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【特集】「推し活」から学ぶ――新たな市場を拓く商品開発のヒント

「推し活」、その言葉を耳にしたことがあるでしょうか?自分の好きなアイドルやキャラクターを応援する活動のことを指し、現在では単なる趣味の枠を超え、経済を動かす一大トレンドへと成長しています。SNSの普及によるコミュニケーションの変化、個性を発揮する場としての価値が相まって、推し活はマーケットを牽引する存在となっています。本特集では、推し活がどのように市場を形成し、新しい商品開発を後押ししているのかを3つの視点から掘り下げます。推し活をビジネスに活かすヒントを見つけていただけるでしょう。

1. 推し活の進化と市場を牽引する背景

かつて閉鎖的とされていたオタク文化は、推し活へと進化し、市場を拡大する大きな可能性を秘めています。Oshicoco代表の多田夏帆さんのインタビューからは、推し活が単なる趣味を超え、自己表現やつながりを深めるための手段となっていることが伺えます。SNSの普及が人々の個性を際立たせる中で、推し活は個々人のアイデンティティ形成を助ける活動となり、2030年には市場規模が1兆円に達すると予測されています。

この章では、推し活が生まれる背景やSNSとの親和性、そして多様な消費行動がいかに市場を牽引しているかを掘り下げています。

関連記事:閉鎖的から開放的へ。オタク文化が「推し活」へと進化してマーケットを牽引する

2. データで見る推し活の実態――around20世代の消費行動

SHIBUYA109 lab.とCCCマーケティングの調査から、15~24歳の女性の7割が何かしらの「ヲタ活」を行っているという実態が明らかになりました。彼女たちは、年間平均で可処分所得の約10%をヲタ活に費やし、推しの活動に合わせて収支を調整するなど、その行動は非常に本気です。

ジャニーズやK-POP、アニメ・マンガといったジャンルごとの傾向も異なり、それぞれに独特な消費パターンがあります。ジャニオタは情報交換を重視し、K-POPオタはSNSを駆使してグローバルな活動を展開。ヲタ活は、個々のカテゴリごとに異なる戦略や商品開発が必要であることを示しています。

この章では、具体的なデータをもとに、推し活の消費実態を詳しく解説します。

女子の“ヲタ活”って 何する ? SHIBUYA109 lab.他調査

関連記事:15~24歳女子 7割が“ヲタ活” ジャニオタ等 消費行動 を分析

3. アーティストグッズに学ぶ商品企画と戦略

 

「推し活」を支える重要な要素として、ライブ・グッズの存在があります。特にブシロードクリエイティブの成田耕祐さんは、推し活の特性を活かした商品企画の工夫について語ります。ファンが購入するのは「推し」に特化したアイテム。ユニット単位ではなく、個々人を対象にした商品展開が成功の鍵となっています。

また、在庫管理と決済戦略の組み合わせも注目です。事前決済を活用し、当日の混雑を緩和する工夫や、ECでの事後販売による取りこぼしの防止は、多くの業界で参考にできる仕組みでしょう。この章では、アーティストと商品企画の距離を縮めることの重要性と、その成功事例を紹介します。

関連記事:アーティストのライブ・グッズに学ぶ生産性の高い商品企画と戦略

推し活の可能性を商品開発に活かすために

推し活はもはや一過性の流行ではありません。個人のアイデンティティ形成を支え、新たな市場を生むこの活動は、商品開発の視点から見ても大きな可能性を秘めています。SNSの活用、ターゲットに応じた戦略的商品展開、在庫管理や決済方法の工夫――推し活から学ぶべき要素は多岐にわたります。

企業がこの動きを取り入れることで、商品やサービスの価値をさらに高めることができるでしょう。「推し活」を通じて未来のマーケットを切り開いていく、その第一歩を踏み出してみませんか?

今日はこの辺で。

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