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生涯忘れぬ三木谷さんへの質問

少し前、僕は楽天の25周年のパーティに呼ばれ、その流れで三木谷さんの会見に参加したけど、そこでの事は恐らく生涯忘れる事がないだろう。会見では読売、産経、NewsPicks、錚々たるメディアが質問する中、「では最後の質問を」と言った時に僕は手を上げてみたんだ。

すると、楽天の人が僕を指して、どうぞと。信じられない気持ちで、僕はマイクを握りしめ、三木谷さんに尋ねた。「三木谷さんが会社を立ち上げてから5〜6年して、僕は大学を卒業し社会に出ました。でも、それは就職氷河期で暗くどんよりした時代でした」と。

こいつ何言い出すんだ?と言わんばかりに、振り返るメディアもいました(苦笑)。

でも僕は続けます。「しかし、その時代にあって三木谷さんたちの行動は、未来に希望を感じさせるものでした。だから、しんどい時も乗り切れたし、ゆえに今、僕は起業し、自分のメディアをもってこの場にいます」と。社会人になりたての僕では到底想像できない今のシチュエーションを噛み締めながら、そして、こう切り出した。

「そんな風に勇気をもらった自分だから聞きたい。三木谷さんは25年を経て、今、これから社会に出ようとする人たちに対して、どんな言葉をかけますか」と。三木谷さんは、神妙な面持ちでこっちにじっと視線を向けて、語り出す。

「私が起業した時はインターネットの革命は30年で終わると言われた。でもどうだろう。25年経っても終わる気がしない。寧ろこれからの方が面白いんじゃないかと思う。だから色々やった方がいい。ただ、、、」と言って、こう力を込めて言ったんだ。

「大事なのはリスクをとってやりきることです」と。

楽天市場を始めたときは、売上が作れなくても諦めずに営業を続けた。モバイルを始める時も、通信環境すらないのに、と言われたけど、ここまで来た、と。

そして、ジャパンアズナンバーワンって言葉を持ち出す。自分がそういう行動する事で、「自分にもできるんだ」そう思いを持って、日本中が行動するようになれば、日本が躍進した時代はまた来ると。そういう思いで事業をやっている事を明かしてくれたのだ。

その言葉の重みは、生涯、忘れないだろう。そして、その言葉が、まさか自分のやってきたことを振り返り、絞り出した質問から、得られるとは誰が想像し得ただろう。その人生のあまりの思いがけなさに、心から震えたのだった。親父、見てるかな、俺、頑張ってるよ。

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145はマガジンは「ヒットの生まれ方と育て方を考えるメディア」。キャラクターなどのコンテンツ関連と新しい小売りの最新情報、商品開発の実態を追うメディアです。
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石郷 学

株式会社 team145 代表取締役 

ジャパンEコマースコンサルタント協会 客員講師 

776.fmラジオ『connect』準レギュラー

Next retail Labフェロー 

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