JR東日本 イオン 等リアル系企業も“経済圏”確立 急務か 狙い目はママさん?
リアル系企業は、その突破口を探していて、共通しているのは特定ユーザーの継続的な利用を狙って“経済圏”の確立にあるのではないかと思う。手段は異なれど JR東日本 は、主にママさん層を念頭に、小売につなげる為の、駅や鉄道の利活用に関する試験的な取り組みを行い イオン は専用のトータルアプリをリリースして、全てがその中で完結させるようにしているわけだ。
JR東日本 イオン など揃って経済圏で顧客深掘り
1.JR東日本、新幹線で、鮮魚など速達
JR東日本は、夏シーズンに、大宮駅まで臨時の新幹線「はやぶさ510号」を走らせ、旅客列車として活用しながらも、一部車両を鮮魚、果物などを運ぶ為に使って、大宮駅まで届けて、その近隣のお店に届ける取り組みをした。
その近隣のお店の幅は広くて、大宮駅構内、大宮ルミネ、果ては東武百貨店(池袋店)などに、かなりの広範囲で実施していて、確かにそれ自体は、新幹線の価値の最大化を目指すものと言って良いだろう。
ただ、思うにJR東日本は、エキュートなどの商業施設を持ちながらも、ママさん層の生活圏内で、小売の存在感は見せきれていない。だから、こういう生鮮食品などの鮮度勝負で、自らの強みを生かすと共に、それらが必要とされるお店は、ママさんなどが多く利用するお店であるからこそ、お店にはJR東日本の経済圏に入ることを促して、そこへの浸透を狙うのだろう。
2.ベルメゾンも駅受け取りへ着々と
千趣会とも業務資本提携を結んでいるが、それも、ママさんの獲得を意図しており、ベルメゾンJRE MALL店においては、この夏、一部商品を、武蔵小金井駅、武蔵境駅、NewDays国分寺店などで受け取れるようにする取り組みを開始して、駅との接点を作っているのだ。
鉄道や駅というものの価値を見直して、新しい使い道を模索すると共に、それは同時に、よりママさんを中心とした、生活に密着する、総合的なインフラを目指して、ある程度、絞られたお客様との間で、深く、経済圏を確立できるように模索しているものと思われる。
3.アプリで全てイオンの行動が完結
イオンにおいては今月に入ってトータルアプリ「iAEON」をスタートさせた。こちらの方がわかりやすいかもしれないが、「WAON POINT」の利用・付与・照会・交換ができるほか、電子マネーやコード決済での支払い、「お気に入り店舗」のキャンペーン情報の確認ができるなど、グループ各社が提供するサービスをまとめて一つのアプリで利用が可能になる。
同じくあらゆるサービスをシームレスにこの中で完結させることができれば、そのお客様を深掘りし、新たなビジネスを創出できるわけで、ここでも意図しているのはやっぱりママさんなのかもしれない。
ネット系の経済圏のうち、PayPayなどはその決済のインフラを取りに行き、デイリーユーザーの獲得と共に、そこを起点にあらゆるサービスに繋げる思惑が見えるわけで、それに近い動きを、各社リアルの業態も含めて、この辺は過熱化していきそうに思う。
今日はこの辺で。