心を繋ぐ手紙 ー サンリオ辻信太郎さんから届いた“ギフト”
明けましておめでとうございます。
さて、昨年は心に残る出来事がありました。
ある日、友人がふと、「うちの会長との思い出を大事にしているなら、手紙を書いてみたら?会長は全部の手紙に目を通しているよ」と声をかけてくれたんです。
「手紙か……」。思えば久しく書いていませんでした。そこで久しぶりに便箋を買い、心のままに3枚ほど綴りました。
「あなたの言葉がきっかけで、僕は会社を立ち上げ、5周年を迎えることができました。あなたのおかげで今の僕があります。ありがとうございます」。
送り先は、サンリオの創業者・辻信太郎さん。御年97歳。
数日後、その手紙が辻さんの手元に届きました。彼は手紙を見つめながら、こう言ったそうです。
「こんなふうに思ってくれるなんて、嬉しいね。ぜひ、頑張ってほしいね」。
その言葉をぜひ本人に伝えてあげてほしい――。
辻さんの秘書の方が、友人に語り、嬉しそうに僕に教えてくれました。
さらに、その翌日、NNNドキュメントで辻さんが出演するから、ぜひ見てほしいとも伝えられました。
番組では、辻さんが戦争の体験について語っていました。
妹を背負って歩いた先の光景は、一面の焼け野原。目の前には身を寄せ合う女性がいて、その腕には赤ん坊が……。しかし、その命は救うことができなかったそうです。
「戦争は仕方ないんだ」と言われた時代。けれど辻さんは「そんなわけはない。争う前に話し合えば、きっと理解し合えるはずだ」と強く思ったと話していました。
サンリオの商品は、その思いを届けるためのきっかけ。そこから「みんな、なかよく」という言葉が生まれたと知り、心が震えました。
ただ感謝を伝えたくて書いた手紙。けれど気づけば、僕自身がまた大切な“ギフト”を受け取っていました。
改めて、自分が大切にしていることと辻さんの思いは、根っこの部分で繋がっているんだと感じています。それが僕にとっての励みになりました。
活字で人を惹きつけ、築いた絆で世の中を少しでも素敵にしていく。
僕らしく、誇りを持って、そのストーリーをこれからも続けていきます。
2025年が、皆さんにとって素敵な一年になりますように。