ゆるECナイト:フリートークで探る、EC業界の未来とリアルとの融合
「ゆるECナイト」とは、EC業界に携わる複数のメンバーが集まり、ラジオ形式で自由なトークを展開するイベントです。今回のテーマは、楽天市場を中心にEC業界全体の動向や、リアル店舗との融合について議論が展開されました。各参加者が自身の経験や見解を交えながら、現状の問題点や将来の展望を自由に話し合いました。
楽天市場の現在と未来
トークの冒頭では、楽天市場の「お買い物マラソン」や「ふるさと納税」などのキャンペーンについて触れられました。参加者たちは、楽天市場の売上や顧客の行動に対して、キャンペーンがどのような影響を与えているかを議論。特に、7,000円の上限が設定されたお買い物マラソンがもたらす消費者の反応について、驚きの声が上がりました。
楽天市場が今後どの方向に力を入れていくかについても多くの意見が出されました。中でも、楽天の経済圏の広がりが重要視されており、他のネットショップとは一線を画す楽天のビジネスモデルが議論の焦点となりました 。
ECとリアル店舗の融合
楽天ファッションがZOZOとの違いを示すため、オムニチャネル化に向けた取り組みが進んでいる点も議論の対象となりました。
リアル店舗を持つブランドが、楽天ファッションのプラットフォームに参加し、ECとリアルの境界をなくすことで新たな価値を提供しようとしていることが紹介されました。この新しい試みは、従来の楽天市場とは異なる方向性を持ち、AMAZONとは違ったアプローチを取っているとされています 。
また、ポイント制度や物流の強化が、今後の楽天ファッションの成長を支える要素として期待されており、特に日本郵便との連携による物流の効率化が注目されています 。
ネットショップと独自ドメインの関係
続いて、ネットショップを運営する際の独自ドメインの重要性についての議論が展開されました。
参加者たちは、楽天やYahoo!のようなモール型のECサイトと、自社独自のドメインを持つネットショップとの違いについて意見を交わしました。売上の割合や集客の方法についても話が進み、独自ドメインを持つことで、よりブランドのイメージやコンセプトを強く発信できる利点が強調されました 。
ファッション業界の苦境と新しい取り組み
ファッション業界は、COVID-19の影響を大きく受けた分野の一つです。
緊急事態宣言の発令により、多くのリアル店舗が閉店を余儀なくされ、ECサイトに頼ることが増えましたが、依然としてリアル店舗の存在感は重要です。参加者たちは、ユニクロやドン・キホーテといった大手企業がリアルとオンラインを融合させた成功例を挙げながら、今後の業界の動向について語り合いました 。
また、ファッション以外の業界についても言及され、特に家具やインテリア業界が直面している物流の問題についても触れられました。コンテナ不足や輸入の遅延がビジネスに与える影響について、参加者たちは実体験をもとに詳細に話しました 。
EC業界における今後の課題と展望
最後に、今後のEC業界が直面する課題や可能性についての議論が行われました。
リアル店舗とECの融合が進む中で、消費者の購買プロセスが複雑化していることが指摘されました。リアル店舗で商品を確認し、オンラインで購入する「ショールーミング」や、逆にオンラインで商品をチェックしてからリアル店舗で購入する「ウェブルーミング」など、消費者の行動パターンが変わりつつあります。
このような状況の中で、いかにリアルとオンラインをシームレスに繋げていくかが、今後のビジネスの成否を左右するポイントになると結論付けられました。参加者たちは、次回のテーマとして、この「リアルとオンラインの融合」をさらに掘り下げることを提案しました 。