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b→dash コープこうべ の関係性に見る DX の本質 2020

 これから DX を考える上で「企業自体がどれだけお客様の事を把握しているか」が重要であるけれど、一方で、では「どの数字を可視化する事で、適切な目標設定ができるのか」という問題もまた企業にあるように思う。そこでテクノロジーの登場で、ここで、株式会社フロムスクラッチの提供する「 b→dash (ビーダッシュ)」と、生活協同組合 コープこうべ の動きを見てみたい。

b→dash と コープこうべ で考えたい DX その前に

思うに、デジタルトランスフォーメーション(DX)という言葉は、よく叫ばれているけど、単純にデジタルにすればいいのではなく、土台とも言える、その会社にとって肝心な数字を掴かむところから始めないと、意味をなさない。

本質的な話は下記の記事でも触れた通りで、デジタルが先というよりは、まず考え方を各々の会社なりに整理をする事が大事だと思っている。

参考記事:やずや 西野博道氏 ハヤカワ五味氏 語る 通販 CRM の“未来”記事

 その上で、デジタルをどこで使うべきか、であって、「b→dash(ビーダッシュ)」は、企業が保有するユーザーデータ・広告データ・購買データなど、 マーケティングプロセス上に存在する全ビジネスデータを、 一元的に取得・統合・活用・分析する為のソリューションである。

この順序を誤ってはいけないと思う。

さて、コープこうべは生活協同組合であり、日本で最大規模の組合員数を持つ。宅配や店舗、 オンラインストア「コープこうべネット」といった複数の事業を展開する。

コープこうべが、デジタルトランスフォーメーションに注力し始めたのは、2018年。今触れた「b→dash」を、さまざまなサービスを利用する組合員の要望に応えやすくするべく、データ分析や意見収集の観点から、導入したという。

直近では、コープこうべ独自のデータ統合基盤が構築されたことにより、 組合員一人ひとりのニーズの可視化や、 新型コロナウイルス等に伴う行動様式の変化にも柔軟に対応できるようになったそうだ。

結果、実現されたことは下記の通りである。

1.統合されたデータによる、 顧客体験およびLTVの向上

データ統合基盤を活用することで、 組合員一人ひとりに最適な情報を提供できるようになった。 結果、 店舗と宅配など チャネルを複数利用することで、 組合員が、買い物の利便性を向上させ、 結果、コミュニティへの参加促進が行われて、顧客体験の向上が実店した。言うまでもなく、 LTVを向上させる事ができるようになったわけだ。

細かなところであるが、最近では、コロナ禍により、注文数などが急増したことで、在庫切れになる商品も生まれ、抽選で当選した組合員にのみ商品が発送されるというケースが発生。配送日より前に抽選結果をメールで自動送付できるようにするなどして、サポートを行なったが、これは、データ統合基盤の構築が為せる技なのである。

2.購買行動に関する中間KPIの可視化

すると、現場レベルの話ではなく、データ統合基盤が企業そのものの体質改善にも繋がる結果が出てくる事がわかっており、それは、必要な数値が明確化される事で、KPIの設定の質が向上したことに伴う。

例えば、1回目購入した者が2回目、購入するまでの転換率、ロイヤルカスタマー率が見えてくれば、自ずと目標値は設定しやすく、顧客データと宅配の利用状況データを元に、 宅配リソースを最適に配分することも可能になるわけである。DXといえど、それほど難しく考えることなく、足元の数値をフックに企業の成長を促す、その考え方が大事なように思う。

3.データ連携・統合・抽出作業の短縮に伴う生産性向上

これまでコープこうべは、 店舗、 宅配、 オンラインストアそれぞれのデータが統合されておらず、 バラバラのシステムで管理されていたため、 データ分析を行おうとすると、 データを準備するまでの連携や統合、 抽出作業に大幅な工数を要してしまっていた。

データ統合基盤が完成したことにより、 都度データの連携や抽出作業をする必要がなくなり、 b→dash上で内部共有用の分析レポートを、 特別なリテラシーやスキルを持たずとも誰でも簡単に作成できるようになり、 大幅に生産性を向上させているというわけだ。

これにより個々のスタッフの作業が効率よく行われることで、作業一人一人の生産性を向上させる事ができるので、結果、企業全体にプラスに作用する部分は大きい。

DX が 大事ではなく コープこうべ として 数値の可視化した事が重要

今回の事例を見ても分かる通り、まずその店としてのやるべき使命は何かを明確にした上で、どうする事が「お客様にとっての満足」に繋がるのかを割り出して、そこで必要な数値を、テクノロジーを通して、うまく導き出す事が大事なのである。取り敢えず、システムを取り入れようとすると、痛い目に合うが、その企業自体が、必要な行動を、数字で可視化しようとするその姿勢があれば、これらテクノロジーもその役目を果たして、企業の成長へと導く事ができる。

どこのテクノロジーがいいのかはそれぞれだ。ただ、上記を見るに、「b→dash(ビーダッシュ)」と、生活協同組合コープこうべは、ベストカップルだった、それだけだ。そこに学ぶべきところは多いと思う。