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楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー2020 コロナ禍での底力

 そこにはいろんな想いがある。いつもは高輪で歓喜に沸くこのイベントも、今年はオンラインでの開催となった。「 楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー 2020 」である。画面を通して各々の現場から共に働く仲間同士で、喜び合う姿が放映されたことは、オンラインならではで、そこの観点では良かったと思う。そして、受賞前後で店舗同士、讃えあう姿を見ながら、皆からおめでとうと喝采を浴びることの意味を感じたのである。

楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー 2020 店舗にとっての意味合い

 冒頭、楽天株式会社 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史さんは、「コロナ禍で世の中が全く違ってしまったが、ネットショッピングは人々の生活の支え、事業の役に立てた。あと数ヶ月で、それも収束するのだろうと思うが、ネットショッピングはこれからも一般的になり、その中心が「楽天市場」」と語り、「今日、受賞した方は、それを牽引する存在」としてたたえ、これからも一緒に盛り上げていく旨、約束した。

 さて、今回はコロナ禍ということで、今までになく、ネット通販を利用する機会が増えた。個人的な印象で恐縮だが、共通して言えるのは、楽天市場の売り場に流入する人の数が増えた事で、地道に足場を固めてきたお店が着実に成果をあげたという事ではないかと思っている。

リアルを跳ね返すネット通販の快進撃 甲羅組

 総合10位の田辺 晃司さんは、2年連続で海産物ジャンルで大賞を受賞。その底力はこのコロナ禍で発揮され、総合賞受賞となった。彼に対しては元々、楽天市場での結果を出すメカニズムというものを貪欲に追い続けていて、ここで個性を発揮することが、この店にとっての価値と考え、真っ直ぐにその結果に向かって走り続けてきた印象がある。

 コメントでも「うちは実店舗もあるのでコロナ禍で厳しい側面もある一方で、ネット通販は追い風で、1日の売上が5倍になる日もあった。今年、「楽天市場店」の売上が特に伸びていて、もしかしたら総合賞が取れるのではないかと思っていたので嬉しい」と述べていた。徹底して売り先に合わせて戦略を組み、かつ変革を恐れず大胆に実行したのが実ったのだと思う。

 総合賞以外でも、各ジャンル賞で返り咲く店舗も少なくなく、こういうコロナ禍のような時にこそ、長年、色々な局面に遭遇しながらも、立ち向かってきたそういう企業の底力のようなものを感じさせた。

華麗なる復活に感慨ひとしお「DIY FACTORY ONLINESHOP」

 DIYジャンルで大賞3年ぶり7度目の受賞をした「DIY FACTORY ONLINESHOP」は、華麗なる復活劇であった。2012年から6年連続で受賞したころからリアル店舗出店や東京オフィスの開設、アプリ開発など様々な挑戦を行ったそうだが、逆にいえば、基幹事業であるECにおいては2年ほどは、昨対こそ割ってはいないけれど、苦戦であった。一部の人からは「大都は終わった」と言われたりもしたと本人談。自分でも驚くほどの勢いで巻き返しましたと胸を張る。そこからの巻き返しは、それだけ感慨深いものになったと語っている。

ここがまたスタートライン イーザッカマニアストアーズ

 イーザッカマニアストアーズは、2016年から4年ぶりの受賞らしい。その間、2018年暖冬、2019年暖冬、2020年コロナと彼らはファッションジャンルに対しての逆風も少ない中で、まずは目の前のことをコツコツやっていくだけの日々。正直言えば、受賞まで考えが及ばなかったというのもなくはない。

 でも、そのような状況に塞ぎ込んでたわけでもなく、目の前のお客さまに向き合いコツコツとそして大胆にスタッフは一丸となって、一生懸命にやってきてくれたと話していて、それだけに、この受賞はほんの少しだけ、ホッとしたと浅野かおりさんは、振り返っている。

 逆にいうと、これを機に初心に帰れた、という気がしているようだ。また、この受賞を契機に、2021年を思うスタッフの発言に、店としての成長を感じさせ、この受賞が大きな節目となったようである。

リアルな場での受賞を目指し、決意新たに 「エメフィール」

 インナージャンルでジャンル賞を獲得した「エメフィール」。同店の玉山順さんの発言で感慨深いのはこのオンラインでの開催になったSOYに関して「リアルでお祝いではなく、どこまでやってもバーチャルな世界感ではある」と実感を込めて話しており、それを「県大会優勝したのに甲子園に行けなかった高校野球児の気持ちにも近い」と表現してみせた。

 スタッフと共にその受賞を分かち合えた事は大きなプラスとしながらも、「オンラインな授賞式は今年きりにしたい。来年は普通な授賞式に参加したい」と述べて、この環境が、また来年での受賞を目指す強い決意につながっていることも感じたのだ。リアルな場での受賞を願って、ひとまず乾杯だ。

受賞店舗は全体の0.3% 目指すべき目標 店にとっての節目

 今年でいうなら「楽天市場」の5万店舗のうち、受賞は148店。その数は全体の0.3%に相当するほど狭き門であり、それは楽天市場に出ている以上、掴み取りたい栄冠であり、その喜びや感慨にふけるそのコメントも納得である。

 店舗の声で取り上げたように、このイベントが一年の節目であり、通信簿のような存在。それでいて、何年かを通して、自分たちがやってきたことへの振り返りにもなっているのが印象的だ。結果に伴い、それがスタッフをねぎらい、感謝するきっかけになっている点においても、店にとっては掛け替えのないイベントなのかもしれない。この活力が次へと歩ませるのだと思う。

 僕が思うのは、それぞれの店舗の声を聞いて、いつもと違う緊急事態だからこそ、いつも変わらぬブレない精神が勝利の決め手になった気がしている。強い店舗が真に、結果を出している。

 今日はこの辺で。

 なお総合賞に関して、下記に列挙しておく。改めて、受賞にお祝い申し上げたい。

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