心を繋ぐ手紙 ー サンリオ辻信太郎さんから届いた“ギフト”

145マガジンでは、メディアとしての歩みをただ報告するだけでなく、
私たちが何を感じ、何を大切にしているのか──
その“背景”や“物語”を記録していくことを大切にしています。
年明け、ひとつの手紙がもたらしてくれた出来事がありました。
それは、新たな年のはじまりにふさわしい、心あたたまる時間でした。
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感謝の想いを、ひとつの手紙に
ある日、旧知の友人からこんな言葉をもらいました。
「うちの会長との思い出を大切にしてるなら、手紙を書いてみたら?会長は全部の手紙に目を通しているよ」
その会長とは、サンリオの創業者・**辻信太郎さん(当時97歳)**。
私にとって、学生時代に出会った彼の言葉は、人生の指針のような存在でした。
それから年月を経て、会社を立ち上げ、145マガジンとしての歩みを始めた今。
改めてその感謝を伝えたくなり、久しぶりに便箋を取り出して3枚ほど綴りました。
「あなたの言葉がきっかけで、僕は会社を立ち上げ、5周年を迎えることができました。ありがとうございます」
そんな素直な気持ちを書いた手紙を、辻さんのもとへ送りました。
手紙が届いた先に、また新しい贈り物があった
数日後、辻さんの秘書の方が友人にこう伝えました。
「こんなふうに思ってくれるなんて、嬉しいね。ぜひ、頑張ってほしいね」
その言葉は私に届けられました。
たった一通の手紙が、時間を超えて、また私の背中をそっと押してくれたのです。
さらにその翌日、NNNドキュメントで辻さんが出演されると聞き、放送を拝見しました。
戦争の記憶、妹を背負って歩いた焼け野原の風景、そして
「話し合えば、きっと理解し合える」という強い想い。
その原体験こそが、**「みんな、なかよく」**というサンリオの理念の原点なのだと知りました。
メディアの姿勢と、人生の本質が重なるとき
ただ感謝を伝えるために書いた手紙。
でも気づけば、私はまた大切な“ギフト”を受け取っていました。
それは「人の言葉は、人生を変える力を持っている」という気づき。
そして「言葉と行動を丁寧に積み重ねていくことで、想いは必ず届く」という実感です。
145マガジンが大切にしているのも、まさにその思想です。
活字で人を惹きつけ、築いた絆で世の中を少しでも素敵にしていく。
そんなメディアでありたいという気持ちが、また少し強くなりました。
最後に
この出来事は、2025年という年の始まりに、改めて原点に立ち返らせてくれました。
感謝を言葉にすること、想いを行動に変えること。
そんな一つひとつを大切にしながら、145マガジンはこれからも“心をつなぐメディア”として歩んでいきます。
皆さまにとっても、この一年があたたかな時間に包まれますように。
2025年1月
石郷 学(145マガジン 編集長)