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【特集】リアル店舗の役割はよりエンタメ的に

店も従来の考え方とは違えて、その役目を変えてきています。単純に、店員が商品を売り込む、今までの店舗の姿勢は皆無になっていくでしょう。

■デジタルを駆使して人を重んじる 「靴下屋」吉祥寺での挑戦

・デジタル推進 スタッフのアナログな想い溢れる

創業1968年。温かに育まれた靴下の会社タビオは、デジタルの要素でも温もりが溢れています。僕が以前から注目したのはその「ものづくり精神」。しかし商品づくりに負けず劣らず、スタッフ自体も創造性豊かに、道を切り開いています。吉祥寺にオープンした彼らが運営する「靴下屋」のデジタルな挑戦に迫ります。

僕が今回注目したのは、老舗の伝統を重んじながら「革新」に挑戦する部分。特に、女性の気持ちを掴む工夫は他のブランドよりも先駆けています。

・サイネージこそ、彼らの真骨頂

それを考える上で店内4ヶ所に設置されたデジタルサイネージがミソ。通常のものは、決められたイメージ動画が繰り返し流される仕様。しかし、このお店では本部が操作して、スタッフのSNS投稿が流れ、一度、反響を集めれば、それをタイムリーに映し出し、その熱狂が生まれるその時をこの店は逃しません。

ただ大事なのはそれを設置したことではなく、それを活かすための会社のスタッフとの向き合い方に学びがあるという事なんです。

ここ数年、コロナ禍もあって巣篭もりと言われる中で、店に来る以外でその価値を発揮するべく、スタッフと会社との間でSNSの活用方法に関して、試行錯誤を続けてきたのです。

最初こそタビオの写真のみを挙げている時もありましたが、それを撤廃。タビオブランドに限らず、各々が関心のあるブランドを着用するなど、本人の感性に任せる方向性で個性を尊重しました。実はこれが彼らの転機となり、この店の誕生にも繋がっています。

・9.8万人のフォロワーのスタッフも

今ではインスタグラムで9.8万人ものフォロワーを抱える三輪あんりさんをはじめ、人気者が誕生。フォロワー数もそのスタッフの評価の指標にして、インセンティブを与え、そこを起点にその頑張りを反映していきます。つまり、評価の基準を徐々に時代に合わせ変化させていったのです。

では、まりんさんはどうやって9.8万フォロワーを集めるだけになったのか。なるほどと思ったのが、靴下をアクセントとしてコーディネイト提案をしました。でも5000人から一気に伸びたのは、わずか一年程前。そのコーディネイトに文字を入れるようにしたのだと言います。

まるでその投稿にタイトルやテーマがつけられた感覚で、一気にわかりやすくなりました。ここまで来ると、ファッション誌のような感覚です。

だからこういうスタッフの声を入れて、撮影用のスペースすら作り、自分は勿論、お客様にも撮ってもらう機会を作り、通常の店のイメージから脱却しました。

・オリジナリティと特別感

こういう土台を築いた上で、老舗として培ってきた刺繍サービスで、気持ちを後押し。この辺は靴下専門店ゆえの付加価値です。

これも深くて、王道で考えれば、母の日など、その刺繍サービスもギフト需要です。でも、それは昔の話。女性はそれを華麗に、コミュニケーション手段に置き換えます。最近、これを推し活グッズと位置付けて、シェアするのです。この日も某アーティストのメンバーの名前を入れる女子の姿がありました。

かつて吉祥寺にお店はありましたがそのサイズは40坪で、新店舗では28坪へと縮小。でも僕は少しもそれをネガティブに捉えておらず、寧ろ、そこから「リアル店に必要なのは何か」を感じるべきです。

必要以上に在庫を抱え、品揃え豊富に「売り込む」接客で、商品を買ってもらう時代ではないという事です。この地にいるスタッフの価値を最大化させて、メディアのような発信的な要素を持たせる。また、きてくれた人にそこにいる事が特別であることを、実感できる拠点にしていくことが大事ではないでしょうか。

■チャオパニックティピー お客様をHappyにする 素敵な“デジタル”シフト

・リアル店で デジタル の魅力感じて

普通にアパレルショップに佇むスタッフが、実はInstagramでファンを抱える“プチ・スター”なんだと思いました。パルが運営するブランド「CIAOPANIC TYPY(チャオパニックティピー)」でのことです。このお店を運用するパルのデジタル戦略が奏功しているのだと思いました。

プチ・スターと僕が讃えた彼女はユキノさん。案内してくれたのは、その亀戸にあるお店です。ほぼ全ての商品が並んでいて旗艦店に近い印象。仕入れではなく、製造小売のスタイルです。故にお客様のデータから生産数を読み、KPIを設定するはずで、在庫管理がしやすいはずです。まずここがデジタルと相性が良いです。

フロア面積が広い分、アウトドア商品なども並んでいて、印象的なのは男性、女性と区切ることなくファミリーと対象を広げていること。つまり、シーン提案を重んじているから、価値観に共感するお客様を増やす戦略で、これから話すユキノさんの個を大事にする戦略も活きてきます。

得意げに、「今のトレンドカラーは緑です」と。確かにさりげなく緑が散りばめられています。こういう季節性を実感させることで、お客さまは変化を意識するでしょう。継続顧客へと繋がるとともに、作る数を限定的にして、生産性を高められます。

「勿論、店頭でも販売するのですが、ないものに関しては積極的にECをお薦めしています。」と。この言葉から在庫の連動ができていることがわかります。かつスタッフ教育も徹底して、その在庫体制を活かして、機会損失を行わないというわけです。

今、ECって話をしましたけど「チャオパニックティピー」は「 パルクローゼット」という同社のブランドを一堂に集めたECサイトの中で運用されています。

つまり

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