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Shopify Japanが日本郵便と連携開始:物流面における画期的変化とその背景

Shopify Japanは2022年10月3日より、日本郵便株式会社との協力体制を通じて、新たな配送サービスを開始しました。Shopifyのエコシステム上で直接、日本郵便の物流ネットワークとシームレスに連携できるという点が大きな特徴です。配送ラベルの作成から配送管理まで、一連のフローをShopify上で完結できるため、事業者にとっては大幅な利便性とコスト面でのメリットが期待されています。以下では、この取り組みがもたらす具体的な利点や背景をより深掘りしていきます。

1. 最大51%ものコスト削減効果

1-1. 特別な料金体系の恩恵

Shopify Japanの調査によれば、新しい配送サービスを利用することで、一般的な配送業者を使った場合と比較し、最大51%のコスト削減が可能とされています。これは、日本郵便とShopifyが協力し、Shopify利用事業者に対して特別な配送レートを提供していることが大きな要因です。日本郵便の全国的なネットワークと、Shopify上での大量取引データをもとにした優遇レートが組み合わさることで、事業者の配送コストが圧縮されるわけです。

1-2. コスト削減以上の価値

単純な料金面の優遇だけでなく、システム連携を通じたオペレーション効率化も、事業者にとっては大きなアドバンテージとなります。配送情報の入力作業やラベル発行の手間が削減されることで、人的コストの削減や業務の効率アップにもつながります。結果的には、配送費用と運用コストの両面から利益を押し上げることが期待できるでしょう。

2. Shopifyエコシステムとの連携がもたらすメリット

2-1. アプリを介したワンストップ配送管理

このサービスの特徴は「Shopifyアプリを介して日本郵便と連携できる」という点です。具体的には、受注情報と連動し、配送ラベルをそのまま発行できる仕組みが整っています。これによって、これまでは別のシステムやツールへ情報を手動で入力していた作業が不要になり、受注管理 → 配送手配 → ラベル印刷 → 配送追跡までをShopify管理画面上で完結させることができます。

2-2. 「Shopify Shipping」のグローバルなアプローチ

Shopifyは世界各地で主要な配送業者と連携し、同様の「Shopify Shipping」サービスを展開しています。国や地域によって主要な配送業者は異なるものの、Shopifyとしては「事業者が配送に関する煩雑な手続きをできるだけ減らし、自社のコアビジネスに注力できる状態」を目指しています。今回の日本郵便との連携は、そのグローバル戦略の一環と位置づけることができます。

2-3. Shopifyエコシステム強化の狙い

Shopifyエコシステムは、公式アプリストアを中心に、決済、デザイン、在庫管理、マーケティングなど、EC運営に必要な機能が多数ラインナップされています。日本郵便との協力によって配送部門も一層強化されることで、EC事業におけるすべての工程をShopify上で完結できるプラットフォームがさらに盤石になります。これにより、既存事業者だけでなく、新規参入を考える事業者にとっても、Shopifyが魅力的な選択肢となるわけです。

3. 日本の事業者に最適化されたサービス設計

3-1. ローカルマーケットへの深い理解

Shopifyが日本市場で成長するにあたって課題となっていたのは、配送や決済などローカル特有の商習慣への対応でした。今回の日本郵便との連携強化は、そうしたローカルニーズに応えるための最重要施策の一つと考えられます。日本郵便は全国に拠点を持ち、離島など特殊地域にもカバー範囲が広いことから、国内向け配送において安心感があります。

さらに、国内EC事業者にとっては、消費者への細かい時間指定コンビニ・郵便局受け取りといった利便性の提供が期待されます。こうしたきめ細かな配送オプションは、日本国内の消費者心理にもマッチしており、顧客満足度の向上につながりやすいです。

3-2. 全工程を一括で管理するメリット

受注管理システムと配送管理システムを分けて運用している場合、データの不一致や入力ミスなどが起こりやすく、スタッフの負担も増大します。しかし、Shopifyと日本郵便の連携によって一元化が実現すれば、そうしたリスクが低減され、ECサイト運営者はより「商品企画」「集客」「顧客対応」などのコア業務に専念することができます。

4. Shopify側の考え:ローカルパートナーシップを重視するグローバル戦略

Shopifyはカナダ発のグローバル企業として、多言語対応や各国向けの決済・配送パートナーシップを継続的に拡大しています。日本郵便との連携は、その「現地の主要プレイヤーと協力することで、ビジネスオーナーに最適な環境を提供する」という姿勢の象徴と言えます。

Shopifyの視点から見れば、配送コストやオペレーションの負担がネックになっている事業者を取り込みたい思惑もあります。特に日本市場では、アパレルや食品、ハンドメイドなど、さまざまな業種でEC化が進んでいますが、同時に配送や決済が複雑になりがちです。そこでローカルの強力な配送インフラを持つ日本郵便と連携することで、“どんな規模の事業者でもShopify上で簡単にECを始められる”という理想に近づこうとしているのです。

5. 利用者にとってのメリットと将来への展望

5-1. シンプルな操作でビジネス成長に集中

今回の新サービス導入により、配送に関わる手続きを格段に効率化できます。配送ラベルは自動生成され、出荷状態もShopify管理画面で追跡可能。これによって、EC運営者は商品開発やマーケティングなど、事業成長の核となる分野にリソースを投下しやすくなります。

5-2. ブランド価値向上と差別化

配送をスムーズに行うことは、顧客満足度とリピート率の向上につながります。早く正確に商品が届き、細かい要望にも応えられる配送体制を整えることは、競合他社との差別化ポイントとなります。特に日本市場では、きめ細かなサービスが高く評価される傾向にあるため、この連携を活用してカスタマーエクスペリエンスを向上させることが、中長期的な売上増加の鍵となるでしょう。

5-3. クロスボーダー展開への足がかり

Shopifyを利用している事業者は、国内だけでなく海外にも販売可能です。日本郵便は国際配送サービスも提供しているため、今後、より強固な連携が進めば、国内外問わずシームレスな配送が実現する可能性があります。すでにShopifyは欧米を中心にグローバル展開で実績があるため、日本発ブランドを海外市場へ拡大する上でも大きなアドバンテージとなるでしょう。

まとめ

Shopify Japanと日本郵便の協力によって始まった新たな配送サービスは、単なるコスト削減策にとどまらず、EC事業者にとってオペレーション効率や顧客満足度の向上を同時に実現する大きな一歩となりました。日本郵便の広域ネットワークとShopifyのグローバルプラットフォームの融合は、国内EC事業者の課題である配送面の負担を軽減するだけでなく、日本市場特有のニーズを的確に捉えたサービスを提供します。

さらに、Shopify側から見ても「ローカルパートナーシップ重視」のグローバル戦略の一環として、日本市場へのコミットメントを示す意味合いがあります。利用者にとっては、配送業務をよりシンプルかつ低コストで運営できるようになり、その分ビジネスを成長させる核となる領域への投資や時間を確保しやすくなるのが大きな魅力と言えます。今後も両社の連携が進んでいけば、国内だけでなく、海外展開を視野に入れたさらなるサービス強化が期待されるでしょう。

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