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落書きからはじまる!? ネット通販 × キャラクターづくりへの楽しい挑戦

 145マガジンコミュニティの仲間同士が集まって「こんなキャラグッズ作ってみたら面白いんじゃない?」というノリから、気づけば本格的なキャラクター制作に挑むことに!ネットショップ運営やOEM商品のプロデュース、版権ビジネスなど、それぞれの得意分野を持つメンバーが力を合わせるこの企画。実は、落書きのキャラクターをベースに「どうやったら世に出せるんだろう?」とワクワクしながら進めているのだ。

 でも、その中身を少し覗いてみると、キャラクターグッズ制作に欠かせない大切なエッセンスが詰まっている。楽しみながらも、しっかり学べるストーリーをお届けする!

1. 原点は“この一言”からはじまった!

「実は、創業したての頃に描いていた落書きがあって、グッズにできないかなと思っていたんですよね」
そう語ったのは、ネットショップ「ハワイアン・コア」を運営する福島 章浩さん。

 「え?それなら作ったら面白くないですか?」と声を上げた僕。

 これに株式会社count2.9の石澤 仁さんも加わり、3人で「甘くはないけど、ネット通販とキャラ業界の垣根を超えて挑戦してみよう!」という話に一気に火がついたのである。

2. キャラづくりの基礎は“愛”と“役割”

 福島さんはネット通販のプロ。石澤さんはOEM制作の経験を活かして、キャラクター商品化のノウハウを持つ“プロデューサー”的存在。

 僕は版権管理や運用の経験があり、キャラクターをどう仕掛けていくかの助言ができる。

 「キャラって、なんのために存在しているのかが大事なんです」と語る石澤さん。たとえば、ハワイアン・コアのキャラクターであれば「ハワイと日本をつなぐ架け橋にしたい」とか、一言で言い切れる目的があるほうが人の心に届きやすいのだそう。

 さらに「キャラに思いを託し、それをSNSなどで発信していくことでファンの声が返ってくる。その声を聞きながら一緒に成長させていくんですよ」というのは、あらゆるコンテンツ制作でも大切な観点である。

3. “血が通う”からこそ人は惹かれるキャラクター

 石澤さんは「キャラはただの絵じゃなく、性格や生い立ちがある“もう一人の生き物”なんです」と話す。

 たとえば、キャンペーン用に急場しのぎで作られたキャラは、名前も性格設定もないまま。見る人にとっては「これ、何者?」となってしまいがち。そこに愛やストーリーがないと、ファンも愛着を持てない。

 僕は以前ディズニーの取材で「キャラクターを360度、全方位から捉えて設定している」話を聞いたことがある。

 彼らはキャラが生きている世界観を大事にするから、見ている人も思わず夢中になるのである。

 そんな風に“血が通うキャラ”を描き、そのキャラと一緒に物語を進める感覚が、キャラクターグッズには欠かせないんだと再認識した次第である。

4. さあ、企画始動!次回の展開はどうなる?

 福島さんが「その落書きを探してきます」と言い残し、数週間後。「見つかりました!」と再度集まった僕らの前に出てきたのは、ハワイをイメージした亀のキャラクター。

 「ハワイに来たらウミガメがいるんですけど、その亀をイメージして、書いたのがこれです。手に持っているのがマラサダです。マラサダっていうのはハワイ名物のドーナッツで、、、。右側にはマラサダの形をした女の子も作りましたね、火山をイメージしたキャラもあります。ポノというのはうちの店名でもあるハワイアンコアという木材を扱っていた雑貨屋さんの人で、実在する人物です(笑)」という具合である。

 「ハワイアン・コアとハワイをつなぐシンボルにしたくて、嫁に頼んで描いてもらったんですよ」と微笑む福島さん。

キャラグッズ 制作 には 愛が必要

 いいですね〜。石澤さんが興味を持ち出すと、キャラクターに関しての想いを語り、「会社でもそうなんですけど、キャラクターも「なんのために」いるの?というのが大事です」と切り出した。

 「勿論、思いつきですということもあるかもしれないが、それはあくまで裏の話。例えばハワイアンコアって店をやっていて、ハワイと日本の架け橋になるためのシンボルのキャラクターなんですよねとか。そうやって一言で言えたり、目指しているものなどを示す必要があるんです」と続けた。

 極論、福島さんが思っていることをそのキャラクターに言わせちゃおうという姿勢が大事だと。それが何かを考えた上でのキャラクターを展開してこそ、その行動に意味があるとして、しかも今の時代であれば、それをSNSなどで発信できる。いろんな声が反応として返ってくるけど、それをヒヤリングして一番、皆が納得していくように軌道修正していけばいい。

 ただ、それにはまず発信するだけの内なるメッセージが必要だと。最近は「漫画誌によっては、編集者が読者からのアンケートをもとに助言すること」もあってそれで「連載が長く続くこと」だってある。育て方も含めて、キャラ設定をしなければならない、その理由も話してくれた。

血が通っているから人が愛着を持って接する

 徐々に石澤さんのトークは熱っぽくなり「例えば、うちでもノベルティも作るからいろんなキャラがいることは知っている。でも、そこでわざわざキャンペーンのためだけにデザイナーに頼んで書いてもらったりするのを目にすることもあるわけです。あれって僕から見ると可哀想だと思うんです」と私見を述べた。

 「だって、いなくていいんだもん。」と。いなくていいのに、無理矢理くっつけたもの。だから大体それには性格も、氏名もない。その業種に関連するモチーフを持ってきて手足をつけているだけなので、「みた人は何なの?これ(苦笑)」となるわけである。

 「デザイナーとして一流でそれなりの腕があるならいい。けれど、大抵はそうじゃない。じゃあ何が人の心を打つかかと言えば、そこに性格があって、血が通ったものなんです。それがあって初めて人様に受け入れられることに繋がるのだと思う」と触れた。これには納得である。

生きている人間同様に設定をしていくから血が通う

 僕も以前、ディズニーに取材をした時に感動したことがあった。ディズニーは平面でキャラを見ていなくて、360度、全ての角度から見られたキャラクターの姿をちゃんと設定している。だから、本来この角度から見たら、このくらい影がある。そんなことまで徹底していた。それを石澤さんの話で思い出した。

 つまり、キャラクターは人間同様に生きているのである。

 「なんていうか、絵じゃないんですよね」と石澤さん。

 だから、漫画家さんが結構、「今やキャラクターが独り立ちしてます」と言う言い方をするのはまさにそういうことだと説明してくれて、これまた納得である。

 それを福島さんは熱心に耳を傾けながら、「そうか」と呟き、動き出す。

 そして、石澤さんは、こう続けた。「どんな漫画やドラマでも第一話が重要。だから、まずは自分なりに第1話を考えてみるといいのではないか」と。第1話を描くには当然、キャラの設定がなければ、できないことだろうから。そういって3人の中で話はまとまった。

 さあ、動き出した「キャラクターグッズ発売計画」は、さて実現するのだろうか(笑)。

 今日はこの辺で。

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