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「キャラ談」レポート/SNSで見えてきた人の本質──ニッチな世界からなぜ熱狂が生まれるのか

■ 1. なぜニッチな世界は熱狂を生むのか?

「キャラ談」で今回取り上げたのは、SNS上で生まれる“熱狂”の正体について。

一見、人々が気軽に使っているSNSですが、その中では私たちが思っている以上に“ニッチ”な世界が切り分けられ、その一つひとつのコミュニティに強烈な熱狂が渦巻いているのです。

● 徹底してニッチであること

番組ゲストとして登場いただいたのは、TikTokで人気キャラクター「あさみみちゃん」をプロデュースし、フォロワー300万人を獲得した株式会社アダビト 代表取締役の後藤颯太さん。

彼は、SNSで“キャラ”をプロデュースする中で気づいたこととして、**「価値観はとにかく細分化されている」**と強調します。たとえばコスプレ一つとっても、「コスプレ全般」という大きな括りではなく、さらに細分化されたカテゴリーごとにコミュニティが存在しており、そこでは強いこだわりと熱狂が生まれる。これが今のSNSの構造的特徴だというのです。

後藤さんの言葉

「人々は本当に小さな価値観でつながっている。それが時には大きなうねりや熱狂を引き起こす力を秘めているんです。」

■ 2. 王道を押さえつつ、さらに細分化された価値観へ

番組の中で印象的だったのは、SNS上では王道の人気がある反面、さらに分かりにくいくらい細かい世界へ細分化されているという分析でした。しかも、そのニッチな世界を愛する人たちは、**「好きなものへの情熱が本気かどうか」**を見抜きます。そこに嘘や偽物が入る余地はない――だからこそ、小手先だけのアプローチは通用しない。

しかし一方で、その“本気”を受け取ったファンとの結びつきは強固になり、結果として大きな盛り上がりに繋がるといいます。

ポイント

  • 小手先ではなく“本気度”が求められる
  • • 王道を踏まえつつも、どこに“本当の熱”があるのかを見極める必要がある

■ 3. 「人は怪盗20面相みたいなもの」という発想

ここで話題にあがったのが後藤さんの例え言葉、「人は極論、怪盗20面相みたいなもの」。この言葉だけ聞くと、「え?どういうこと?」と驚きますよね。

しかし、その真意はこうです。人間は一つの顔だけで生きているわけではなく、それぞれいくつもの趣味・嗜好・価値観を持ち合わせている存在。その多様な面の一つひとつが、SNSで深く掘り下げられるからこそ、小さなコミュニティが無数に生まれ、その中で濃密な熱狂が育まれていくのです。

怪盗20面相の比喩

  • 人は多面性をもって生きている
  • • SNSはその多面性の“本気度”を発揮できる場
  • • 誰もが「いくつもの顔」を使い分け、好きなものを発信・共有している

■ 4. ビジネスにどう活かすか?──“価値観の最大公約数”を探れ

ここから話が盛り上がったのは、**「じゃあ、その熱狂をどうビジネスにつなげるのか?」**という点。後藤さんはこう語ります。

後藤さんの提案

「企業目線で見たとき、一つのニッチを深堀りしても、その裏には日本だけでも100万人、1000万人いる可能性がある。そこを“価値観の最大公約数”として束ねられるかどうかが、現代でヒットを掴むカギじゃないかと思います。」

つまり、マスメディアで大々的に宣伝して1000万人を獲得するのではなく、細かく分散した価値観を束ねて結果として1000万人に到達するという発想の転換が必要だということです。

SNSというプラットフォームは、まさにその“価値観の束ね”を実現しやすい場。成功している企業やクリエイターは、その潜在的な価値観の切り取り方が上手なのかもしれません。

■ 5. 「キャラ談」で得た学び──ニッチの先に見える“本質”

今回の「キャラ談」で印象的だったのは、“ニッチの先にこそ人の本質が見えてくる”という話でした。誰もが持つ多面性や、本気度合いがSNSを通じて加速し、深く繋がれる相手と出会える――その結果、熱狂が生まれ、やがてヒットに繋がっていくのだと。

● 学びのまとめ

  • 1. 人の価値観は徹底してニッチに細分化されている
  • • だからこそ、そこに本気で寄り添うことで熱狂が生まれる。
  • 2. 小手先よりも“本気度”が大事
  • • 好きなことに真剣に取り組む姿勢が、ファンとの強固な絆を作る。
  • 3. 「人は怪盗20面相」──多面性を前提とする
  • • SNSでは、自分の多面性を自由に表現しやすい。そこを理解することでコミュニティづくりが変わる。
  • 4. ビジネスは“価値観の最大公約数”を探す
  • • 分散したニッチを束ねれば、意外な大きさのマーケットを形成できる。

■ 6. これからのSNS活用とキャラクタービジネス

 後藤さんが手掛ける「あさみみちゃん」が、その一例を示しています。TikTok上でフォロワー300万人を集めた背景には、あえて王道だけではなく、キャラやコンテンツをより身近に感じてもらうための“ニッチな価値観”の深堀りがあったのだとか。

キャラを「ただのマスコット」ではなく、“人間のようにプロデュース”するからこそ、ファンはそのキャラに自分と同じ匂いのする価値観を見いだし、熱狂的に応援し始める――それが大きな学びでした。

まとめ

番組「キャラ談」でのディスカッションを通じて、私たちが得た気づきは、**「これからのSNS時代の熱狂は、狙って作るというよりも、本気の姿勢と細分化された価値観への真摯なアプローチから生まれる」**ということ。

マスを狙うのではなく、よりニッチな世界観と多面的な人間の本質をつかむこと。その結果として、驚くほど大きな熱量が生まれるのです。

最後に一言

もしビジネスでSNSの力を活かしたいなら、**「どこまでリアルに、本気で向き合えるか」**を自分に問いかけるところから始めるべき。

嘘偽りのない想いが、思わぬ形で多くの人の心をつかむかもしれません。

これこそ「キャラ談」で学んだ、ニッチな世界から熱狂が生まれるメカニズム――そしてSNSが映し出す“人間の本質”なのだと思います。

以上、「SNSで見えてきた人の本質──ニッチな世界からなぜ熱狂が生まれるのか」をテーマに、番組「キャラ談」での熱いトークをまとめました。ニッチこそビジネスチャンスの宝庫。そして多面性を素直に受けとめることで、人々の心を掴むコンテンツやキャラクターが生まれてくるはずです。

これからも「キャラ談」では、キャラクターやSNS、ビジネスに関わる本質を探るトークをお届けしていきますので、どうぞお楽しみに!

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