全国で店舗受取が可能に!送料無料サービス拡充と「ナルミヤ」ブランド戦略の狙い
■ 子ども服メーカー最大手、ナルミヤ・インターナショナルの強み
株式会社ナルミヤ・インターナショナルは、新生児からジュニアまで幅広い層をターゲットに、「プティマイン」「ラブトキシック」「メゾ ピアノ」など、テイストや販売チャネルが異なる20のブランドを展開している。
特に、これまで「お下がり」が多かった小中学生世代に新しいトレンドを取り入れ、ジュニアブランドを強化することで急成長を遂げた。現在では、高品質で最新のキッズファッションを提案する国内最大手企業として知られている。
■ 全国での店舗受取サービスが拡大
同社は2020年春より、一部地域で試験的に店舗受取サービス(公式オンラインショップ「ナルミヤオンライン」での商品注文・決済後、指定店舗で受け取れる)を開始。好評を受け、2020年9月23日から全国規模での展開をスタートした。
◇ 主なメリット
1. 送料無料
パソコンやスマートフォンから24時間いつでも注文可能。購入金額に関わらず配送料が無料のため、送料を気にせず買い物を楽しめる。
2. 店舗・タイミングが自由
お客さまの好きな店舗で、都合の良いタイミングに全ブランドの商品を受け取れる。
3. 支払いはオンライン完結
決済もすべてオンラインで済ませられるため、来店後は商品を受け取るだけで手間がかからない。
■ コロナ禍におけるリアルとオンラインの融合
新型コロナウイルス感染症の影響で、ショッピングセンターへの来客数が減少傾向にある。しかしながら、オンライン注文→店舗受取というサービスは、消費者に「実店舗へ足を運ぶきっかけ」を提供する。
これにより、オンライン売上の底上げと同時に、直接商品に触れる機会を作り出すことができる。店舗側にとっては来店機会の創出、企業側にとってはブランド価値を実際に体験してもらう好機となり、双方にメリットがあると考えられる。
■ ブランド強化へつながるデジタルシフト
店舗受取を促進しつつも「送料無料」というハードルの低さが、消費者がオンラインで購入しやすい環境を整えている。
さらに、実店舗に訪れることでブランドの世界観や質感を体感できるため、オンラインとリアルの相乗効果が見込める。こうした複数チャネルの融合こそが、デジタルシフト時代におけるブランド強化の本質と言えるだろう。
本施策のポイントは「オンラインとリアルの連携」。 送料を無料にしながらも店舗受取を推奨することで、消費者がブランドに直接触れる機会を増やし、企業としての認知度や信頼感を高めている。これからも、子ども服市場をけん引する企業として、ナルミヤ・インターナショナルの戦略に注目が集まりそうだ。