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もくめん専業は国内一社 だから愛がある 戸田商行 私たちが商品を手掛ける意味

 みなさんは「もくめん」という商材をごぞんじだろうか。漢字で書くと「木毛」。読んで字の如し、木を薄く削って作る天然の緩衝材のこと。僕は戸田商行という会社と知り合い、その存在を初めて知った。

専業は日本で一社 戸田商行

 元を辿れば、明治時代。天皇に果物を献上した際に、岡山の大工が作ったものが「もくめん」の始まりである。戸田商行は、その後、時を経て、昭和36年、山仕であった創業者の発案で、立ち上がるのである。つまり、地元の高知の原木を利用して「もくめん」製品を手掛けようと。

 そして、僕がこの会社に着目する理由は、それを専業で扱う企業はもはや国内で一社となったからである。

 今から60年前に、創業者が自宅の横に倉庫を構えて作って、丹精込めて育てたその会社は、今、その息子の代へと引き継がれた。ただ、その息子は地方議員となったことから、その妻である実知子さんが、取締役社長として、経営に携わることになるのである。

 繰り返すが、国内で「もくめん」専業は1社となった。「自分たちは、本当に必要なのか」。そう自問自答する日もあったと彼女は振り返る。しかし、何気なく工場を見学したいというお客様の声に気付かされるのである。

もくめんの価値を伝えるべきは自分たちにある

 工場で「もくめん」の美しさや製造の面白さに触れて、目を輝かせる学生たち。逆に実知子さんは、自分たちの商品に誇りが持てるようになったと語る。その「もくめん」が持つポテンシャルに気付けたのである。彼女はその「もくめん」を知ってもらい、同時に、木の文化を理解してもらうことの意味を思った。

 実は、森林は野放しにできない。ある一定の栽培期を迎えた森林資源は寧ろ、伐採して有効活用する事が大事なのだ。つまり、自分たちのやっていることは地球への貢献に繋げられる。

 まさに、SDGsの波に乗って、彼らがそこで商品にしていくことが、適切であることを時代が証明することになった。この「もくめん」の価値を発信していくほど、地球を救うのである。60年経って、今まさに創業者たちが大切に育んできた事を、自らの行動によって、今も恩返しできているのである。

それが挑戦にもつながる

 ただ、それでは満足していない。その一方で、実知子さんは新規ビジネスにも着手していく。「もくめん」そのものの価値を伝えつつ、挑戦を重ねて、違う魅力を訴求することの必要性を感じたからだ。最近では、アロマもやっていることを明らかにしてくれた。なるほど。樹齢120年の高知県産土佐ひのきの葉から抽出した希少な和オイルは、アロマの素材としても一級品だ。

 消臭、アロマセラピーなど様々な楽しみ方ができるそう。ある意味、便利な世の中にはなっている分、不思議と、それだけ社会に疲弊している人も少なくない。昨今、コロナ禍でそれに拍車がかかっている側面もある。だから、癒しという意味で、自然の価値がそういう人たちを救う。

 もくめん自体の価値もさることながら、それを生かして、今の時代にふさわしく、その奥深い文化を伝える工夫の跡が素敵だ。もくめんは、人を救い、地球を救う。心と自然の“緩衝材”である。

 今日はこの辺で。

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