Yahoo!ショッピング に見る 巣ごもり消費 の動向
1. 背景:外出自粛と「巣ごもり消費」の増加
新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、緊急事態宣言が発令されて外出自粛が続いた結果、自宅や自宅近辺で過ごす「巣ごもり消費」が活発化しています。こうした流れの中で、ネット通販の利用が急増しており、今回は「Yahoo!ショッピング」のデータをもとに、どのような商品が伸び、逆に伸び悩んだのかを分析したレポートが公表されました。本稿では、その内容をわかりやすく整理してご紹介します。
2. カテゴリー別の取扱高前年度比率(伸び率)概観
ヤフーの事業者向けデータソリューションサービスを使い、2020年4月1日〜5月10日(ゴールデンウィーク明けを含む期間)における「Yahoo!ショッピング」の第一階層カテゴリの取扱高前年度比率を算出すると、以下のような傾向が確認されました。
• 最も伸びたカテゴリ
「ダイエット、健康」(約4.0倍)
• 続いて伸びたカテゴリ
「本、雑誌、コミック」(約2.0倍)、
「ゲーム、おもちゃ」(約1.7倍)
• 伸びが弱かったカテゴリ
「CD、音楽ソフト、チケット」「スポーツ」「ファッション」など
3. 伸びたカテゴリの具体的な動向
3-1. 「ダイエット、健康」
衛生日用品(マスク、ハンドソープなど)の購買が大半を占めています。感染防止意識の高まりから、需要が急増したと考えられます。
3-2. 「ゲーム、おもちゃ」
外出自粛により家族で楽しめるアイテムが人気となりました。
• 1位・2位:パズル、ボードゲーム
家族みんなで取り組める娯楽として需要が拡大。
• 3位:おもちゃ
「ブロック」「バーチャルペット」が約3.7倍伸びており、知育玩具やペットロボットなど“家での時間をより豊かにする”製品が好調です。
4. 伸び悩んだカテゴリとその理由
4-1. 「ファッション」
外出自粛の影響で着飾る機会が減り、全体として伸び悩む傾向が見られました。しかし、同カテゴリの中でも以下のように“感染対策”や“自宅中心の生活”に合わせた商品は伸びています。
• ネックウォーマー(スヌード)
春先にもかかわらず需要が高まりました。ランニング時にマスク代わりとして利用するケースが増えていると推測されます。
• ネックストラップ、手袋
除菌や感染防止対策を意識した購入が増加。
• ルームウェア、パジャマ
自宅や近所だけで過ごすための“部屋着”需要が高まり、オンライン会議に映っても失礼がない程度のルームウェアを買い足す動きが見られました。
一方で、大きく需要が落ち込んだのは「パーティードレス」(前年同月比80.6%減)や「着物」(49.2%減)、「セレモニースーツ」(45.0%減)など。式典やイベントの中止・延期により、購入の必要性が大幅に低下したことが要因と考えられます。
5. 家電や“おこもり”関連商品の伸び
「家電」カテゴリでは、自宅中心の暮らしに合わせて以下のような商品の需要が急伸しました。
• コロナウイルス対策関連
加湿器やミシン(マスク自作目的など)
• 自宅ごはん充実関連
炭酸水メーカー、ホームベーカリー、ホットサンドメイカー、ホットプレートなど
• おこもり美容・セルフケア関連
スチーマー、頭皮エステ、電気バリカン、ネイルポリッシャーなど
「家での時間をどう楽しむか」にフォーカスした商品が求められている様子が浮き彫りになりました。食事を手軽かつ楽しくする調理家電や、時間をかけられるからこそ本格的に取り組みたい美容・セルフケア用品の人気が高まっています。
6. まとめと今後の示唆
今回のデータからは、外出自粛によって従来の消費パターンが大きく変化し、「巣ごもり消費」という新しいニーズが生まれたことが確認できます。特にマスクやハンドソープなどの感染対策グッズ、家族で楽しめるおもちゃやゲーム、在宅勤務に対応した部屋着・家電などが顕著に伸びました。一方、外出着やパーティードレスのようにコロナ禍以前の生活様式に依存していた商品は大きく落ち込んでいます。
今後のポイント
• ライフスタイルの変化に合わせて、消費者がどんな商品やサービスを求めるのかを常に観察し、先回りして提案すること。
• 従来の“当たり前”だった消費行動が変化した今こそ、新たなニーズに合わせた商品ラインナップや販売戦略を再構築する重要性が高まっている。
売り手側も買い手側も、これまでの習慣にとらわれず、新しい生活様式に即した選択が求められています。