1. HOME
  2. News
  3. モールと自社EC
  4. 新・小売り学
  5. 通販とeコマース
  6. 楽天 と ヤフー の動きから 経済圏 と 物流 の関係性と戦略の違いを考える

楽天 と ヤフー の動きから 経済圏 と 物流 の関係性と戦略の違いを考える

 昨今 経済圏 の動きが活発化する中で、通販と 物流 は一体で捉えざるを得ない。特に 楽天 ヤフー などショッピングモールは、ただ出店を促すだけではなく物流もサポートする動きを見せて、そこに彼らの戦略の違いも垣間見れる。個人的な見解も含むが、振り返ってみた。

楽天 ヤフー 経済圏 は 物流 を巻き込み拡大

1. 楽天は楽天ブランドを生かす

 そもそも一番、最初に物流の意味を考えていたのはAmazonであり、商品さえ、集めてくれれば、あとは全て自分たちが行うというフルフィルメントの発想で、多くの企業から商品を集め、かつお客様への利便性を図るに至った。

 その後、ここ数年で通販の急拡大に配送業者が追いつかなくなってきたことで、宅配クライシスの問題が起こり始める。だから、楽天グループの三木谷浩史さんは2000億円投資するという考えを明らかにするとともに、独自の配送網を築き、物流拠点の設置にも関わり始めた。

 そして、その後、日本郵便との合弁会社JP楽天ロジスティックの設立へと至り、この7月を迎えているわけである。楽天は自らデジタルのプラットフォームを提供しつつ、その裏側でこれらの物流を当てることで、多くの企業のデジタルトランスフォーメーションを作っていく考えのようである。

 勝手ながらも、僕なりにまとめたのが下の図の通りである。

 具体的にいえば、楽天市場でいえば地元の商店街の商品を全国津々浦々に送り届けるわけだし、ネットスーパーでは生鮮食品系をその近隣の住民に、楽天ファッションで言えばお店の在庫と連動させて、お店と倉庫とで在庫管理を徹底して無駄な在庫を減らして、全国に送り届けるわけである。

 常温商品、冷蔵商品、季節性の高いアパレルなど、ジャンルが違うので物流の活用の仕方は違う。けれど、共通しているのは全て表側を「楽天」と名のつくプラットフォームを、少しアナログと言われる企業に提供して、デジタル面で補完しながら、ジャンルごと生産性を高く、ネット通販、並びにリアルのお店の商品を物流によって、フォローして、事業の成功を導こうとしている点である。

2. ヤフーはPayPayとLINEブランドを生かす

 上の図にもあるのだが、ヤフーはLINEとの連携をテコにして、交流=コミュニケーションを肝にしている節がある。

 それを顕著に示すのがこちら。ヤフーはYahoo!ショッピングとPayPayモールに出店しているお店に対して、「LINEギフト」への出店を促進させることを明らかにしているわけである。「LINEギフト」って何?と思われる人もいるだろうが、要はLINEのトークを通して、友達にギフトが送れるというものである。

 これがあれば、極端な話、相手の住所を知らなくても商品を送ることができるわけである。なぜなら、LINEを通じて、その商品をプレゼントして、もらう側は自分で住所を入力することで、送り届けてもらうという仕組みなわけである。

3.お客様との接点を付加価値に、自らの物流を投下していく

 ヤフーも、楽天の動きを見ながらその物流の大事さは感じている。ただ、同じようにして、「安さ勝負」でそこに挑んでも疲弊するだけ。それはわかっているから、彼らは彼らなりに違ったメリットを提示するべく、2021年内に「Smart Store Project」を開始するのだと見ている。下がそのSmart Store Projectに関する僕なりのまとめである。

 一見すると、自社ECを作ることができると言っているけど、これは彼らなりの利点を活かしたオムニチャネルの戦略のようにも思えるわけだ。

 というのもヤフーは、LINEとの連携を密にしており、LINEは公式アカウントを通じて、お客様との接点を持っているからだ。だからここに紐づける形で、ヤフーが用意する自社ECサイトを紐付けてもらい、自社ECにありがちな「集客できない」という問題に応えようとするわけである。

 彼らはPayPayにおいて営業力を発揮して、多くの加盟店を持っている。これが同時に、まだECを作っていない店舗も多く含まれるはずなので、そこで彼らはこの自らが提供する自社EC=Smart Store Projectを促す。勿論、決済にPayPayを使うとお得になる施策を通してメリットを作り、それとLINEとの合わせ技で、そちらにもお客様が集まるように仕掛けようとしているのではないか。

 そこで、ここの配送のインフラを抱えようというのが、まさにヤフーとヤマト運輸との連携である。ヤフーでヤマト運輸との連携を強化して、ヤフーは楽天とは別軸で利用者を増やし、スケールメリットを生むことで、ヤマト運輸に対して、価格競争ができるといって、その連携を強固なものにするのである。

4.「モールの強さ」か「決済とソーシャルの合わせ技」か

 すると、楽天はあくまで「楽天」という冠の中で、最大限、楽天ポイントでリアル店舗へ送客したり、ネットショップに利点をもたらして、お客様を回遊させようとするのに対して、ヤフーはYahoo!ショッピング、PayPayモールに加えて、自社ECを含めてPayPayにおける付与を特典にして、それぞれに回遊させようとしているのであって、似ているようで、その戦略は異なるわけである。

 ここまで話してきたところで、これはあくまでも「スケールメリットでの勝負」であって、ここで彼らはいかに安さを提供して表裏一体と言える「小売」と「物流」をセットで提案して、自らの陣営の物流を含めていかに活用してもらえるかということを意図して、戦略を組んでいるものと思われる。

 ただ、こちらの記事でも書いている通りだが、確かにこの安さというのは重要な視点であるとともに、彼らは提供する物流も魔法の杖ではない。それゆえ、改めて自分の会社の物流に関係する数値を可視化して、どこに効率化を求めて、生産性を高くするかを考えていかなければならない。小売と物流、表裏一体だけに、ちゃんと物流のコストも計算して、事業を進めるのが吉だろう。

 今日はこの辺で。

関連記事

145はマガジンは「ヒットの生まれ方と育て方を考えるメディア」。キャラクターなどのコンテンツ関連と新しい小売りの最新情報、商品開発の実態を追うメディアです。
詳しくはこちら
 本気で書くにはボランティアではできません。最初にメルマガplus=メディア会員(有料)を作りました。これからの成長も含めて力貸してください。
メルマガplus詳細

What’s New

Good feedback

検索