2年ぶりに東海eビジネス研究会で登壇──“来るECの役目”を語り直す

この日、久しぶりに名古屋の地に立ちました。
東海eビジネス研究会(TEK)での講演は、実に2年ぶり。
テーマは──
> 「新しきネット通販の世界〜2022 来るECの役目とは〜」
コロナ禍を経て変わりゆく“ネット通販”の意味と向き合いながら、
今だからこそ伝えたい5つの視点を中心に語らせていただきました。
1|モールと自社ECの本質的な違いと、店が考えるべきこと
ショッピングモールは、今や経済圏というプラットフォームそのものになりつつある。
一方、自社ECはまったく異なるベクトルで存在感を増しています。
キーワードは「共感」。
特にShopifyの台頭などが示すように、「価値観でつながる店づくり」が求められています。
単なる販路の違いではなく、“どう在るか”という思想の違いとして語りました。
2|物流と在庫が、差別化の武器になる時代
売上をつくることばかりが語られてきたECの中で、
実は“物流や在庫の設計”こそが未来の鍵になるという視点。
物流をコストセンターではなく、“接客の延長線”として再定義することが、
「お客様が信頼できる店」をつくる第一歩になると伝えました。
3|マーケティングに縛られない商品企画を
ネット社会では、売れ筋や数字に基づいた企画が主流になりがちです。
でもその結果、どの商品も似てきてしまっていないか?
商品には、数値だけで測れない“想い”や“物語”が必要であり、
それがなければ、どれだけ露出しても、やがて埋もれてしまう。
そんな危機感と、オリジナリティを宿す企画の重要性について話しました。
4|「継続顧客」を育てるとは、どういうことか?
定期購入やリピート施策が注目されて久しいけれど、
それが“手段が目的化していないか”を常に問うべきです。
大切なのは、お客様が“続けたくなる理由”を作れているか。
形式的な継続ではなく、感情や信頼を軸にした関係構築の視点をお伝えしました。
5|越境ECではなく、世界を起点に考える
最後にお話ししたのは、“世界”について。
越境ECという枠にとらわれず、
「そもそも最初から世界を意識する店づくり」を提案しました。
マーケットが縮小傾向にある日本。
それでも、日本にはまだまだ“世界で通用する思想や商品”がある。
その可能性を、最初から信じて動くことの価値を強調しました。
最後に
コロナが突きつけたのは、ただのDXではなく、
「人間性が問われるEC」の時代だったように思います。
物流、企画、継続、越境──
全部に共通していたのは、“お客様とどうつながり続けるか”という問いでした。
なくなくオンラインでの開催となりましたが、
誰かの一歩の背中を押していたら嬉しいです。