【活動報告】楽友商店会より講演オファー──“喋る人”として伝えたECの本質と現場のつながり

この日、私は“書く人”なんですが、少ーしだけ“喋る人”になりました。
会場は、長い歴史を持つ楽友商店会の定例会。
地域を支え続けてきた店舗の皆さんが集まるこの大切な場で、講演のトリを務めさせていただきました。
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一人じゃないから、言葉に磨きがかかる
前に登壇されたのは、まくらの河元さん。名だたる“大先生”です。 そんな方のあとに話すということで、正直なところ少し緊張もありました。
けれど、温かく迎えてくださった皆さんの表情を見て、 次第に心がほどけ、自然と本音で語ることができました。
「喋る」というのは、決して一方通行じゃない。
聞いてくれる人との信頼関係があるからこそ、言葉は研ぎ澄まされ、
“伝える”から“届く”へと変わるのだと、あらためて実感しました。
話したこと:リアルとECをつなぐ、これからの商売のヒント
今回の講演テーマは、「リアルとネットを一つとして捉える視点」。
今やお客様の行動は店舗とオンラインを自由に行き来し、情報も購入手段も複雑化しています。
その中で、どうお客様と向き合い、信頼関係を深めていくか──
事例を交えながら、次のような話をしました。
● POSとECをつなげば、見えなかったお客様が見える
POSデータとECの顧客情報を連動させることで、
「誰が何を・いつ・どのチャネルで買っているのか」を一元的に捉えられます。
実際にこれを取り入れて、リアル店舗の価値を底上げしたのが『BAKE』。
POSを軸にECと連携し、スマホアプリを“接点”にして、ブランドを超えたファン作りに成功しています。
● 再販(リユース)という選択肢が、顧客との関係をもっと深くする
海外では、商品を販売して終わりではなく、
「買ってもらった商品を再び回収・販売する=リユース」の仕組みが進んでいます。
たとえば老舗靴下ブランドのタビオは、台湾のリアル店舗で培った品質への信頼を背景に、
越境ECで日本サイトに訪れる顧客を獲得し、継続購入の仕組みを築いています。
● ライブコマースは“目的”ではなく、“手段”。届ける相手を明確に
ライブコマースへの注目が高まる中、
「やりたいけど、どう使えばいいか分からない」という声も多く聞きます。
ある店舗では「インスタはリアル向け、ライブコマースはEC用」と分けて考えていましたが、
実際には**お客様は同じ人。チャネルではなく“相手の立場”で捉えることが大事**だと伝えました。
届けたい相手が決まっていれば、ライブであろうとSNSであろうと、“語りかけ方”は自然と見えてくるはずです。
● 継続的に付き合ってくれるお客様こそ、最大の資産
新規顧客を獲得するより、既存のお客様とどう継続的につながるかが問われる今、
LINE施策やSNSも「数」ではなく「深さ」を重視する必要があります。
ABテストを用いて配信内容を最適化し、
“誰に、どんな言葉を届ければ、関係が深まるか”を丁寧に設計する。
その積み重ねが、信頼に繋がっていきます。
言葉が場を作る。自然と生まれた145ポーズ
講演が終わったあと、会場のみなさんから自然に145ポーズが飛び出した瞬間がありました。
これほど嬉しい反応はありません。
話の内容だけでなく、“その場の空気”や“信頼関係”が育まれていたからこそ。
こうして言葉が、人と人との距離を近づけていくのだと、深く感じました。
最後に
普段、私は記事を書くことで人とつながろうとしています。
でも、こうしてリアルな場で話すと、
言葉にする責任や“届く”実感が、より強く、確かに残ります。
楽友商店会の皆さま、このような貴重な場をくださり、本当にありがとうございました。
またいつか、今度は“もっと喋れる人”として、お会いできたらうれしいです。