ヤッホーブルーイング 本気のエンタメ魂 北海道ボールパークに クラフトビール醸造レストラン発表
改めて、商品はただ、消費するものではなく、エンタメの材料にもなるんだと思った。クラフトビール「よなよなエール」を手がける企業ヤッホーブルーイングは、これまでも大手にない独自で破天荒とも思える取り組みを実践し続けてきたけど、ついには野球にも、商品を武器に、やってのけた。それは、野球場でフィールドが一望できる「球場内クラフトビール醸造レストラン」を作ろうという計画である。
ヤッホーブルーイング 次に攻めるは「北海道ボールパーク」
1.球場に クラフトビール醸造レストラン その背景
その球場とは「北海道ボールパークFビレッジ」。それは、BIGBOSSこと新庄監督率いる、北海道日本ハムファイターズの本拠地で、北海道の北広島市に2023年3月に開業予定である。
このブルワリーレストランの魅力は、ブルワリー(ビール醸造所)から球場のフィールドが一望できるという世界初の試みだという。語弊を恐れず言えば、クラフトビールを扱う会社でありながら、売上ではないところに一生懸命な姿勢が逆にファンを惹きつけて、人気となったヤッホーブルーイングらしい進化論である。
元々、彼らはネット通販を軸に成長して、それはメルマガやイベント一つにしても、そのサービス精神と予想を超えたエンタメ性でファンを熱狂させてきた。勿論、クラフトビールの質を抑えた上で「次は何を?」と期待に胸を膨らませるその手法に注目を集めてきていただけに、行き着く先まで来たのが「球場内クラフトビール醸造レストラン」である。
2.そらとしばに込められたのは・・
このブルワリーレストランを、「そらとしば by よなよなエール」と命名。
このネーミングにも思いが感じられるもので、Fビレッジのエリアビジョン「PLAY HUMAN.」に直結する部分もある。あらゆる世代の人たちが集い、リビングのように居心地がよい「世界で一番ウェルビーイングな場所」にすることが念頭に置かれているそのビジョンは、ヤッホーがさらにステージを上げて、“エンタメ”をやるに相応しい要素が揃っていたといえる。
例えば、球場のフィールドには天然芝が張り巡らされ、開閉式の屋根、そして北海道の広い空、フィールド一面を見渡す環境は、「ビールに味を!人生に幸せを!」を掲げて活動しているヤッホーがクラフトビールをより“熱狂して”楽しめるという姿勢にピッタリ。だから、ここにビール醸造所である。
3.本当にいいクラフトビールを素敵な思い出にのせて
相手として「北海道ボールパークFビレッジ」は相応しい。象徴的な空と芝をキャッチーに店名に入れて、球宴は始まる。
繰り返すが、早くから品質改善を繰り返して、高い品質のビールを出し続けられる環境作りを心がけてきたからこそ、それ以外の要素で惹きつけ、クラフトビールの魅力へと誘う発想に辿り着いたということを忘れてはならない。「熱狂」を起点にクラフトビールの裾野を広げる考え方で、だからビールへの思いと同じくらい、お客様への「度肝を抜く企画」にも魂を注いでいたのだから。
ただの球場ではないし、ただのクラフトビール屋ではないし、何より北海道の大自然がもたらすその迫力。トリプルにかけ合わさった時のそのイメージは考えるだけでも、僕らをワクワクさせてくれる。
これもネット通販がもたらした革命だし、ものづくりの勝利である。なぜなら、ただ売るだけではなく、売ることに何を添えてファンを作り出すかというのは、漫画をヒットさせるのに近いくらいの全く別の頭の使い方で、人の心を動かす工夫なのである。並じゃない。そのプレイボールを楽しみに待つ事にしよう。
今日はこの辺で。