ヤフー 神戸市 連携 地元 メーカー を データ で救う
近年、メーカー自体がデータを効果的に活用しながら新たな商品を開発する動きが活発化しています。そこには自治体とヤフーなどの企業が連携し、地域を活性化させる取り組みも含まれています。ヤフー株式会社は神戸市との連携を通じ、同社が保有するビッグデータの活用を推進。その成果として、神戸元町のレザーブランド「Kiichi」が「Yahoo!検索」などのデータを参考に、超小型財布であるフラグメントケースを開発・販売を始めました。
■ ヤフーと神戸市の連携
ヤフーは2018年に神戸市と連携協定を締結。人流データを活かしたまちづくりや、市職員・市内事業者向けのデータ分析・活用ワークショップなどを行ってきました。神戸市で開催されるクロスメディアイベント「078KOBE」にも参画し、昨年は地元老舗ベーカリー「ケルン」との共同開発によるカレーパンを販売して好評を博しています。
■ 今年のコラボ:革製品の開発
今年は「made in Kobe」をコンセプトとするレザーブランド「Kiichi」とタッグを組み、革製品の開発を行うことになりました。神戸市・Yahoo! JAPAN・「Kiichi」それぞれの担当者がリモートミーティングを重ね、ビッグデータを基に市場ニーズを分析しながら試作品を製作しています。
■ ビッグデータが示した「小型財布」のトレンド
ヤフーの検索データによれば、革製品の中でも「財布」に関する検索数が多いことが判明。さらに、キャッシュレス決済が普及する中、小型財布の人気が高まっていることもわかりました。そこで今回、「フラグメントケース(超小型財布)」の開発に至ったのです。
■ 今後の展開と地域活性化
完成したフラグメントケースは、「Kiichi」店頭だけでなく、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」でも販売される予定です。さらに、神戸市のふるさと納税返礼品にも採用が決定。メーカーの新商品開発をヤフーのビッグデータが後押しし、地域の魅力を全国に発信することで、神戸市全体の活性化へとつなげる狙いがあります。
データがもたらすインサイト(洞察)が、地元メーカーの新たな一手を支援し、地域創生に貢献する——神戸市とヤフーの取り組みは、その可能性を示す好例といえるでしょう。