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Uber Eatsと楽天グループ サービス連携 お互いの利点は如何に


 シェアリングエコノミーという言葉が出てきてから、随分経って、定着してきた。またコロナ禍もあってデリバリーのマーケットは拡大の一途を辿る中で、新しい会社ながら存在感を示してきたのが、Uber Eatsである。ただ、今後は拡大傾向から定着のフェーズを迎えて、連携も増えるのだろうと思う。新たな局面だ。先ほど発表したのは楽天グループとUber Eatsによるサービス連携の話である。

Uber Eatsと楽天G、それぞれの躍進

 そもそも「Uber Eats」は街中にあるレストランと、自宅や職場にいるユーザーを配達パートナーによって、テクノロジーで繋ぐことで、店にいることなく、その味を堪能できるというシェアリングエコノミーの醍醐味を生かしたもの。もはや説明の余地もないかもしれない。

 一方、楽天グループは、楽天市場などを運営する側面も強いが、最近は、ポイント経済圏をフックにして、そのIDひとつで、さまざまなサービスを複合的に利用することで、顧客満足度を高めている。そこでメインとなる「楽天市場」「楽天ブックス」「楽天トラベル」などのサービスに加えて、外部との連携も最近は積極的で、それがこの動きとも関係しているといって良い。

特に僕が気になったのは、冒頭の写真にある通り、マーケットの規模だ。EC市場規模は19兆2779億円に対して、飲食市場規模は25兆2933億円で、まだEC市場規模はそこに及ばない。だからこそ、大きくお互いの価値を掛け合わせることで更なる飛躍が期待できそうである。

 Uber Eatsと楽天Gの利点

 今回のサービス連携は互いの強みを活かすもの。上の通り、Uber Eatsを利用するお客様が楽天IDを活用することで、そこに登録されている個人情報だけではなく、クレジットカードなどを使えるようにして、かつポイント連携もさせることで、利用を触発しようというわけである。

 連携するUber Eatsにおいては、楽天IDを持つ1億人のユーザーがその付加価値を利用するべく、優先的に活用される利点がある。また、上記の通り、楽天IDを使うことで利便性を高め、これまで利用のなかった人も楽に利用できるようになり、新規顧客獲得のチャンスにつなげることができるわけである。

今後においては、楽天の「スーパーSALE」での連動企画、配車サービス「Uber」を楽天IDと連携させる話や「Uber Eats」での定額サービスとの連動企画など、更に幅広く、そのお互いの持つポテンシャルを生かしていく格好で面白い。

フィンテックの足場を固め EC流通総額を底上げ

 Uber Eatsにおいてはどちらかとういうと、会見での記者からの声もあったように、SoftBankの影を感じなくもないが、楽天にとっては特段、問題としていないように僕は思える。なぜかといえば、寧ろ、IDを使ってもらうことで、その登録されているクレジットカードの利用を促したいわけだから。

 楽天市場の利用では、楽天カードの利用率が全体の7割を占めることからすれば、こういう連携の機会を増やすほどに、楽天カードの利用率を挙げることとなり、フィンテック事業全体の活性化につなげることができる。

 会見の席上、EC流通総額を現状、5兆円であるところを10兆円を目指すということもあるが、楽天カード利用をテコに、相乗効果の最大化を図り、経済圏活性化の糸口につなげて行きたいのだろうと想像できるわけで、今回の提携にはそういう部分で見てみると、今後の経済圏の在り方が見えてくるのではないか。

今日はこの辺で。