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時代を読む まとめ

【まとめ】音楽も漫画も。今やヒットはデジタルから!?

昨今、漫画や音楽など旧態依然のやり方とは違った形でヒットが生まれています。デジタル化によって才能の発掘の仕方が変化しているということを象徴する動きではないでしょうか。

■YOASOBI と 少年ジャンプ+ に見る 広がる 才能発掘

・YOASOBIの夜明け缶バッジで元気付ける

世の中に溢れる才能がデジタルによってより身近で多様化しています。先日、ヤプリのイベント「UPDATE」で、YOASOBI や 少年ジャンプ+ に関して話し合われそれを感じたのです。アナログで一時代を築いた企業ながら、今はファンとの接点をデジタルで模索しています。例えば、ソニー・ミュージックエンタテインメントはレコード会社にして、小説投稿サイト「monogatary.com」を始めています。

そこで2019年、「小説を音楽にする」というプロジェクトがスタートしたことにより、YOASOBIが生まれます。

・小説起点で音楽配信

小説投稿サイトにある、星野舞夜さんによる短編小説『タナトスの誘惑』を原作として、手がけた楽曲が『夜に駆ける』。それが音楽配信されたのを契機に、2020年には紅白歌合戦にも出演するほどの国民的な大ヒットを掴んだわけです。

注目すべきは従来の音楽畑の仕事ではなく小説投稿サイトを立ち上げた事で、それを機にデジタルなユーザーと接点を持った事にあるように思います。それからコンテンツに変えて彼らの強みである音楽に紐づけたのであって、ここの視点は重要です。

小説投稿サイトではありますが、コミュニティを作り熱量を生む事に注力した事も注目すべき事でしょう。小説も音楽も、別の表現方法を手に入れたわけですよね。

・アプリ起点で単行本が売れ才能開花

一方、集英社といえば週刊少年ジャンプの存在感は圧倒的ですが、「デジタルにおいてジャンプはほぼ存在感はなかった」という中で立ち上がったのが、アプリの「少年ジャンプ+」。そのアプリでは週刊少年ジャンプを定期購読できるのは当然として、「少年ジャンプ+」独自の要素で言うと無料で読める漫画が多数用意されています。

そこでコメントと閲覧数を公開して、曜日ごと漫画家が競い合う形をとって、順位は変動するようにしているといいます。週刊少年ジャンプと言えば、アンケート形式が有名な話ですが、それさながらに、彼らは彼らなりに新たな基軸を取り入れ、才能ある漫画家を発掘しているというわけです。

ちなみに、ここで生まれたのが「SPY×FAMILY」という作品であり、アプリ起点ながら結果的に(紙の)単行本で7巻1000万部を超えています。

・音楽では旧譜にも脚光

また、新たな発掘と共にデジタルは掘り起こしもできるんです。西野カナさんがこの「monogatary.com」で作品を発表した事で、彼女の旧譜にも関心が集まっています。小説投稿サイトをきっかけに、旧譜にアクセスして、サブスクリプションとの合わせ技で、旧譜を知らない世代が聴いているという事なんですよね。

まるで新譜のような新鮮味を持って受け入れられているという現実。思うに、今の時代はデジタルシフトによって“引き合わせ”が加速したのだと思います。入口さえ工夫すれば、かつてのコンテンツも、今のコンテンツも開花するのではないでしょうか。

関連記事:YOASOBI と 少年ジャンプ+ に見る 幅が広がる 才能発掘

■こうして漫画はアニメとなり文化となる SPY×FAMILY

・設定がまず面白い!スパイファミリー

遂にここまで来たのかと。僕は、AnimeJapan 2022というイベントの会場にいて、大きなビジョンを目の前にしてそのアニメの存在を確認し、それを痛感したのです。それは「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」。この背景には、ここ数年の「少年ジャンプ」の意欲的なチャレンジがあることをご存知でしょうか。

スパイファミリーは父がスパイ、母が殺し屋、娘がエスパーという設定。お互いがお互いの能力などを知らずに、一つ屋根の下で生活しているという漫画(原作:遠藤達哉)。実に設定が面白く、この4月からテレビ東京系でアニメ化も実現しました。愛らしいアーニャをはじめ、恐ろしい素性を持ちながら、お互いの利害が一致。仲良く暮らしていくものの、見る側は真実を知るから、少しハラハラ。でも、微笑ましい。その絶妙なバランスがファンを増やし、今や累計発行部数1800万部を突破するほどの人気となりました。

・注目に値するのはそのヒットのさせ方

感慨深いなと思ったのは、この漫画に関して知ったのは、今から2年半前・その切り口に引かれたからです。『IMART 国際マンガ・アニメ祭 REIWA TOSHIMA』というイベントで、集英社編集総務部・部長代理の伊東敦さんと週刊少年ジャンプ編集部・少年ジャンプ+副編集長籾山悠太氏さんが語っていました。当時のメモにもその名前があって、いかに僕自身驚かされたかがよくわかります。

その始まりが「少年ジャンプ+」というアプリから始まっているからです。集英社として紙の媒体ではなく、アプリ専用の漫画としてデビューした初めてのヒット。だから、注目なのです。

週刊少年ジャンプがそうであるように、本屋などで購入して、読むのが常識。でも、、、、

この「少年ジャンプ+」というアプリは「スパイファミリー」などを筆頭に「無料で」読める漫画があるんです。

・最初は無料で知ってもらいそこからファンに

ネットで誰もが接点を持てる強みを活かした利点です。作品の魅力を一度、無料にすれば誰もがそれを見れる。ただし、二度目は見ることができません。つまり、全編一度は見ることができるので、そこで、潜在的なファンを発掘するわけです。そのストーリーを気にいれば、ファンになっていく。そうするほど、それらのグッズが欲しくなるわけであり、その一つとして「単行本」があります。それが上記の通り、1800万部を突破しているということなのです。マネタイズの持って行き方が絶妙です。

その単行本すらもファンにとってはその満足感を満たすグッズなのだということを証明できているから、グッズも続々出てきますよね。これって漫画以外にも応用できそうな発想です。それと同時に、昨今、言われる書籍離れに対して、新しい価値を見出したわけです。確実にマーケットを作り出しています。

漫画だからと侮るなかれ。大事なのは「スパイファミリー」がヒットしてから追いかけることではないんです。面白いけどね。集英社はコンテンツには自信があるからこそ、その仕掛けにこだわったんですよね。大きなビジョンに映し出されるアーニャの姿を確認して、改めて、この戦略の見事さを実感した次第です。

関連記事:今どきの戦略 こうして漫画はアニメとなり文化となる SPY×FAMILY(スパイファミリー)

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