風神雷神 Juppiter,Aeolus 原田マハ著
こうも世界には、ロマンが広がっているものなんだなと。それを思いました。「 風神雷神 Juppiter,Aeolus」という本を読んでのことです。
時は織田信長の時代。天正遣欧少年使節がローマへと派遣され、活版印刷を持ち帰るというのが、歴史で学んだことです。ただ、そのローマへの旅をともにしたというのが、俵屋宗達というフィクションで構成されています。
風神雷神図でおなじみの俵屋宗達と、イタリアのカラヴァッジオの絵画が対比されるというロマンがある展開。
航海の大変さを臨場感たっぷりに描くことで、やっとの思いで辿り着く、海外の光景が眩しい。それが、一層、絵画など、アートへの感動を引き立たせます。また、俵屋宗達という人の魅力的な人間像は絵への愛着を一層、引き立てるのです。
アートの魅力を引き立てるその情景は、さすが原田マハさんと言わしめるだけのダイナミックな内容です。終わった後の爽快感が、また格別で、懸命に生きる歴史上の人たちの躍動感が伝わってきます。