる迅速なチャットサポートを強みに広がっている。日本国内では18都道府県26都市*(*2021年7月14日現在)で展開中。
商品としては、LUSH馴染みのバスボムなど。お肌をさっぱりさせるペパーミントの爽やかな香りと、バスボムからネオンカラーが溶けだし、ポッピングキャンディの奏でる音がバスルームを宇宙空間へと変えていく、と言った具合。
リアルなお店とお客様をデジタルで繋ぐ動きである。Amazonの場合はその場で購入させて、Amazonの看板の下にライフがあるという形をとっているが、「Wolt(ウォルト)」の場合は、そのままダイレクトにLUSHとお客様を繋いでいる。
2.COREDOでも ネット を使い期間限定でオフィスに届ける
その他にも、エニキャリがトライアルながら「COREDOシェアステデリバリー」と言って、7月1日〜7月30日の期間限定で八重洲、日本橋三井タワー、日本橋において、COREDO内対象店のランチボックスメニューをオフィス単位などで注文 をとりまとめるサービスを始めており、対象のオフィスに集約配送しているのだ。
ネットの浸透により、簡単手軽に、リアルのお店とお客様とを独自の配送網を使って、リアルに存在するお店の価値を利活用しているというわけである。Amazonの場合は早く届けることを生鮮食品との相性に見出して、プライム会員の価値も底上げに繋げているわけであり、エニキャリなどは配送網の質の向上とお店がただ受け入れるだけではなく、自らが送り届けることで、お店の価値を引き出そうとしているのである。
リアルを補完する要素がこれまで以上に、デジタルに求められ、デジタルで商いをしてきた人は一層、リアルの意識が必要になるだろう。
今日はこの辺で。