ヤフーは消費動向やトレンドなどを「ヤフオク!データラボ」として公開した。「Yahoo!ショッピング」の一次流通データと「ヤフオク!」の二次流通データを比較分析したものに基づく。一次流通サービスと二次流通サービスの双方を運営する同社ならではの初の取り組み。
「ヤフオク!データラボ」とは?
「Yahoo!ショッピング」の新品商品と「ヤフオク!」の出品商品(ストア出品を除く個人出品商品)における、2021年と2022年の年間取扱高のカテゴリごとの変化率(上昇率・下降率)をランキング形式にした。一次流通・二次流通での近年の変化を可視化している。
「Yahoo!ショッピング」「ヤフオク!」のカテゴリ上昇率ランキングは以下のとおり。
- 集計期間:2020年12月~2021年11月と2021年12月~2022年11月の比較
- 対象:ふるさと納税・チケット類を除く取扱高が年間10億円以上のカテゴリ
外出機会が増えたことが反映
「Yahoo!ショッピング」の上昇率ランキングでは旅行支援などの影響により旅の需要が復活したことで、旅行用品が1位になった。スーツケースやキャリーバックに加え、変換プラグや海外用ドライヤーといった旅行用家電の注文が増加している。
「ヤフオク!」の上昇率ランキングでは、レディースアクセサリーが1位にランクインした。レディースアクセサリーのなかでも、真珠・カラーストーンのネックレスが春先に伸びている。フォーマル用のアクセサリーの購入が上昇したと考えられる。その理由は前年は中止となっていたリアルでの卒業式や入学式が開催されたことにありそう。
■季節商品の、一次流通と二次流通での購入タイミングや価格などの比較
季節によって購入者数・購入価格が変動するカテゴリにおいて、一次・二次流通を比較して変動のタイミングや幅に違いがあるか、「メンズ半袖シャツ」を例に分析した。
「Yahoo!ショッピング」における「メンズ半袖シャツ」の購入者数は4~6月にかけて急増。ピークを迎えた7月から下降している。一方で、「ヤフオク!」も傾向は似ているが上昇下降はなだらか。購入単価をみると、「Yahoo!ショッピング」では価格のピークが5月にあるのに対して、「ヤフオク!」ではトップシーズン中でも価格が変動しにくい点が特徴である。
さらに、「Yahoo!ショッピング」ではシーズンの序盤で売り切れたり、7月後半はセールが始まったりして値が下がる。それに対して、そのシーズンの流行のカジュアルシャツが少し時間をあけて「ヤフオク!」で取引されている可能性がある。新品一次流通市場と中古品二次流通市場の特徴があらわれていると言えよう。
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