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Dreamers Union Choirとは?ゴスペル×ポップの革新「パワーコーラス」の魅力

何気なく、Apple musicを耳にして、興味関心が湧いたので、調べて、まとめてみました。東京発のクワイアグループDreamers Union Choir(通称DUC)は、合唱の世界に新風を吹き込んでいます。ゴスペルの魂を宿しながらも宗教色にとらわれないスタイルは、「パワーコーラス」と名付けられ、業界内で注目の的となっています 。テレビ番組の主題歌から国際的な音楽コンテストでの評価、さらにはローマ教皇来日イベントでの歌唱まで、多岐にわたる活躍ぶりはまさに異色。そんなDUCの魅力と、その歩みが切り拓く新しい可能性について探ってみましょう。

結成の背景:どのような経緯で生まれたのか

 DUCは2007年、ゴスペルミュージシャンで国立音楽大学の合唱講師でもある木島タロー氏の指揮のもとに誕生しました 。発足のきっかけは2006年のチャリティーイベントで、当時それぞれバンド活動や音楽学習の経歴を持つシンガーたちが集まったことに始まります 。

 お互いの熱意に共鳴したメンバーは、「合唱で新しいことをしよう」というビジョンを共有しグループを結成。その後もオーディションを通じて新たなメンバーを迎え入れ、現在の大所帯へと発展していきました 。このようにプロ志向のシンガーが集結した背景には、日本の音楽シーンにおいて合唱をより魅力的なエンターテインメントに昇華させたいという木島氏の狙いがあったと言えるでしょう。

音楽スタイル:特徴やジャンル、他のアーティストとの違い

DUC最大の特徴は、自ら掲げる「パワーコーラス」という音楽スタイルにあります。

 ゴスペルを基調としつつも従来の宗教的文脈から離れ、世俗的なメッセージやポップス的感性を取り入れた合唱サウンドは唯一無二です 。一般的な聖歌隊やゴスペルクワイアーが頭声やコーラスワークのハーモニーを重視するのに対し、DUCは地声の力強い表現とビート感を前面に打ち出しています 。このダイナミックな歌唱は聴衆に高揚感を与え、ライブでは観客を巻き込んだ一体感を生み出します。

また、「パワーコーラス」はジャンル横断的な柔軟さも持ち合わせています。

 オリジナル曲の制作はもちろん、ロックやポップの名曲を合唱アレンジでカバーし、その曲に新たな命を吹き込むこともあります。例えば、フジテレビ系の合唱特番『オールスター合唱バトル』では、日本のロックナンバーを大胆にクワイアー編曲し披露するといった試みも行われました。ゴスペルのエネルギーとJ-POPの親しみやすさを融合したサウンドは、他のアーティストにはないDUCならではのカラーと言えるでしょう。

 国内では類を見ないスタイルゆえ、グラミー受賞歴を持つ米国の合唱グループサウンズ・オブ・ブラックネス(Sounds of Blackness)とも交流があり、2011年には彼らのアルバムでDUCが2曲に参加するコラボレーションも実現しました 。この国際的な繋がりは、DUCの音楽性が世界水準で見ても独創的であることを物語っています。

活動と影響力:どのようなシーンで活躍しているのか、影響を与えた要素

結成以来、DUCは多彩なシーンで存在感を発揮してきました。その活動は日本国内に留まらず、国際的な評価にも繋がっています。

テレビ・メディアへの進出

DUCの歌声はお茶の間にも届いています。TBSテレビのバラエティ番組『バナナマンのせっかくグルメ!!』をはじめ、いくつかのテレビ番組でテーマソングを担当し、合唱ならではの迫力あるサウンドを提供しました 。

 また、フジテレビ系『全国ハモネプリーグ』に2019年出場した際には、プロ顔負けのコーラスワークで総合3位を獲得し 、視聴者と業界双方にその実力を示しました。テレビ出演や番組への楽曲提供を通じて、合唱音楽がエンターテインメントの一形態として認知される一助となっています。

