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【特集】AMS古田俊雄さんが語る在庫管理から始まる意識改革〜リアルとECの融合がもたらす進化

 コロナ禍を経て、リアル店舗の存在意義や役割は大きな変化を迎えました。EC市場の急成長によって「デジタルでの販売」への関心が高まる一方、店舗の閉店も相次ぎ、業界全体が岐路に立たされています。AMSの取締役・古田俊雄さんは、こうした状況に対してECとリアルの真の一体化が生む価値を語り、在庫管理や意識改革が鍵であることを提言しています。

 本特集では、古田さんの視点を通して、リアル店舗とECが互いに補完し合い、売上を最大化する方法を段階的に解説します。初心者にも理解しやすい構成で、在庫管理から始まる意識改革の重要性を示し、企業全体の価値向上を目指すステップをご紹介します。

第1章:リアル店舗が変わるために必要な「在庫管理」への意識改革

なぜ“在庫”の意識改善が必要なのか

「デジタルでの販売」を目指しながらも、最初のステップでつまづいてしまう企業が多い理由。その鍵は、意外にも「在庫管理」にあります。古田さんが語るように、リアル店舗のスタッフは在庫の数やスケジュールの重要性に対して、これまでそれほど意識的ではありませんでした。入荷や商品登録のタイミングもアバウトで、結果的にリアルとECの売り場がチグハグになってしまうのです。

AMSでは、この課題を解決するために在庫の可視化を徹底し、リアルとECの共通スケジュールを設定するところから始めました。在庫データを基にした一体的な流れが整うと、各部署の役割が明確になり、スムーズな運営が可能になります。「デジタルシフト」や「EC化率の向上」などと騒ぐ前に、基本となる在庫管理の見直しこそが、企業全体の成長を支える大事な一歩だと古田さんは語ります。まずは、この根本的な意識改革から、その先の未来を築く道を学びましょう。

小売店 の デジタルシフト その前に “在庫”で生産性を高めよ

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第2章:リアルとECの連携による売上最大化

ブランドや専門店のスタッフが意識すべき“DX”推進の3つのポイント

ECが成長のカギとされる一方で、リアル店舗のスタッフがその力を活用しきれていない現状。リアルの店舗は単なる“売り場”ではなく、“もう一つの倉庫”であるという考え方が、AMSの古田さんによって提唱されています。リアル店舗の在庫をECでも活用し、必要に応じてECの注文に即対応できる体制を整えることで、売上の最大化が実現します。

この章では、ネット通販の利点から学ぶべき点を掘り下げ、リアル店舗のスタッフが行動改善を進めるための具体的な取り組みを紹介します。スタッフが営業時間中に在庫の確認を行い、ECの欠品防止や在庫ロス削減につなげることで、会社全体の利益率も上昇するのです。リアルとECの間で在庫の流動性を高め、お互いにとってメリットのある新たな運用方法を探る手助けとなる記事です。

専門店変革期

専門店変革期

記事:ブランド や 専門店 のスタッフが“DX”を進める上でやるべきこと(Clickで飛べます)

第3章:ECサイトにおける「プロパー」と「アウトレット」の運用戦略

アウトレットと新作を混在させないECサイト構築、その舞台裏

プロパー(新作)とアウトレットを一つのECサイトで統合すべきか、別々に運用すべきか。これは多くのブランドが抱える悩みです。古田さんの示す好例では、アウトレットの商品が単なる“割引品”ではなく、独自の戦略を持つものとして成熟し、その結果としてECサイト上での統合運用が成功しました。

統合運用を成功させるには、プロパーとアウトレットそれぞれのユーザーがストレスなく買い物できるよう、サイト内の構成やUX(ユーザー体験)に徹底した工夫が必要です。このブランドは、リアル店舗と同様のタイムセールを実施し、在庫の連動もスムーズに行うことで、両者の違いを明確にしつつも顧客が混乱しないような導線を設けています。こうした工夫が実際にどのように進められ、どのような成果を生んだかを知ることで、ECサイトの運用に対する理解が一層深まるでしょう。

関連記事:アウトレットと新作を混在させないECサイト構築 その舞台裏で見えた大事なこと

第4章:「ボトルネック」を見極めることで進化するDXの真髄

DX推進で意識すべきは“ボトルネック”への理解

デジタルシフトやDXが盛んに語られる現代において、古田さんが強調するのは「ボトルネック」の把握です。多くの企業が、まず投資や新しいシステムの導入を考えますが、実は問題の本質は、そうしたテクノロジーでは解決できない「縦割り構造」や「意識の断絶」にあるといいます。

AMSでは、各部署がリアル店舗、EC、顧客データの複合的な視点を持ち、全体としてボトルネックがどこにあるのかを見極める取り組みを進めています。特に、顧客からのフィードバックや日々の問い合わせなど、小さなデータを丁寧に拾い上げることで、現場でしか気付けない改善点が見つかるのです。部分的な最適化でなく、全体最適の視点を持つことがDX成功の鍵であり、それが企業全体の成長を支える基盤となります。DXを進めるうえで、投資に走る前に何が必要かを見極めるための指針が示される一章です。

記事:“DX”推進で意識すべきは “ボトルネック”への理解 オムニ、コールセンターの現場で想うこと

特集を通じて、AMS古田さんの洞察を基に、企業がECとリアルを一体化し価値を最大化するためのステップを理解していただければ幸いです。それぞれの章で得られる知識が、あなたのビジネスに一歩ずつ役立つことでしょう。どのように在庫を管理し、DXの罠を避けて全体最適を追求するのか。ぜひ、個別の記事を読み進めていただき、リアルとデジタルが生む新しい価値の可能性を探ってみてください。

今日はこの辺で。

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