1. HOME
  2. News
  3. オンラインショッピングモールの動き
  4. 小売DX学
  5. 通販とeコマース
  6. ヤフーの変化とその立役者 の今とこれから ZHD 2021年度第3四半期決算に想う

ヤフーの変化とその立役者 の今とこれから ZHD 2021年度第3四半期決算に想う

 以前で言うと. ヤフー は、Yahoo!JAPANを筆頭にメディアのイメージが強い。ただ、2021年度第3四半期決算説明会で、Zホールディングス(以下、ZHD)となって随分、様変わりしたことを実感した。それは、クイックコマースを口にするなど、事業の柱が「メディア」だけではなく、「コマース」「フィンテック」とより多様性を持たせて“グループシナジー”を構築させることで、土台を作る新しい内容へと変わってきたのだ。

ヤフー グループシナジー の立役者 小澤さん社長に

1.ヤフーの変容

それはこの人の発想も少なくともあるのかなと思う。小澤隆生さん。彼は、何より2013年10月に「eコマース革命」による新ビジネスモデルの導入をさせた立役者。その後、アスクル(2015年8月)やZOZOの連結子会社化などを実現し、ヤフーの事業構造を変革させてきた。

故に、メディア事業に加えて、コマース事業の成長と、事業の多角化に邁進することになったわけであって、興味深いのは、2022年4月ZHDの完全子会社のヤフーの代表取締役社長 CEO(最高経営責任者)に就任するのである。冒頭、その説明もあった。

 そもそも、これまでの軸であるメディア事業で言えば、Yahoo!JAPANと共にLINEを取り込むことで、スマホ利用の新しいユーザー流入を広告収入につなげて、新たな一歩を歩み始めているし、今話した通り、コマース事業は、従来に加えて、ZOZOやLOHACOなど、複数のモールを加えて運営することで、存在感を出している。

2.個性の違うモールを金融に結びつける

ジャンル別にモールが専門性を持って、それをフックに出店企業を増やせば、それ自体がBtoBtoCを扱う彼らの経済効果は大きくなって、ホールディングスとしてはそれらの回遊を生み出すことで、それぞれの価値を最大化させることで価値を見出せるわけである。

 昨今、特筆すべきは、比較的新しい「PayPay」など金融事業が積極的にリアルと接点を持っているのに対して、そのコマース事業はそういうネット以外の利用を最も還元しやすい立場にある点で、これをテコに、そこで構築した相乗効果の威力を増す事に寄与している。

もはや過去とは違った価値を創造する会社に変貌したと言って良い。

20213Q決算発表の中身

1.新しい挑戦を口に

さて、そんな中での2021年度第3四半期決算。

 売上収益が過去最高で4091億円(YOYで29.2%増)。調整後EBITDAは979億円(YOY24.0%増)の増収増益となったことを明らかにする一方で、彼らが強調していたのは、コマース事業での新たな取り組みで、それがLINEギフト、クイックコマースなどの部分であった。

2.新規事業の中身

下の図で言えば、右半分である。

小澤さん自身、新しい事業の可能性を見出し、適切に投資をして、どう成長させていくかに強い関心を持っているので、ここからまた彼の腕の見せ所かなと思う。先ほど、触れた土台をより盤石にさせつつ、これらの新規事業をどれだけ伸ばせるかというところに、期待がかかるわけだ。

 その小澤さんが期待を寄せているところでは「LINEギフト」だとしていて、まだまだその規模は小さい。故に、金額については触れてはいないものの「それなりの規模感」と示して、プロモーション次第ではあるが、と前置きしながらも「利益が見込める事業」と説明していた。

関連記事:LINEギフト TVCM 投入と Yahoo!ショッピング PayPayモール連携 で 新市場を開拓する

3.様子を見ながら投資と成長のバランスを考える

 これも、最近始まった「クイックコマース」と比較すると、わかりやすくて、同じく小澤さんの発言を見ると投資をしているものの、まだ様子見の域を脱していない様子がうかがえたからだ。

 無理もない。なぜならそれは、以前の記事にも書いた通りだが、ZHDのアセットを活用して見事にビジネス構築させたものの、彼自身話している通り、配送と商品の在庫を積む拠点がないと成立しないビジネス。だから、そことのバランスを考えて、投資計画を組んで、成長させなければいけないわけである。

この辺が、面白いなと思っていて、当たり前の話、記者会見などではそういう「様子見」であることは匂わせないわけである。だけど、こうやって決算発表などでは率直に、経営に関わる立場として話をしてもらうと、会社としての位置付けがよく見えてくる。

