P&Gの2025年Q2決算を読み解く
Procter & Gamble (P&G) は、2025年1月22日に第2四半期(2024年10月〜12月)の決算を発表しました。この資料では、売上や利益の伸び、キャッシュフロー、各セグメントの動向について、初心者でも理解できるよう、丁寧に解説します。特に数字に焦点を当て、P&Gの業績を詳しく見ていきます。
1:売上高と利益の成長
• 売上高の堅調な増加
P&Gの2025年第2四半期の売上高は219億ドルで、前年同期比2%増加しました。特に、為替や買収の影響を除いた「オーガニック売上高」は3%増と安定した成長を記録しています。
• 利益も上昇
純利益は46億ドル、前年同期比33%増となり、1株当たり利益(EPS)は1.88ドルに達しました。これには前年の一時的な要因(Gilletteブランドの減損)が含まれますが、調整後の利益でも2%の増加となっています。
2:事業セグメント別の売上動向
• ビューティー部門
売上高は2%増。北米やヨーロッパでのヘアケア製品の需要増加が主因です。一方で、中国市場では減少傾向が見られました。
• グルーミング部門
売上高は2%増加。高価格帯のシェービング製品が需要を牽引しました。
• ヘルスケア部門
オーラルケアや個人用医薬品が堅調に推移し、売上高は3%増加しました。
• ファブリック&ホームケア部門
売上高は3%増。特に北米市場での需要が顕著で、地理的な優位性も寄与しています。
• ベビー・ファミリーケア部門
4%の成長を記録。家庭用紙製品が引き続き高い需要を見せました。
3:キャッシュフローと株主還元
• キャッシュフローの健全性
営業キャッシュフローは48億ドル、フリーキャッシュフローの生産性は84%に達しました。これは同社が資金を効率よく運用している証拠です。
• 株主への還元
P&Gはこの四半期に49億ドルを株主に還元しました。内訳は24億ドルの配当と25億ドルの自社株買いです。
4:2025年度通期の見通し
• 売上と利益のガイダンス
通期の売上成長率は2%〜4%、オーガニック売上成長率は3%〜5%と予想されています。為替の逆風やコスト上昇にも関わらず、利益成長率は5%〜7%を維持する見通しです。
• コスト圧力と課題
原材料や運送費の上昇が続く中、200億ドル規模のコスト削減プログラムを進行中。これにより、収益性を保つ意向を示しています。
5:P&Gの強みと今後の戦略
• 「日常の品質」で選ばれるブランド戦略
同社は主要カテゴリー(洗剤、紙製品、ヘルスケアなど)での製品性能、パッケージ、消費者への訴求力を向上させ、ブランドの優位性を維持しています。
• イノベーションによる成長
P&Gは製品の改良やプレミアム商品へのシフトを通じて、持続的な成長を目指しています。
P&Gは2025年の第2四半期において、安定した売上増と強力な株主還元を達成しました。同時に、課題となるコスト圧力にも取り組んでいます。今後も、P&Gがどのように成長を続けるのか注目が集まります。
今日はこの辺で。