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経営者に共通するもの──高橋理人さんと語った「失敗の意味」と人間理解

145マガジンでは、日々の出会いや会話の中で浮かび上がる“本質”を丁寧に記録しています。
今回は、長年にわたり経営の現場を支え続けてきた高橋理人さんとのランチの時間から、経営と人間理解について深く考えさせられた一篇をお届けします。

経営者に共通するもの──「みんな失敗している」

食事をしながら、高橋さんにふと尋ねました。
「経営者に共通することって、何だと思いますか?」

返ってきたのは、意外にもシンプルな答えでした。

みんな失敗している

ただ失敗するのではなく、**失敗を経験することで初めて、大胆さの中に冷静さが宿る**という言葉には、深くうなずかされました。
本気で挑んだからこその失敗。そこから立ち上がってきた人だけが持つ「ぶれない強さ」が、経営者の根底にあるのだと感じました。

リクルート時代の文化と、「人」への探究

話は、かつて高橋さんが在籍していたリクルート時代の話にも広がりました。
当時の組織文化には、**心理学を重視する土壌**があったといいます。

自分自身を見つめ、相手を理解すること。
その積み重ねが、起業家精神や企業風土の醸成に大きく関与していたのだと考えると、
一企業の文化が、多くの挑戦者を育んでいたことがわかります。

組織の活性化も、顧客への価値提供も、結局は**「人」を深く理解しようとする姿勢から始まる**のだという気づきを得ました。

「運」を引き寄せる人の決断力

さらに、高橋さんは「**優れた経営者ほど“運”を大切にしている**」という興味深い話もしてくれました。

もちろん、戦略や実行力は欠かせません。
けれど、それでも現実には「運」や「タイミング」に頼らざるを得ない瞬間が訪れます。
そんなとき、**本物の経営者は、現実を冷静に見据え、勇気を持って決断を下す**のだと。

成功の裏にある「偶然」さえも、冷静さと覚悟によって“必然”に変えていく。
その視点には、経営という行為の重みを感じました。

未来は保証されない。でも、進む価値がある

会話の中で、改めて気づいたことがあります。

未来は保証されない。
でも、それでも前を向き、自分を信じて進んだ先にしか、掴める未来はない。

経営に限らず、どんな挑戦でも、そこに立ちはだかるのは「不確実さ」や「不安」。
けれどそれを乗り越えていくためには、**一歩踏み出す勇気と、あきらめない気持ち**が必要なのだと、改めて感じさせられました。

最後に

高橋さんとのランチは、経営論としての深さだけでなく、
一人の人間としてどう人生に向き合っていくかという問いを含んだ、濃密な時間でした。

お話も、お肉も、どちらもとても“濃厚”で、
一つひとつの言葉を噛み締めながら、多くの気づきをいただきました。

高橋さん、貴重な時間をありがとうございました。

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145が自らの考えを大事に、わかりやすく想いを持ってビジネスの本質に迫るメディアです。主に小売業、ものづくりとキャラクターライセンスを追っています。
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石郷 学

株式会社 team145 代表取締役 

ジャパンEコマースコンサルタント協会 客員講師 

776.fmラジオ『connect』準レギュラー

Next retail Labフェロー 

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