「Rakuten Fashion Luxury」開設:LVMHの「Marc Jacobs」も参加/
ハイエンドファッションの新たなプラットフォームへ
先日、楽天株式会社が「Rakuten Fashion」内に新たに「Rakuten Fashion Luxury」を開設。ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドの商品を取り扱うと発表しました。決算発表の場で、代表取締役会長 兼 社長の三木谷浩史氏が「こんな著名なブランドが楽天プラットフォームに参加するとは」と熱っぽく語っていたのが印象的ですが、その具体的な内容が明らかになった形です。
今回の大きなトピックは、LVMHグループ傘下の「Marc Jacobs」「FRED」「KENZO」などが名を連ねる点。日本国内でおなじみの楽天が、一気にグローバルラグジュアリーブランドを迎え入れるという動きが注目を集めています。
■ 新たなデザインの「Rakuten Fashion Luxury」
「Rakuten Fashion Luxury」は、これまでの赤を基調とした“楽天らしい”イメージを払拭し、白を基調にしたシンプルでモダンなデザインを採用しています。通常の「楽天市場」とは一線を画し、よりハイエンドな世界観を打ち出すことで、これまでのイメージを一新する狙いがあるようです。
サイト内では、参加ブランドのショップごとのラインアップを紹介するだけでなく、新規参加ブランドや開催予定のイベント情報など、幅広いコンテンツを取り揃えています。単に商品を並べるだけでなく、ファッションというカテゴリー自体の魅力を発信し、プラットフォームとしての役割を担っていく構えです。
■ “プラットフォーム”としての気概
一見すると、楽天とファッションの結びつきはあまり強くないように思えます。しかし、楽天はこれまで、小さな商店から大手企業までを巻き込んで、日本全国のEC需要を開拓し、コロナ禍でさえ多くの店舗がビジネスチャンスを得られるような仕組みを築いてきました。そうした経験値があるからこそ、ファッション分野へのさらなる拡大にも自信を持って取り組んでいるのだと考えられます。
特に近年は、日本から世界へ羽ばたくファッションブランドを支援する姿勢を明確にし、グローバルなプラットフォームを目指す意欲を打ち出している楽天。「Rakuten Fashion Luxury」も、その取り組みの一環と言えるでしょう。
関連記事:楽天 “by R”で ブランド 支援 楽天市場魂をファッションに
■ Rakuten Fashionのイメージ刷新と今後の期待
昨年イメージを刷新した「Rakuten Fashion」は、ラグジュアリーからデザイナー系、さらには幅広いファッション関連商品を一望できる総合ファッションサイトへと進化を遂げています。今回の「Rakuten Fashion Luxury」開設によって、一層高感度な商品がラインアップに加わり、プラットフォーム全体の活性化が期待されます。
■ 求められる“中身”へのこだわり
ただ、見た目の色やデザインを変えるだけで、すべてが好転するわけではありません。重要なのは、その内側にあるブランドやプラットフォームの“魂”です。
- • 優れたブランドにはコアとなる価値観やカルチャーがあり、熱心なファンを惹きつける
- • 多様性を受け入れ、ユーザーそれぞれが自由な形でブランドとの接点を持てる環境づくり
楽天には、“商店街”の空気感や店長さんたちの親しみやすさがあり、その人間味こそが強みの一つ。一方で、「Rakuten Fashion」には、先進的なデザインとトレンドを取り入れる敏感さが求められます。両者のバランスを上手に保ちながら、挑戦する人やブランドを応援できるプラットフォームであってほしいというのが、多くのユーザーの願いではないでしょうか。
■ おわりに
「Rakuten Fashion Luxury」の始動は、楽天のファッション領域における本気度を示す大きな一手と言えます。世界的なラグジュアリーブランドの参画によって、さらに注目を集めることが予想されるでしょう。これまで築き上げてきた“楽天らしさ”を大切にしながらも、新たな挑戦の場として、多様なニーズを満たせるプラットフォームへと成長することを期待したいところです。