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BPO 活用 で伸びる 通販 の在り方 高山隆司 氏 出版に想う

昨今、叫ばれるDXは、別にリアルをやめる事でも、コンピュータを使う事でもなく、企業ごとの姿勢、顧客との向き合い方を確認する事を言うのだと思う。そんな時代に、株式会社スクロール360 常務取締役 高山隆司さんは「EC通販で勝つBPO活用術」という本を書きながら、各々の 通販 企業の強みは BPO すなわち、専門的な知識を持つアウトソーシングに一括して任せて、利用することで最大化できると、指南している。

BPO 活用するために必要な 通販 の姿勢

冒頭の写真、大御所揃いのメンツに、ポツンと恐縮気味に、僕がいますが、全部がその高山さんのお面をつけているので、おそらくどれがそれかわからないでしょう。
それはさておき、僕は高山さんからこの本の出版記念パーティに誘われ、出席していた。不思議な話だが、そこでは物流の凄さよりも、その前段階「企業のあるべき姿を語る」ことに時間を割いて語られていた事が印象的であったし、これこそBPOの本質を突いていると僕も思った。
ここで個人的見解であるが、通販企業は10社あれば10通りのカラーを持っていて、顧客の向き合い方も全て異なる。だから忠実にそのカラーに合わせて、外部の専門的な知見を取り入れながら、顧客満足度を高めていくべきなのだ。
ただ一方で、店舗でありがちな光景は、売上アップを狙うばかりで物流を「おまけ」的に捉えて任せて安さだけを求めるパターンもあって真逆である。
今DXが進む中では、自らの通販の価値を高めるのは、物流などの外部のリソースを専門的知識に委ね、総合的に力を兼ね備えた企業であって、それが恐らく高山さんのいう「BPO」を主張する核心ではないか。ただ、それも「通販企業の核たる部分」なしには語れない。

体験から始まる お客さんとの継続的関係

高山さん司会の元、パネルディスカッションも行われており、登壇していたのはFABRIC TOKYO代表取締役  森雄一朗さん、ムービング 取締役 臼井 穀さん、アスクル 取締役執行役員 輿水 宏哲さんの三者で、そこで僕が思ったのが、「通販企業の核たる部分」である。
思うに、小売業がそのものがその意識改革をする必要があって、それはなぜかと言うと、これまでは店は「ものを販売する」という意識が強く、「販売すること」が「ゴール」になっていたからだ。これからは、リピーターを獲得する為の、エンゲージメントを高める顧客体験こそが大事なのだろう。
するとリアルのお店の視点が変わる。そこはその後、続くであろうお客さんとの関係の「スタート」なのだと捉えられるわけで、かつでで言う「ゴール」ではなくなる。
こういった発想は百貨店などにも広がっていて、僕が知るところでも、丸井などでは見られ、2015年頃から「売らない店」を提唱し、D2Cブランドなどを柔軟に受け入れる体制へと転換。D2Cがネットを強みとする一方で苦手とする接客の部分で、丸井のスタッフの力が発揮され、D2Cブランドのエンゲージメントを高め、リアルネットの強みを生かして、トータルでの売上向上を狙う動きを見せている。

関連記事:売る事は目的でない “体験型” 小売 店 b8ta ( ベータ )革命

そういう風にして小売が変質する中で、通販企業は継続的なお客さんとの関係性があればこそ、そこには特徴が出てきて、その各々の通販企業の個性のもと、物流が発揮する役目も大きくBPOとしての価値も高まるわけだ。

物流と通販はタッグで おまけではない

高山さんは、今回の本にも書いてあるけど、「ナラティブ」という言葉を使って、アウトドアのお店の例を上げている。例えば、ネットで初心者用のアウトドアグッズを探して、その店でテントを買ったら、翌週の金曜にまたお店からメールが届いて「キャンプに行くならこの動画を参考にするとテントを簡単に立てられます」と提案するのだそうだ。
実際にキャンプ場でお客さんはそれを見ながら組み立てたのでうまくいったと信頼を深めたところで、翌週にまたメールが届く。「今度キャンプにこういうものをおいておくと、美味しいキャンプ飯が食べられますよ」と。つまり、そこにはストーリー性があり、自然に溶け込み実践して、信頼性を深める中で、他の商品の購入に至っている。今大事なのは、ストーリー性に基づくその関係性ではないか、と述べているわけなのだ。
繰り返すが、ここまでして企業の方向性を明確に打ち立てることで、長い関係性が生まれる。物流側もその物流のプロフェッショナルとしての知見をその通販企業の特性に合わせて、活かすことができるというわけなのである。

様々な通販を活かしてきた知見をもとに、DX化の本質を語る

恐らく高山さんが今回の本で「BPO」を重んじるのも、彼自身、物流の専門家でありつつ様々な通販企業を見てきているからで、それに対応しうる物流の在り方もありとあらゆるものを見てきたからこその主張であろう。面白い例で言えば、スクロール360の倉庫では1ヶ月16万羽(!)という折り鶴を作れるキャパもあって、それは通販企業がそこに継続性を重んじ、スクロール360も通販の特性に応えようと考えたからこそ、生まれた環境なのだ。
物流のプロフェッショナルとしてのパワーを引き出すのは、結局は通販会社の姿勢でありお客さんとの向き合い方なのではないかと思う。
DXが叫ばれるなかではネットを使う以上お客さんとの接点で物流が果たす役割は増えてくる。今こそその物流をうまく自らの通販の価値を底上げする要因に変えていくことこそが、本当にここで語られるべき内容だと思うのだ。
物流をうまく活かせるだけの通販としての強いポリシーがあるか、それを通販企業が今一度確認する意味でこの本を読んでみるのもいいだろう。その言葉を僕は高山さんの本のお祝いとしたい。
今日はこの辺で。

 

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