垣根を越え多様化認め 伊勢丹 GISELe 百貨店や雑誌の 変化
それ自体が確固たるブランドとして成立していた雑誌や百貨店ではあるが、変化が求められている。ファッション通販サイトを運営するマガシーク株式会社は、雑誌「 GISELe (主婦の友社)」との紙面連動企画を、NTTドコモと運営に関わる「d fashionⓇ(ディーファッション)」で、実施する。また、伊勢丹 新宿店では、万人狙いではなく、ターゲットを絞った小柄女性のための催事「150cm-ish STYLE」開催する。
伊勢丹 は 多様性を受け入れ GISELe はネットとの連携 で 変化 見せる
GISELe はネットとの連携
d fashionでは、ファッション誌「GISELe」で紹介したアイテムをその場で購入することができる特別コンテンツを配信中。紙面にはQRコードが用意されている。定番アイテムの着こなし術やファッショントレンド紹介など、連載企画で連動させて、購入へと促す。
また、多彩なジャンルの雑誌・記事が定額で読める「dマガジンⓇ」で、「GISELe」を閲覧すると、特別コンテンツへのリンクが表示されるようになっている。ファッション誌のコンテンツ力、webの力、ショッピングに繋げる一体的な動きで、それぞれの付加価値を最大化する狙いだ。
伊勢丹 の ニッチなニーズにも丁寧に応える
一方で、百貨店の雄「伊勢丹新宿店」では「150cm-ish STYLE」を2020年9月2日から実施。小柄な女性ならではのバランスにこだわった洋服や、伊勢丹全館からセレクトしたアイテムを紹介する。今回は、スタイリングを学べるイベントなど、店頭とオンラインサイトの両面から紹介する。
かつてであれば、名だたるブランドを百貨店のブランド力と掛け合わせて、多くのお客様に提案していた。昨今においては、SNSの普及に伴い、好みが多様化していて、それがマッチしているとは言えない。だからこそ、百貨店も小さいサイズの服も靴も買いやすく提案するなどへとシフトしている。それが受け入れられている証拠に、4回目を迎える。
また、小柄なインフルエンサーがお洋服だけではなく、コスメやアクセサリー、靴まで伊勢丹全館からセレクトで紹介。伊勢丹新宿店の本館2階アーバンクローゼット、本館3階リ・スタイル、本館4階プライムガーデンから集めた、百貨店としてのクオリティ。そこにニッチなニーズとを掛け合わせたところにオリジナリティがあるわけでその点で勝負しようというわけだ。
シーンとテーマ、問われる編集力
この伊勢丹新宿店における提案は、小柄さんの代表格であるインフルエンサー田中亜希子さんも関わっている。このイベントのテーマの一つとして、~わたしたちのマイルール~を、彼女が掲げることで、その多様化を後押しする。スタイリングやメイク、ライフスタイルまで、田中亜希子さんをはじめ、さまざまなインフルエンサーのこだわり・マイルールをご紹介することで、お客さまが、それぞれ自分にあった形で洋服を選ぶことに繋がる、ヒントが得られることだろう。
大事なのは、新宿にあることでも、人気のあるファッション誌であることでもない。百貨店なり、ファッションなりのターゲットをいかにして、他の企業と連携しながら、深掘りして、自らのお客様にとってより共感できる価値に変えて行けるか、だと思う
繰り返す。雑誌であること、その場所にあることは、もはや理由にならない。その意味で、これからは発信する側の「編集力」が問われるのではないか。