時代を読む 特集
【特集】トランスコスモス、顧客の声をビジネスに
面白い会社だな。つくづく思います。元々コールセンターの老舗でありながら、最近の活動は多岐にわたります。語弊を恐れず言えば、掴めない。でも、コールセンターを重んじた事で見出したのは、顧客の声を活かすマーケティングの要素でした。いまやお客様の声を手掛かりに各々の企業に即した事業のあり方を提示。コンサルティングとしての側面も強い企業です。
CSからCXを意図する理由
1.コールセンターの進化を家電に見る
話題に上がったのは家電の話でした。家電?トランスコスモスってコールセンターじゃないですか。でも、彼らはそれを通して、デジタルコミュニケーションの必要性に気づいたのです。そこから描く未来の展望は、僕らに気づきをくれます。
最近重んじているテーマは、CSからCXへ。個々の顧客対応を重んじながら、そこに終始せず、顧客「体験」を向上させるというのです。
2.コールセンターでの知見をテコに顧客体験の向上を示す
単なるコールセンターであれば、それはお客様からの問い合わせだけ対応すればいい。でも、彼らは「故障してから対応するのではない」と説く。仕事が減っちゃうじゃない?。そう思われがちだけど、そうではなく普段から、接点を持っていれば、自然な流れでその故障を未然に防げます。
トランスコスモスが目指すのは、こういう顧客体験の向上ですと。それは、確かにそのクライアントの企業価値を底上げする材料になって、重宝されますよね。
関連記事:コールセンター の進化は“スマート家電”にあり? トランスコスモス 未来絵図
顧客の声の見極め方
1.顧客の声を生かす専門家としてのトラコス
上記の流れを見れば、彼らがデジタルマーケティングに注力する理由がわかるでしょう。顧客の声を生かすプロフェッショナルである彼らに顧客の声の拾い集め方のヒントを聞いてみました。不思議な話ですが、彼らの仕事のやり方を遡って考えてみると、実はその答えが見えてきます。
トラコスは元々、常駐で企業に入り込んで、お客様対応をしていた。けれど、それをコールセンターで一括で請け負えば、自社として効率がよくなり、それがクライアントにも利する。コストがかからなくなるからです。
2.必要な声を抽出して会社の改善に活かす
彼らのデジマ戦略は、発想的にはこれと同じです。付加価値をつけて、生産性を高くし、粗利を増やして、その価値を企業に還元していく。コールセンターで培った高いコミュニケーションの知見は、デジタルマーケティングでも応用し、企業に対して還元できる。全部の問い合わせに目を向けるのではなく、そこでピックアップするべきものを抽出していくのです。
関連記事;お客様を知る秘訣とは トランスコスモスのデジタルマーケティングの真髄
企業はどう変わるべきか DXを題材に考える
1.DXには二つある
必要なデータを抽出するにもそれを見極める力がなければなりません。だから、彼らは社員に対して、デジタルを身につけよと言っています。それを考える上で、常務執行役員 所年雄さんは、『DX』に2つのタイプがある事を教えてくれたのです。それが『モード1』『モード2』です。
2.『モード1』って何?
『モード1』とは、一言で言えば社内のデジタル化です。要は『モダン』システムへの移行を意味するといいます。つまり、以前であれば、それぞれがその持ち場を切り盛りすればよかった。なぜなら、それを分業で乗り切れるからです。巨大な販売網と大量生産では、基本そういう姿勢が正しいとされました。ある意味、それが解決策でした。
ところがデジタルが入ってくると、そうではなくなります。それぞれの部署の数値を相互に繋げながら判断する事。そのほうが大事になってきています。だからこそ力任せに数で勝負する事なく生産性高くビジネスを行い、正しく成長できるわけです。それが大事なのだと言います。