コロナ禍 だから素敵な一瞬 伊勢半 KISSME への想い
「売るよりも先にあるメッセージ」
KISSMEが提案するのは、ただ商品を売るのではなく、まず“伝えたい想い”を軸に据えること。2020年12月7日から表参道駅のADウォールで始まった「会ったことあるのに、はじめまして。展」は、その考えを象徴する取り組みの一つだ。
背景:マスク生活で変わるコミュニケーション
伊勢半が20代~50代の女性を対象に実施した「ニューノーマル時代のリップメイク」調査によると、マスク着用によって「相手の表情が読みにくい」と感じる人が多いことがわかった。マスク越しでは相手の反応が分かりづらく、コミュニケーションそのものに不安やストレスを抱える人が増えているという。
具体的な取り組み:YouTube動画と保育士の事例
そうした状況に対して、KISSMEはYouTube動画を制作し、“マスク下の表情”に着目したメッセージを発信している。たとえば、保育士の先生を取り上げた動画では、コロナ禍で新たに出会った同僚に「マスクを外したときの顔を見てみたい」と呼びかけ、いざマスクを外す瞬間に「はじめまして」と声をかけるシーンが描かれている。コロナ前には当たり前だった顔の表情を見合う行為が、今では特別な意味を持つようになった——その「ネガティブをポジティブに変える」発想がここに込められている。
マスクを外す瞬間が宝物に変わる
何気ないリップメイクでも、「マスクを外す瞬間は特別な一瞬になるはず」と考え、そのイメージにふさわしい商品仕様を用意することで、口紅はただの化粧品から“宝物”に変わり得る。消費者の生活シーンにしっかりと結びつき、購買意欲を刺激しつつ、その後も生活の一部として寄り添っていくためには、こうしたメッセージの発信が重要だといえる。
YOASOBI幾田りらさんの楽曲「ヒカリ」とポジティブな姿勢
今回のキャンペーンでは、YOASOBIのボーカルikuraとしても活動する幾田りらさんが書き下ろした「ヒカリ」が使用されている。これはマーケティング戦略の一環でもあるが、何より注目したいのは、アパレルやコスメの業界が厳しい状況に直面している中でも、少しでも人を思いやり、前向きな気持ちを届けようとする姿勢が感じられる点だ。「会ったことあるのにはじめまして」という言葉に象徴されるように、KISSMEはコロナ禍のコミュニケーションに新たな光を当て、ポジティブなメッセージを生み出している。
まとめ
コロナ禍でマスク生活が当たり前になったいま、「相手の顔を直接見る」という何気ない行為が、これまで以上に意義深いものへと変化している。KISSMEの取り組みは、商品を通じてこの新しい時代のコミュニケーションを彩り、前向きな気持ちを共有する一つの提案だ。メイクをすることも、マスクを外す行為も、特別で大切な瞬間になる——そういったメッセージが、多くの人に勇気や温かさを届けている。