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さとふる PayPay “ふるさと納税”で握手 「PayPay商品券」を手に現地で地方を楽しもう

 PayPayの価値を最大化させつつ、さとふるの知見を掛け合わせることで、地域の活性化を図る。地域の活性化の核心はキャッシュレスである。先ほど、さとふるとPayPayが記者会見を行った。両社が互いに連携して、新たにふるさと納税の返礼品として「PayPay商品券」を提供するのである。

さとふる PayPay商品券 でリアルに価値をもたらす

1.自宅ではなく現地で地方を楽しもう

 なるほどなあ。「商品券」とはよく考えたものである。つまりふるさと納税で寄付して「PayPay商品券」を返礼品として手に入れるわけである。おそらく、全国各地にPayPay加盟店は広がっている。上記の通り、商品券という形を取って、ふるさと納税をフックに、その地に足を運び、PayPayを使って商品を手に入れる。それが可能になる。

 さとふるとPayPayの連携はスムーズで下記の通り。さとふる上でPayPay商品券を選択して寄付すればよい。

 その後、さとふるとPayPayアカウントと連携するとPayPay上に商品券が付与。ユーザーの手間が一切かからない。これで、もういつもPayPayを使う感覚で地方で利用できるわけである。

2.背景に急激なPayPayの成長

 これまでPayPayは猛烈な勢いで、消費の現場にキャッシュレスをもたらした。彼らの営業力によるところが大きいが、加盟店を増やし、使える場面を作り出し利用者を伸ばした。

 PayPayの登録ユーザーはいまや5200万人超。決済回数は2022年上半期だけで約24億回を数える。いわば、新しい文化様式を提供した。この動きが大きいのは、お店側と利用する側の両方に浸透しているから。あとは、いかにそれをさとふるとして連携させて、ふるさと納税の一つとして提供できるか。それが肝であったわけだ。

3.さとふるとしての悲願

 これまで僕は「さとふる」と色々な取り組みに関して追い続けてきた。彼らから共通して感じるのは事業者への想いだ。実際、地元まで足を運び、その問題点を可視化して、まさに物流改革はその賜物である。急拡大する「ふるさと納税」の需要の中で事業者側の追いつかない出荷体制。

関連記事:さとふるが先駆ける冷凍の 倉庫 に潜入 現場で見た ふるさと納税 の未来 とは

 そこで彼らは自ら倉庫を首都圏に構えた。現場の最前線で、課題に応えようとしたその姿勢はいかにも彼ららしい。まず、出荷にかかる工数を彼らが引き受ける。そして受注の多い首都圏に倉庫を構えることで、そこに一括で保管。必要に応じて出荷すれば、一回一回、地方から送るより、はるかにコストが抑えられると考えた。

 こうやってユーザーと事業者、自治体と足並みを揃えて、ふるさと納税のプラットフォームを整えてきた。だから、事業者から信頼は厚い。ゆえに、彼らはコロナ禍で宿泊施設など、苦しんだ際に、すぐに動いた。要は、体験系のサービスに厚みを持たせたのである。それは現場思いの裏返しで、さとふる代表取締役社長 藤井 宏明さんの発言にもそれが滲む。

4.地元を自宅ではなく現地で味わう

 繰り返すが、返礼品を届けるだけではなく、地元へ足を運んでもらいたい。さとふるの思いはずっと強く感じ続けてきたのである。下の記事の棚田に関してもそうだ。

関連記事:日本でその美しい棚田を失わぬために 自治体やふるさと納税ができる事

 だから、地域で体験や活動が生まれるのは、悲願だし、意味がある。

 PayPay代表取締役社長 中山一郎さんはこう話す。「今回の取り組みで「ふるさと納税」の利点は2つになりました。一つはこれまで通りで『自宅で地方を味わう』。そこに我々PayPayが協力することで、新たな利点がもう一つ加わった。それが『現地で地方を味わう』です」と。

 僕が思うに、地方とは最大のコンテンツであると思う。この日、席上には、栃木県日光市長の粉川昭一さんや、山口県長門市長の江原達也さんの存在もあった。いずれもその豊かな自然や文化に胸を張ってみせた。勿論、それを遠くにいながら、自宅で生産物などで堪能するのもありがたいとしながらも、やっぱり現地で楽しんでもらいたいと声を揃えたわけである。その方が圧倒的に与えられる感動は大きいと。

 つまり、ふるさと納税は新しいフェーズに入った。もっと現地で楽しみ、心を動かす度合いの大きいサービスとなった。それこそ自治体と一緒になって作り上げていくわけである。

5.日光では550店舗が利用可能

 ちなみに、PayPay商品券の寄付額はどうなのか。1000円〜500,000円まで全15種類。また、PayPay加盟店のうち、自治体が実際に御礼品に関係するお店をチョイス。そこで返礼品と縁が深い選ばれたお店で、その商品券は使うことができるようになる。例えば、栃木県日光市の場合、地域内の550の店舗、施設で利用できる。

 利用できる店舗では販促物で「PayPay商品券が使える」ことを訴求できる。逆に言えば、リアルの現場でのそのPOPを見て「ふるさと納税」をやろうとするユーザーすら現れるだろう。PayPayを使った新たな経済圏の構築でもある。

これからふるさと納税の新時代

 まさにコロナ禍が徐々に落ち着きを見せる中である。ここから一度失われた観光客をいかに取り戻すかは喫緊の課題だ。これらの存在が、地方自治体にとっては願ってもない販売促進材料になりそうだ。

 あえて言うなら、さとふるがその裾野を広げるほど、ユーザーへの提案の精度をあげてほしいと願う。彼らは、地元への想いが強い。だからこそ、リアルとネットの垣根を超えて、今までにない視点で、ユーザーと現地の人に笑顔をもたらすのは何かと考えてほしいのだ。

 ふるさと納税の核心は、地域への愛着、また来ようと思える人と人との関わり合い。だからこそ、そのメニューが地域と利用者の感動の度合いを底上げしていく事に繋がればと願うのだ。そこに繋がることを祈って。

 今日はこの辺で。

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