Who is 145?

「145マガジン」に至る経緯

不器用ながらひたすらずっと“挑戦”し続けてきた。

 僕は、ジュエリーで少々、ヒットを掴む事ができました。いよいよ独立したいという気持ちが強くなっていたんです。ただ、そこで挑んだ初めての独立では、本当に、不甲斐ない結果を導き出すことになります。そして、僕は日雇いバイトをするまでして、必死に生きる日々が待っていようとは思いも寄らない事でした。

自分で美容商材、洗顔ジェルに挑戦するも挫折

1.健食にも着手しそこでの独特なアイデア

 僕は以前、矢野未希子さんとのジュエリーのディレクションをさせてもらい、ものづくりに関しての知見は溜まっていました。だから、それを活かすべくアイフリークで当時、関わっていた美容商材に関しても着手することになります。

 着目したのはダイエットサプリ。その多くは、大きなボトルに入っていることが多かったのです。でも、それでは女性は持ち歩けないはず。そう思って、敢えてそれをフリスクケースに入れて売り出したのです。それが「ポケス」です。

 「これであれば、焼き肉を食べる前にサクッと飲める」と。「必要に応じて持ち歩ける」というコンセプトは受け入れられました。ネットプライスなどでは、週間ランキングでトップを取るなど、ヒットしたのです。その後、自分の人生にはなかった営業を自ら、それらの商品を持って行い、自分としての活動の幅を広げていたのでした。

2.僕の暗黒時代

 その時に、実は、手がけた洗顔ジェルのアイデアがありました。それが会社での稟議が通らなかったことから、旧知の先輩に、その話をしたのです。

 「おお、いいじゃないか。それで俺たちで会社をやろう」その方から思いがけず独立の提案をされて、僕はその当時の会社を辞めました。お互い、お金を出し合い、二人で会社を経営しようとしますが、この商材が当たりません。

 美容系の商材には、サロン商材と市販で売られるものがあります。実際、サロン商品は、サロンに勤める美容師がお店で施術を行いなから、薦めて購入を促すわけです。すると、それ相応の品質を盛り込み、金額も高いものになり、原価率が高いのです。

 それに対して、市販のものは価格に対してシビアな傾向があり、原価率が低い。つまり、原価率を低くしないといけないのに、サロン商品を手掛ける工場に依頼をしてしまったために、結果、どちらつかずの商材になってしまったのです。

2.美容の不勉強が招いた人生最大の危機

 ここからは転がり落ちるように地獄です。ネットショップに提案しても売れません。仕方なく、温浴施設に自ら電話をして、実演販売の許可を取って、売り歩く日々。キャリーバッグを引いて、現場に向かい、机を借りて、その上にテーブルクロスを敷いて、販売。駆け寄る年配のお客様の手で、その洗顔の実感を伝えて購入してもらうのです。

 売れなくて、途方に暮れたことは、数しれません。ただ、その時に購入してくれたお客様の3,000円のお札の重さとありがたさは今でも忘れられません。時に、下の写真の通り、買ってくれたお客様からお弁当の差し入れをもらったり、人の優しさが身に染みた時期でもありました。

 とにかくお金がない。僕はこの洗顔ジェルを売る合間の時間を、日雇いバイトをして、日銭を稼ぐこともしていました。それだけ必死だったんです。

 余談ですが、日雇バイト時代の現場監督の人とは今でも会います。当時、単なるバイトですから圧倒的に向こうのが上の立場。雲の上の人です。なのに、最近の僕をみて、お酒を片手に「石郷くんは凄い、尊敬するよ」って声をかけてくれるんです。

3.ボロボロになって落ち着いたところで響いた父の言葉

 ただ、その当時は本当に苦しかった。だから、もう独立はしない。そう心に決めて、その後、ビューティゲートという美容系の問屋に助けてもらい(拾ってもらいと言ったほうが正しい)、営業を軸に、仕事をさせてもらいます。

 そうしながらも、そこで1年ほど経ったある時、とある言葉が耳に残ります。父の「(お前は)好きなことを仕事にしているんだよなぁ」という言葉。讃えるようにそう言われました。

 そこで思ったんです。「本当は物書きこそが、自分のやりたいことなのではないか」と。人生は一度きり。思い切って編集者としての道を再度、模索することになるのです。

苦しい経験もありながら、EC業界メディアの編集者に

1.ウェブメディアの成長に打ち込む日々

 そこで出会ったのはEC(ネット通販)業界の専門メディア「ECのミカタ」

 編集者として、もう一度、自分を試したい。そんな思いで、僕は肩書きも捨てて、いち記者としてゼロから飛び込みました。記者としてのブランクはありました。過去の失敗──あの黒歴史が頭をよぎることもあった。

けれど、それでもやってみようと決めたのは、「書くこと」に賭けてみたかったからです。

 そんな僕の文章を、最初に高く評価してくれたのが、楽天でした。僕は現場の泥臭さも、人のあたたかさも知っています。きれいごとじゃない場所で踏ん張っている人たちの声を、すくい上げたい。

