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ネット通販、動画という従来の定義を乗り越え、見据える新たな購買シーン Fireworkの世界

 「思えば、この会社の社員がまだ一桁の時からjoinして、色々やってきました」。海外のデジタル最前線に魅せられた男が、たどり着いたのが、動画。先日、海外発祥のFirework社が提供する動画ソリューションを通じて、ECの概念はもはや過去のものに感じられた。それを泥臭く、形にしてきた同社の日本法人代表 瀧澤 優作さんの話に迫ろうと思う。彼らの動画が指し示す新しい形態は、ECとの親和性が高くなって、新しい購買シーンを連想させる。想像しよう、新たな世界へ。

TikTok的な動画のニーズがヒントに

 とはいえ、Firework社は、最初から今のような構想をしていたわけではない。当初はBtoC向けにTikTokのようなサービスを提供していた。その視点は先駆けていたから、順調に推移した。だが、情勢が変わったのは、TikTokが巨額の投資を行ったこと。TikTokの戦略が、世界規模へと拡大したことで、国内もTikTokにより席巻される。そうすれば、Firework社は方向転換を余儀なくされることになる。いち早く、ビジネスモデルを変えた。

 でも、彼らは、そこで得た知見を活かすことができた。Firework社は、提案先を人から企業にシフトしたことで、新たなビジネスチャンスを手にしたのである。どういうことか。彼らのやることは、例えば、ECサイトなどに提案するもの。結局は、その先にお客様がいるということで、このお客様はいうまでもなく一般人である。

 要するに、Firework社は、TikTokのような動画コンテンツで知見があったことがプラスに作用するわけだ。BtoCをやる中で、どういうものが効果をもたらすのか。それをインフルエンサーと二人三脚で、昨日などインフラを含め、作り上げてきた素地がある。どういう設計をすれば、インフルエンサーが発信しやすいかの土壌を知っていた。だから、それはそのまま、企業に置き換えられた。要点を抑えた発信が企業にとって、売上向上をもたらすからだ。

動画とECの新たな関係

 いわば、BtoBtoCのビジネスモデルである。ゆえに躍進の一手を掴めた。ここで大事なのは、人の心が動く本質的な部分は変わっていないこと。大事なのは、それをどうビジネスに有効活用していくか。ECサイトにとってはそれを取り込むことで、裾野を広げることは重要である。

 改めて、瀧澤さんの話をベースに気づいたことがある。それは、従来と動画の位置付けが変わっていること。従来の動画は、テレビがそうであるように、主に視聴者に「コンテンツを提供する」手段。そこで止まっていたように思う。

 しかし、それが、スマホ上で展開されることで、変わる。動画そのものがECの要素を備え、全く新しい付加価値を生み出す手段となっている。過去で言えば、コンテンツを提供することは投げっぱなし。そこを回収する術を身につけた動画という意味で、この動画コンテンツがもたらす価値は大きいだろう。

 具体的な事例を挙げよう。例えば、花王は自らが手がける化粧品を、ライブ配信で使ってみせた。ただ、ここは彼らの知恵の見せ所。見事なのは次から次へとメイクを施してみせた事である。彼らは日頃、百貨店であらゆる人の顔に触れ合い、そして、適切な化粧を施してきた。それをデジタルでの強みに変えたのである。

スタッフの腕が最大化されるライブ配信

 だから、そこでコメントを集める。ああしてほしい、こうして欲しい。寄せられるさまざまな声に次々、答えて、そこでタイムリーに指し示すわけだ。その変貌ぶりを目にした視聴者は、そこに魅了される。そして、その変貌が、何気なく、そこで購入できる商品というところで視聴者と繋がっている。コツさえ押さえれば、自らもそうしたイメージの変貌を遂げることができるのか。夢を抱くわけだ。笑。

 しかも、これが多くの人が視聴する中で行われ、一体感があって、ライブのような熱狂に包まれる。従来の百貨店での接客を動画で再現し、さらに進化させた形である。

 接客が、動画を通じて広がり、受け皿としてECを有効活用したまでのことで、理屈はシンプル。

リアルとデジタルの新しい使い道

 これでお分かりいただけるだろう。動画がただ動画で見るだけに完結することはない。ECと連動して、旧来のメディアとは異なる新しい価値を産んでいて、それがスマホ一つで具現化できる。勿論、Firework社の部分でコストがかかるけど、自分たちのやるべき姿勢を見出した企業は、そこを深掘りして、彼らの機能を味方につけていくわけである。

 例えば、ライブ配信による、視聴者の反応がリアルタイムで把握できる。そこで、Firework社では、それを瞬時に、バックヤード側で数値化し、何が視聴者に響いているかを可視化するわけだ。ここからが驚きなのだが、動画の可能性を一気に飛躍させる。

 つまり、この新しい形のライブコマースでは、視聴者のリアルタイムでの反応に合わせて、進行する出演者に指示を出せるわけである。要するに数値からみて、盛り上がっていることを見たところで、「その話を引き伸ばして!」という具合に、裏方から指示出しできるわけだ。

 何より視聴者の興味関心のあるネタを膨らませることが可能となれば、当然、その視聴内容は視聴者の理想に応えるものになる。従来の動画が作りっぱなしだったとすれば、こうはならない。ここに新たな世界を見たわけだ。ユーザー本位の動画を作れるということになる。

着地にECがあるからこそ、動画の質が高まる

 だから、彼らのシステムを利用するコストが理に適ったものとなる。着地としてECがあるから、それを補完できて、自らのブランディング力を向上させる。一例だが、彼らは独自のビジネスモデルで羽ばたく土台を得たわけだ。

 アーカイブで見れれば、商品の価値を深掘りしたものとなり、平面的なECサイトとは違った様相を呈する。

 だから、言ったのだ。従来のテレビに見られる動画とも違って、新しい価値を生み出したと。従来のECとも異なる形で収益を生む、新しいビジネスモデルを生み出している。

動画マーケティングの変革

 こういうと、花王のように、美しい方々で構成されているから、と思われがち。だが、大事なのは、そこに流れる人間性と空気感である。語弊を恐れず言えば、「生協」もライブコマースを活用して、どこにでもいそうな(失礼!)親近感が湧いてくる社員が出てくる。でも、人間は中身で真価を発揮する(度々、失礼!)わけで、一度、語り出すと、商品への熱量が並みではない。それもそのはず。彼が生協でバイヤーを務めているから。もう、そうなるとスターと変わりない。

 その信憑性にファンが生まれるのである。これらの配信の本質である「人」の大事さという部分が果たす意味合いは大きい。

 これこそ、発掘。こういうところに価値があるなど、今までにはなかった。だから、当の本人たちは、それを堂々と伝える自信がつき、彼らも変貌する。ECとライブコマースの融合が進み、社員のポテンシャルを活かすという意味で、奏功したわけだ。

 そう考えると、スマホという武器を手に入れ、世の中は変わってきた。それは、従来の縦割りにはない成果を生み出すという事に尽きる。だから、ECサイトが注目されている。具体的な消費を生み出す着地点として。だからこそ、コンテンツ性を備えて、ECとしての力を発揮すれば、良い。今までにない新しい購買シーンを生み出し、自らの裾野を大きく広げる事になるのである。

 今日はこの辺で。

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