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メディアを軸に「再整備」 ECや金融はその派生で最大化 手堅さ目立つLINEヤフー2023/Q2 決算発表

 落ち着くところに落ち着いたのではないかと思う。先ほど、行われたLINEヤフーの2023年度第2四半期決算に関しての話である。以前の体制では、Eコマースを軸に経済圏を構築して、流通総額のNo.1を目指していた。だが、これからは、メディアを軸にして収益を作りつつ、そこから顧客を絞り込んで、そこで初めてコマースなどの利用を促す。

・派手さなき増収増益

 細かな話をすれば、売上収益は4412億円(YOYで11.9%増)で、調整後EBITDAは1033億円(YOY28.1%増)ということになる。この背景にあるのは、メディア事業における広告の緩やかな回復。一方で、LINEの公式アカウントの料金プランを改定して、機能の強化と相まって、成長が加速していることがある。下の図を見ればわかるが、右肩上がりで伸びて4.5%増。

 スマホを起点としたビジネスが好調で、LINEの存在感が増している。企業に対して公式アカウントの利用を促し、顧客接点を強化してもらう。最近では「メンバーシップ」ということで、サブスクリプションに加入した友達への限定のコンテンツ配信も可能となった。

 つまり、スマホという肌身離さず使うツールとともに、LINEならではのエンゲージメントの高さを活かした広告が、会社に安定した収益をもたらした格好。

・ECに関しては今は正念場「選択と集中」

 そこで盤石な力を築きながら、一方でこれまで注力してきたEコマースに関しては選択と集中を繰り返す。以前の戦略ではポイントを付与し、そこでの回遊を促すことで、Eコマースの流通総額を上げていく。それがなぜプラスになるかというと、金融との相互利用を促すからで、会社自体の親和性が高いと考えていたからだ。

 しかし、Eコマースを「これから」伸ばそうとセールなどを使い、ポイントを付与するのはいいのだが、結果、持ち出す投資額の方が目立って、利益率の低いものとなって、自ずと見直しが必要になったのである。いうまでもなく、ライバルも経済圏構想で競争は激化するばかりだから、後発の彼らとしては苦しくなったわけである。

 だから、彼らはその戦略から身を引き、まずは利益を確実に得られる仕組みを構築していくことを優先させるわけだ。だから、セールの乱発も行わないので、当然、流通額が減少することとなり、Eコマース取扱高の成長率は、「国内物販系」で-0.7%である。

 ただ、それも2022/Q4では、-7.8%だったことを思えば、減少の度合いも小さくなっているというわけである。

・メディアを軸にEコマースをどう伸ばす?

 その上で、新社長出澤さんの体制になってからは、メディアを軸に据え、そことの相乗効果でEコマースは売り上げを作っていく。なぜなら、メディア自体が、他の経済圏にはない強みであり、ここの伸び代を伸ばして、その恩恵を、Eコマースに還元していく方が、プラスだと解釈しているからだ。独自色を出せて、投資に見合った、身の丈に合わせたビジネスが可能だからである。

 しかしながら、どうやってEコマースに還元していくのかは、朧げであった。ただ、今回の決算発表によれば、まずはメディアに関連して、検索との連携を強化する。検索連動型ショッピング広告を新たに用意して、ここではクリック課金型で、モジュールの最上部に掲載するなど行う。

 一方で、成果報酬型を念頭に、商品情報の掲載を行う。このようにして、タイプを複数用意して、Yahoo!JAPAN自体のメディア力を活かし、店のレベル感に合わせて、Eコマースの売り上げに繋げるわけだ。

・LINEの刷新に合わせてコマースとの連携強化

 もう一つは、今度、LINEのアプリで、「ショッピングタブ」を用意して、そこで購入に繋げていく。また、それに関連して新たに商品軸で検索していく「統合コマース検索」を用意して、LINE上で、LINEヤフーの傘下にある(ZOZOなども含め)商品を導きやすくしていく。

 冒頭話した通りだが、Yahoo!JAPANとLINEの広告自体はより多くのリーチを求めて進めていく。その一方で、ヘビーユーザーには「LYPプレミアム」という有料会員で導き、絞り込むわけだ。

 それらは、従来のYahoo!プレミアム会員に加えて、LINEの特典などを加えたものなので、それがそれらのメディアの利用と合わせて、商品を購入するきっかけにしていくわけである。大きく取って広告で収益を上げるほど、絞り込まれるユーザー数も増えていくので、会社自体の親和性も高いということになるわけだ。これであれば、熾烈な競争にも巻き込まれずに済むという形になる。

 その土台となるのが、各アカウントの統合。10月から進めており、既にLINEと Yahoo!JAPANで連携でいた数は、1948万アカウントにも及んで順調である。

起点はEコマースではなく、メディアへ

 Eコマースを起点とした発想では無くなった分、これまでの賑々しい雰囲気を期待している人にとってはやや、寂しい形となる。だが、一過性で集まってくるユーザーは減少して、定着率は上がりそうに思う。今回の発表にはないけど、優良な配送環境など、これまで施策として取り組んでいたものも活かされる形になる。

 さらに、PayPayはQRコード決済ではナンバーワン。だから、それらを銀行やカードに紐付けしてもらうことで、優先的にPayPayと名のつく金融機関を使ってもらうように促す。EコマースのヘビーユーザーがLYPの枠組みの中で、価値を感じて利用されるようになってくれば、親和性の高い、金融にもプラスに作用していき、回遊も増えるだろう。

 全体を通して見れば、地味ではあるけど、それぞれのリソースを極力、コストをかけることなく、回遊が生まれるように考えられていて、手堅いと思った。それゆえ、冒頭、落ち着くところに落ち着いたのではないかという話である。

 今日はこの辺で。

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