関連記事:Yahoo!マート 経済圏で動き出す クイックコマース

 それを思えば、LINEギフトは、Yahoo!ショッピングとPayPayモールの商品登録並びに在庫連動も可能にさせて、これまで彼らが培ってきた事業の延長線上に、それらがあって投資の回収の度合いが大きい。プロモーション次第ではあるけど、大きな負担もなく、成長が見込めるということになるわけだ。

4.物販系ECが順調に推移

 肝心の土台となるeコマース取扱高は9775億円(YOYで6.5%増)となっていて、この伸びを牽引しているのが、物販系EC。いわゆる「Yahoo!ショッピング」「PayPayモール」「LOHACO」「ZOZO」に見られる先ほど触れたショッピングモールの事業である。

この物販系のそれに限って言えば、成長率が15.1%増と高い水準を維持している。

これらの流通総額をベースに、その伸び代もLINEを活用して「公式アカウント」を組み合わせれば、勝機があるとしている。つまり、お客様とのLINEを通じた接点に「CRM」の要素を加味して、継続顧客を醸成しようというわけだ。だから、ここの運用の部分に、コンサルタントとしてLINEのスタッフを当てていることも明らかにして、そこに成果を見ている。

こういう複合的に、組み合わせることで、成果を出す今のヤフーを象徴する姿がそこにはあり、それを牽引したのが小澤さんだから、今のタイミングで彼が出てくるのも必然だなと思うわけである。

ヤフー グループシナジー をより強く発揮する為に

1.ユーザーへの還元をわかりやすく

 ここから勝負なのは、今はZOZOやLOHACOを「PayPayモール」に入れるなどして、相乗効果を担ってきたのをより、それぞれのサイトを行き来させることで、メリットをユーザーが享受できるようにしていくことなのだろうと思う。つまりは経済圏としての価値である。

決算発表を聞いていると、投資もそこに割いていることがわかる。それはどの文脈かというと、金融系のサービスを「PayPay」に統一して、ボーナスブランド(使うほどにメリットが出る部分)をTポイントからPayPayに移行することに投資をしているからで、コマースと金融の距離感は今まで以上に、近いものになっていく。

2.Yahoo!やLINEを紐づけて最大化

 加えて、顧客のロイヤリティプログラムと言って、今度は彼らが持つインフラ部分、「Yahoo!JAPAN」「LINE」「PayPay」という3つのブランドを一体で捉えて使うほどに、メリットをユーザーが享受できるようにしていくわけで、ここに各々のアカウントを「ID連携」させていくことも明らかにしている。

ID連携だからと言って、特別に彼らが何かの投資をするというわけではなく、ユーザーにとってはそのメリットを提示することでそれぞれ認知度の高いブランド価値を活かして相互に促すことで、自然と一つのアカウントで三つのサービスを使っていく流れにしていきたいと説明していた。

3.金融も利益が見込める事業へ

 やはりZHDという部分では、金融事業でこれまで、PayPayなどに積極的に投資を図ってきて、この加盟店に対しての「手数料無料」という部分はある一定のPayPayの利用価値を伝える役目は終えたとして、終了させたが、手数料支払いが発生している今も加盟店を止める動きには至っていないことから、ようやくここから「利益が見込める事業」と変わっていくことを示唆した。

PayPayは以前も話した通りだが、三階建構造になっていて、1階部分は「決済手数料」で、2階部分が「加盟店を中心とした販促領域」。最終的には3階部分の「金融サービス」(あと払いサービスやローンなど)を構築するという話で、1階部分で利益が出始めようとしているのは、彼らにとってこの会社の根幹部分を担う大事なところで明るい材料だと言えよう。

4.eコマースは新たなフェーズへ

 思うに、eコマースはスマホの浸透と決済の多様化を以て、その価値は大きく変わりつつある。モールが単なる売り場として機能するのではなく、金融を連携させて、その上で回遊を促し顧客満足度を高めて、強固な会員組織を構築する土台にしていくことが大事になった。

 できることなら、他の経済圏にないような取り組みをやってほしいと願う。

 先ほどの話ではないけど、小澤さんの話を聞いていると、投資と回収のバランスをよく見て、新しい事業の可能性を見極めている。

 だから、様々なリソースを揃えたのは掛け合わせることによって、コストを抑えて、いかに新しいことができるかということにあるように思っていて、それは「LINEギフト」とか「Yahoo!マート」を見ればわかる。他の経済圏はやっていない。

違うことをやって、もっとイメージを変えていけるか、そこが次のステージだと思う。次なるeコマース革命を僕は期待したい。

 今日はこの辺で。

関連記事

145はマガジンは「ヒットの生まれ方と育て方を考えるメディア」。キャラクターなどのコンテンツ関連と新しい小売りの最新情報、商品開発の実態を追うメディアです。
詳しくはこちら

検索

YouTube「145チャンネル」