「多治見発のワクワクギフト」―ECが生み出す、心あたたまるものづくり

岐阜県多治見市といえば、ご存知“陶磁器のまち”。そんな土地柄を活かして、“贈りもの”としての価値を思いっきり高めたネットショップがあると聞き、はるばる取材に行ってきました。その名も「陶磁工房 桃山」。代表取締役の舩戸正直さんが、これまたほっこりするものづくりをされているんです。
価格競争より大事にしたい“想い”
「ネットで陶磁器を売る」と聞くと、正直、“温もり”とは程遠い印象を抱きがちですよね。
写真とスペックだけじゃ、ほんとの魅力は伝わらないんじゃないかって。でも、桃山さんは全く逆をいきます。「ただ陶器を売るだけではなく、そこに“誰かを想う気持ち”を載せて届けよう。」それが彼らの真骨頂。
地元の名産品である陶磁器を、ギフトに特化して販売することで付加価値を生み出しているんです。
たとえば、結婚や出産、還暦など、人生には幾つもの“節目”があるでしょう?「その喜びや想いを、陶磁器にこめて贈るって、なんだか特別じゃないですか?」と舩戸さん。もう、その言葉の端々に“人を喜ばせたい!”ってワクワクが滲み出てるんです。
名入れだけじゃない、驚きのサプライズ!
桃山さんの商品には、名入れや似顔絵など、ひと手間もふた手間も加えた“特別仕様”がいっぱい。しかも、ただ名前を入れるだけでは終わらない。その方の趣味や大切にしている言葉、イラスト、さらには何で知ったんですか!? というようなメッセージまで、丁寧にリサーチしてくれるんです。
実は僕も、この日“まさかのサプライズ”を受けました。
YouTube撮影取材の最中、舩戸さんが「実は今日、お渡ししたいものがありまして…」と手渡してくれた箱を開けてみると、僕のイラスト入り、しかも社名入りのオリジナルマグカップがドーン! へ?
いつ準備してくれたんだろう? そのうえ、裏面にはなんと僕の名刺にこっそり書かれていた“キャッチフレーズ”まで入ってるじゃありませんか!
「どこで情報仕入れたんですか?」

そう驚いて聞くと、舩戸さんはにこにことした表情。
そう、“相手の期待を超えてサプライズする”ことが彼らのスタイルなんですね。ネットショップだからお客さんの顔は見えないかもしれない。でも、画面の向こうにいる相手の喜ぶ顔を想像しながら、しっかりとリサーチして、一点一点に心を込めて作る。「それがウチのものづくりなんですよ」と舩戸さんは誇らしげ。
ECだからこそ広がる、ものづくりの可能性
まさに、この精神に、この企業としてのカラーが見られます。
オーダーMyキャラ!というコンセプトで、似顔絵が描かれています。
これは、贈る相手の人を敢えてキャラクター化することによって、その商品に特別な愛着を、感じてもらえるようにしているわけです。いろんな要素をそのギフトに掛け合わせて、地元の自慢の陶磁器の付加価値をあげているのです。
僕自身、サプライズマグカップをもらって感じました。
ギフトって、ただ物をやりとりするだけじゃないんですよね。そこにしっかりと「気持ち」が宿るんです。贈られた方はハッピー、贈った方も嬉しい、そして作った桃山さんも喜びを共有している。三方よしどころか、世界中に幸せが波及しそうなくらいの連鎖が起こるんじゃないかなって。
「こりゃちょっと贈りたい相手を探して、またお願いしたくなるなあ…」
そんな風に帰りの道中ずっと思っていました。それくらい素敵な体験をさせていただいたんです。
ギフトの“想い”が形になる場所
「ギフトに想いをこめたら、こんなにも面白いものづくりができるんだ!」。桃山さんは、その最高のお手本。心のこもった陶磁器が、これからもたくさんの笑顔を生んでいくことは間違いないでしょう。
この日、スタッフの方にも同席してもらうと、そこにも思いが溢れていました。
ネットショップはお客様とのやり取りでも顔が見えません。だから、メールや電話でのやり取りがほとんど。それゆえ、逆に、「商品に気持ちを乗せて届ける」という姿勢が大事になってきます。
そして、ものづくりというよりは、その想いを支えるのがECの仕組み。地元の陶磁器と、店長さんたちの優しいこだわりが組み合わさって、全国の人に“ふふっ、嬉しい!”なサプライズを届け続けているんですね。
相手への思いやりは、プライスレスであり、そこの期待値を超えるギフトは何にも変え難い思い出となる。だから、いつしか贈られた側が、贈る側へと変わり、素敵なギフトの連鎖が起こっている。真にものづくりへのリスペクトと、思いやりがあって、成せる技です。
こんなことができてしまうのもECなんです。物ではなく、何をしたいか。それを教えてくれる彼らの話でした。「僕も誰かにプレゼントしたいなあ。次は誰に贈ろう?」なんて考えながら、今日はこの辺で。