ライブ・イベントでの活躍

メディア以外でも、DUCは精力的に活動しています。例えば、毎年ハイアットリージェンシー東京のクリスマスイベントやカウントダウンパーティーに連続出演し 、ホテルの華やかな舞台で観客を魅了してきました。

 大学ホールでのコンサート「絶望を生き抜くための歌」などアート志向の公演にも参加し 、ポップスからアートまで幅広いフィールドで合唱の可能性を示しています。こうしたライブ活動を通じて、DUCは音楽ファンのみならずイベント主催者からも信頼を獲得し、合唱の持つ集客力・表現力を業界に印象付けました。

国際的評価とコラボレーション

DUCの挑戦は海外からも評価されています。2016年にはオノ・ヨーコ氏が設立したジョン・レノン・ソングライティング・コンテスト(ニューヨーク)で入賞を果たし 、オリジナル曲のクオリティが国際水準であることを証明しました。また前述の通り、米グループのサウンズ・オブ・ブラックネスとの共演では、同グループのアルバムが米国NAACPイメージ賞を受賞するなど 、DUCの参加した作品が高い評価を受けています。

 さらに異色な事例として、2019年にローマ教皇が来日した際の公式テーマソング「Protect All Life」のレコーディングに参加し、東京ドームでのミサでその歌声を響かせました 。宗教色を排したグループでありながら世界的な宗教行事で起用されたことは、音楽の持つ普遍的な力を示すエピソードと言えるでしょう。これら数々の実績は、DUCが単なる一合唱グループに留まらず、音楽シーン全体に新たな刺激を与える存在であることを裏付けています。

今後の可能性:これからの展望や業界内でのポジショニング

DUCの成功は、業界内で「合唱」の持つ可能性を再発見させるきっかけとなりました。

 今後、そのパワーコーラスの手法は新たなマーケットやコラボレーションを生むポテンシャルがあります。たとえば、ポップス系アーティストの楽曲に合唱アレンジで参加したり、映画やCM音楽でダイナミックなコーラスを提供したりといった展開も考えられるでしょう。既にテレビ番組での合唱企画が増えつつあることからも、エンターテインメント業界で合唱への関心が高まっていることが伺えます 。DUCはそうした流れの中心的存在として、プロデューサーやクリエイターから引き合いが強まるかもしれません。

 また、教育やコミュニティの場でもDUCの影響力は広がる可能性があります。

 メンバーの多くが専門的な音楽教育を受けていることや、木島タロー氏自身が教育者であることから、合唱指導やワークショップを通じて次世代の育成にも寄与できる立場にあります。実際、埼玉県立大宮中央高等学校の校歌をDUCがパワーコーラス風に編曲・歌唱した例もあり 、伝統的な楽曲に新しい魅力を与える取り組みは教育現場からも注目を集めました。こうした実績を重ねることで、DUCは業界内で合唱アレンジのスペシャリスト集団として位置づけられていくでしょう。

まとめ:未来への期待と業界内での立ち位置

Dreamers Union Choirは、合唱という古くからある音楽形態に革新的なアプローチを持ち込み、その魅力を現代のエンターテインメントとして再定義してきました。

 ゴスペル由来の熱量とポップスの親和性を兼ね備えたサウンドは、業界内でも唯一無二の存在感を放っています。従来の合唱団ともアイドル的なボーカルグループとも異なる独自のポジションを確立したDUCは、まさに「新しい可能性を発掘する」先駆者と言えるでしょう。

 今後もオリジナル作品の発表や他ジャンルとのコラボレーションを通じて、更なる飛躍を遂げることが期待されます。業界関係者にとってDUCの歩みは、合唱を活用した新企画や音楽プロデュースのヒントの宝庫です。その挑戦はこれからも続いていき、音楽シーンに新たな地平を拓き続けるに違いありません。

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