「校正のこころ」大西寿男著
先日、NHKで「プロフェッショナル仕事の流儀」で校正者の大西寿男さんの話が放映されていて、語弊を恐れず言えば、こんな地味な人も取り上げられるのだなと。でも、同時に僕は素敵だと思いました。言葉を大事にしている人なんだなと。
文章を校正するって、自らは表現者ではないから喝采を浴びるわけではないですよ。
寧ろ校正すべき箇所を見落とせば注意される。 でも彼は校正という仕事をする事で、言葉にロマンを感じる契機を手にして楽しい筈だし、地味だが誇れる人生だと思ったんです。
そんなわけで、「 校正のこころ 増補改訂第二版: 積極的受け身のすすめ」という書籍を出されていたので読んでみました。
読んでみて、改めて、言葉が生き物のようだと思いました。だから、人間と接するように言葉と向き合えば、その言葉は、自らが使われたその文章に彩りを添えてくれるんだなと。
大西さんの言葉に「積極的な受け身」と言う言葉があるんです。書き手の気持ちを考えながら、もっと最大化させるために校正していると。
そうでありたいですよねと。
稼ぎも地味かもしれないですが、いいじゃないですか、誇りを持てる立派な仕事だと思いました。必ずしも華のある仕事だけにプロフェッショナルがあるわけじゃない。その意味で、いい気づきをもらった人であり一冊でした。