気まぐれ読書探訪:アナログの逆襲

先日、「 アナログの逆襲」という本を読んでいたのですが、その名の通りで、色々なところで逆襲が始まっていると。
でね、僕は思ったのです。全て世の中はテクノロジーに取って代わられたように思われるけど、見方によっては「深み」がないというのがテクノロジーの弱点なのかなと。辿り着いたのは「要件を満たす」というのと「心を満たす」というのは全く逆のものだなということで、そこに着目することで世の中面白くなるんじゃないかなと思ったのです。
例えば、確かに写真を撮れればいいというそれ自体の行為を「タスク」と捉える人であれば、別にそれはiPhoneでいいんです。
でも、そう考えているから、皆さんもそうだろうけど、写真データが異常なほど膨れ上がって、必要のない写真も入っていたりしませんか?
だから、今見直されているのは、そことは別の「心を満たす」という方なんです。フィルムを現像することにおいては撮ってから紙の写真になっていくその過程を楽しむエンターテイメントが潜んでいるって話なんだと思います。
当然、多くはその「タスク」的な捉え方で済ませてしまうニーズで事足りてしまうかもしれませんが、それ自体に潜む「深み」を楽しみたい人がいてもおかしくありません。
そういう人たちはある程度、高い単価を払ってでもそれを実感したいという、「要件を満たす」のとは違うニーズがあるから、そこに何か僕は可能性があると感じたのです。
逆説的になるけど、実はデジタル化が進んで色々なものが「要件を満たす」だけで済まされるようになるほど、「心を満たす」ものの付加価値が上がっていく。そこにまた新たなマーケットがあるように僕は思うのです。