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ヤマトが目指すデジタル活用と受取拠点拡充の背景-Doddle社との提携

ヤマト運輸は「YAMATO NEXT100」を掲げ、デジタル技術を活用して企業価値を高める取り組みに注力している。その一環として注目しているのが、ネット通販(eコマース)の受取拠点の多様化である。ネット通販の利用が急増するなか、利用者が自分の生活スタイルに合わせて荷物を受け取れる環境を整えることは重要な課題となっている。

新サービスの概要:Doddle社との提携

ヤマトホールディングス株式会社とヤマト運輸株式会社は、ネット通販の受け取りサービス強化を目的に、Doddle Parcel Services Ltdと提携した。Doddle社はイギリス、オーストラリア、アメリカなどで「ネット通販における購入商品の受け取り・返品システム」を確立しており、Click & Collectシステムを提供している企業だ。

このシステムを活用すると、ドラッグストアやスーパーマーケットなどの店舗は、Doddle社が提供する専用端末を設置するだけで、スピーディかつ簡単に荷物の受取サービスを始められる。ヤマト運輸としては、この仕組みを通じて受取拠点を拡充し、消費者の利便性を大幅に向上させる狙いがある。

【店舗側のメリット】

1. 集客力アップ

店舗に荷物受取サービスが導入されると、来店機会が増える。商品受取のついでに店内で買い物をするなどの相乗効果が期待でき、販促要因としても働く。

2. 運用のしやすさ

  • • 専用端末を設置し、表示される指示に従って二次元バーコードを読み取るだけで、受け取り手続きが完了する。
  • • 本人確認や配達情報の登録などはシステム上で完結するため、店舗スタッフの手間を大幅に削減できる。
  • • eコマース商品の保管場所管理機能も完備しているため、新たなシステム投資が不要で、導入しやすい。

ヤマト運輸は、この新サービスを希望する店舗の募集をすでに開始しており、対応店舗を増やすことで受取拠点のさらなる拡大を目指している。

【消費者側のメリット】

1. 受け取りの自由度向上

ネットで商品を購入した際、受け取り可能な場所や時間帯の選択肢が増える。自宅で受け取れないケースが多い人でも、通勤途中や買い物のついでにドラッグストアやスーパーで荷物を受け取れるようになる。

2. 手続きの簡易化

オンラインストアで商品を購入後、スマートフォンなどに送られてくる二次元バーコードを店舗で提示するだけで受け取れる。レジでの本人確認や煩雑な手続きは不要だ。

3. 追加特典の可能性

商品を受け取る際に、その店舗で使える割引クーポンなどが取得できる場合もあり、荷物の受け取りと買い物が同時にお得になる。一部店舗に限られるものの、消費者にとっては嬉しい特典だ。

【今後の展望】

急増するネット通販需要への対応は、企業や店舗、そして消費者にとって大きな課題となっている。ヤマト運輸がDoddle社と協力して進めるこの新サービスは、受取拠点の拡充によって利便性を高めるだけでなく、店舗の集客力アップやシステム投資の負担軽減といった、各方面にメリットをもたらす取り組みだ。

「YAMATO NEXT100」を掲げるヤマト運輸がデジタルを巧みに取り込みながら、このような新しい受取サービスの枠組みを整備していくことで、日本国内のeコマース市場は一層活性化していくだろう。今後、ドラッグストアやスーパーマーケットなどの店舗がどのように導入を進めるのか、そして利用者がどの程度このサービスを活用していくのか、引き続き注目が集まっている。

 

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