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【特集】森ビルの「ヒルズ」に潜入 際立つ文化の提案に時代を見た

新しくオープンした「麻布台ヒルズ」のプレス発表会と、虎ノ門ヒルズステーションタワーを訪問しました。感じたのは、商業施設を超えた「街」の存在感。小売店やミュージアム、病院、公園、学校が一体となり、地域に根差した街づくりが進んでいます。各店舗がこだわりを表現し、気づかれにくい価値を拾い上げる姿勢が、今の時代を象徴しています。

まさに街である

「麻布台ヒルズ」は、単なる商業施設ではなく、街そのものとして生まれ変わりました。商業エリアを囲むように新設された「桜麻通り」や、8.1ヘクタールに広がる広大な敷地が、その規模を物語っています。関わる企業の熱意が込められ、300を超える地権者との協力で1989年からの壮大な計画が実現しました。

「森JPタワー」はその中心で、64階建ての建物が住宅やオフィスとして利用され、緑豊かな中央広場と共に、街全体の象徴的な存在です。トーマス・へザウィック氏がデザインしたガーデンプラザは、横に広がる弓形の構造で、頂上の緑が「Green & Wellness」というテーマを体現しています。

さらに、この街は生活空間だけでなく、ミュージアムや学校、医療施設までも含む、心の豊かさを提供する場として設計されています。「タワープラザ」には暮らしを支える多彩な店舗が揃い、訪れる人々が快適に過ごせる設計がなされています。文化を通して、人々の「暮らす」を彩る麻布台ヒルズの魅力をぜひ体感してください。

記事:もはや街だった。文化を育み、新しい価値を受け入れる「麻布台ヒルズ」

街だから文化を伝える

「麻布台ヒルズ」は、商業施設を超えて文化の拠点としても機能しています。ここではアートが至る所で表現され、歩くだけで自然と好奇心が刺激されます。オラファー・エリアソン展に見られるように、水や光を用いた表現が来場者を魅了し、ただ見るだけでなく、文化と一体化する体験が提供されています。

**「集英社マンガアートヘリテッジ」**では、漫画をアートとして再定義。特に「ONE PIECE」の活版印刷による作品が展示され、漫画が持つ歴史的な製法や価値が視覚的に伝わります。集英社が漫画の背景や技術をアートとして表現することで、日本独自の印刷技術への敬意が示され、漫画ファンの関心を新たな視点で引きつけています。

さらに、デジタルアートの象徴である**「チームラボ ボーダレス」**もここに再び登場。かつてお台場にあった同施設が麻布台ヒルズで再スタートし、ボーダレスな空間と幻想的なデジタルの表現が来場者を包みます。デジタルは利便性を超え、人々にポジティブな感情をもたらす媒体としての可能性を示しています。

また、**「舞台裏」**というギャラリーレストランも、The Chain Museumによって運営され、剥き出しの骨組みとアートが共存する空間で、食とアートが融合した体験が提供されています。こうしたユニークな空間が、人々の中に文化を根付かせ、街全体を一体とした文化的コミュニティを形成しているのです。

記事:集英社の漫画の視点、チームラボのデジタルの切り口 など、斬新アートで人を育む「麻布台ヒルズ」

小売店も想いをダイレクトに表現する

「麻布台ヒルズ」には、MinimalやMr.CHEESECAKEなど、オンライン発の人気店が並びます。

これらの店は、リアル店舗でも自らのブランド価値や想いを体現し、訪れる人に深い体験を提供しています。Minimalでは、Bean to Barの製法に基づき、厳選したカカオ豆のみで作るチョコレートを用意し、事前予約でチョコレートとお酒の新しいマリアージュを楽しむ体験型の試みを展開。ここで味わう時間そのものがブランドの「引き算」の美学を体現しています。

Mr.CHEESECAKEでは、誕生日ケーキから着想を得た新しいチーズケーキの体験を提供。繊細な食感と豊かな風味を、手軽なカップ形式や黒トリュフ・ウイスキーを取り入れたユニークなアプローチで提案しています。

また、20年以上の歴史を持つビーガンカフェ「8ablish」も、「人を選ばない食卓」を理念に、多様な人々が共に食事を楽しむための空間を提供。アレルギーや制限を気にせず、誰もが快適に過ごせる場をデザインしています。

麻布台ヒルズのショップは、単なる「商品を売る」場ではなく、それぞれの想いを丁寧に伝える場。店舗で体験することで、ブランドのこだわりが訪れる人々に浸透し、さらに深く記憶に残るのです。

記事:チョコやケーキの素材と製法、ビーガン等の切り口、多様な価値観を「食」に込め「麻布台ヒルズ」

食のこだわりに文化がある

「麻布台ヒルズ」ではなく、「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」で見られるのは、名店たちが競い合う食の個性とこだわりです。それぞれの店が、食材選びや製法、流通、演出に至るまで、独自の哲学と価値観を反映させています。

食材へのこだわりが光る「創作串揚げ つだ」では、季節ごとに異なる野菜の特性を生かし、タレの調整まで行っています。例えば、北海道産いくらを使ったサーモンの串揚げは、野菜の旬に合わせた繊細な味わいが楽しめます。

製法では、「Lampada」が郷土料理に和のテイストを加え、フォアグラや味噌、大根を調和させた独自の一皿を提供。さらに「falo+」では、イタリアの「カルトッチョ」を基に、パン醤油や発酵白菜といった自家製素材で個性を引き出しています。

流通を重視する「焼肉 山水」は、仕入れから提供までの鮮度管理を徹底し、最良の状態でお客様に提供。また、演出面では「焼き鳥 野之鳥 幻鳥」が焼き場を囲む席を設け、京鴨の希少部位を臨場感たっぷりに提供しています。

料理人たちの挑戦と個性が交差し、新しい価値観が生まれる「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」。ただ食べるだけでなく、各店のこだわりを通して、食が持つ深い文化を体験できる場所となっています。

記事:個性は随所に “虎ノ門ヒルズ ステーションタワー” 名店の食のこだわりを様々な角度から紐解く

森ビルの各施設が提供する空間は、商業施設の枠を超え、地域に根ざした文化と生活の拠点として機能しています。麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズ、六本木ヒルズといった場所では、単にモノやサービスを提供するだけでなく、地域コミュニティの核となる「街」を作り上げ、訪れる人々に豊かな体験と学びの場を提供しています。文化、アート、そして生活が調和し、日常に新しい価値とインスピレーションをもたらすこれらの空間は、森ビルが地域社会と共に成長し続ける象徴です。

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