浮世絵には躍動感がある。
先日、浅井コレクション「 市川團十郎と歌川派の絵師たち」という美術展にいってきました。
ここでは、代々受け継がれる市川團十郎による歌舞伎が、浮世絵によって描かれています。それは舞台上はさることながら、その舞台裏や死絵といった個人を悼むものまで描かれており、当時の心情をリアルに伝えます。
浮世絵は美術品というよりは庶民が触れるかわら版。だから、そこに出てくる演者は今で言うところのジャニーズのスター。ある意味、ブロマイドを手にする感覚で、楽しんでいた事がうかがえます。
庶民の娯楽の一つだった歌舞伎は、庶民の日常を演じて、共感を集めていたわけで、それらを浮世絵で描くことは、親和性がとても高かったのだという意味で価値あるものだと思いました。
そして、浮世絵という表現は、その絵柄自体にも価値があるものですが、その絵を通して伝わってくる、人の躍動感があります。
耳をすませば聞こえてくるような街の音や、その時代の日常と人々の素顔をイメージでき、心に響くものがありました。
僕は正直、西洋の絵画は美術館に行く事が多かっただけに、日本画のその価値に感銘を受けました。