 楽天が僕の記事に共感してくれたのは、きっと、ネット通販の光と影を、人間味ある言葉で書こうとしていたからなのかもしれません。やがて、楽天と連携して、ECの魅力や店舗の想いを伝える記事を書き続けるうちに、少しずつ、店舗の人たちにも顔を覚えてもらえるようになっていきました。

 フリーペーパー(ECのミカタ通信)が主流だった当時、Webの存在感は決して大きくはなかった。でも、僕が書いたひとつひとつの記事が人と人をつなぎ、気づけば、Web版の「ECのミカタ」は月間50万PVを超える有力メディアに成長していました。

2.編集長としてより媒体価値を上げる為に

 そしていつしか、記事が生み出す価値は広告としても認められ、僕は編集長に就任することになります。それは僕ひとりの力ではありません。素晴らしい仲間たちと出会い、支えてもらったからこそできたこと。

 編集長就任のとき、仲間たちがサプライズで祝ってくれた日のことは、今でも忘れられません。あの笑顔と拍手があったから、僕は次の一歩を踏み出せたんです。

 気づけば編集長として約5年近く務め上げました。特に、創業者の小林亮介さんには個人的には創造する力など、リスペクトしていますし、本当に感謝しています。

様々なジャンルに飛び込んだのは個性になった

1.人の心を動かす文章を

 2019年。自分らしく生きたいと思い、株式会社team145を立ち上げました。

 ここまで、本当にいろんなことを経験してきました。その中で僕が一番、自分の力を発揮できるのは──文章を書くことでした。

 だから、やっぱり「メディア」だ。

 でも、ただのメディアでは面白くない。情報をただ流すだけじゃ、心は動かない。僕が目指したのは、人と人がつながる“温度のあるメディア”。

 その構想の核に据えたのが、コミュニティという発想です。

 僕はこれまで、本当に人に恵まれてきた。だからこそ、人を大切にする場をつくりたい。それは、恩返しのようなものでもあります。

2.応援してくれる人がいる

 前例のないことに挑むのは、やはりうまくいかないことも多くて。何度も心が折れそうになりました。

 そんな時は、起業してまもないあの日のことを思い出します。思いがけず、僕の家に荷物が届いたんです。

 開けてみると、中身は──花束でした。

 「え?」と思って、花束に添えられていたメッセージを見て、本当に泣けてきたんです。

この度の会社設立、心からお祝い申し上げます。

日本中を元気にするような、石郷さんらしいメディアを楽しみにしています。

・・・team145の一員 楽天株式会社 広報部一同。

 ECのミカタを離れた後で、僕には何の肩書きもない。でも、そんな自分を信じて、応援してくれる人がいた。

 「だったら、やるしかない」

 実はそのとき、noteで細々と個人発信していこうかと思っていたんです。でも、花束のメッセージを読んだ瞬間、心が決まりました。

 ちゃんと自分のメディアを立ち上げよう。すぐに知り合いのエンジニアに声をかけました。

「今はお金がない。でも、どうしてもやりたい。手伝ってもらえませんか」そう頼むと、彼は言ってくれました。

「もちろん、やりましょう」

 まずは仁義として、前職のメディア「ECのミカタ」の創業者、小林亮介さんにご報告しました。前職のメディア「ECのミカタ」は子供のようなもの。

 “全く違う世界を、僕はつくります”

 そう伝えると、小林さんは快く背中を押してくれました。そして僕は、ひとりで「145マガジン」という名の船を出しました。

3.言葉は、進化する思想の器

 最近、ふと考えることがあります。僕はなぜここまで「言葉」にこだわってきたんだろう、と。

 ある意味、皮肉なようだけど──世の中は、そもそも言語化できないのかもしれません。

 言葉の断片を拾い上げて、真似してみたところで──本質が掴めるほど、世の中は甘くありません。本当の言語化とは、継続して思想と向き合いながら、書き続けることで、少しずつ深まり、進化していくもの

 だから145マガジンがある僕のフィルターを通して見える世界を、誰かが楽しみにしてくれている限り。つまり、思想は流れ続けることでこそ、命を持ち続ける。ゆえに、このメディアは今日も言葉を紡ぎます。

 そして、文章がまた新しい誰かの心に引っかかって、それが共感になって、その人が深く知ろうとしてくれる──そんな連鎖があれば、記事による思想は人とともに進化していける

 そして、その受け皿がコミュニティなのです。

 そうして、今ここで描いた「言葉で人をつなぎ、世界を温めるメディア」という夢は、未来も形を変えながら、生きていくのです。

 どうか、宜しくお願いします。

145が自らの考えを大事に、わかりやすく想いを持ってビジネスの本質に迫るメディアです。主に小売業、ものづくりとキャラクターライセンスを追っています。
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