Shopifyが切り拓く越境ECの可能性 – D2Cブランドが世界へ
「D2C(Direct to Consumer)」という言葉は広く浸透したものの、実際には国内市場にとどまるケースが多いのが現状です。そこで、ShopifyはD2Cブランドがボーダレスに世界とつながるための新たな仕組みとして、「Shopify Markets(ショッピファイ・マーケット)」を開始しました。このサービスの狙いは、事業者がよりスムーズに海外市場へ進出できるようにすること。市場の特定から販売の準備、立ち上げ、最適化までを、1つのShopifyストアで完結できるのが特徴です。
越境ECが進みやすい理由とは?
越境ECを成功させるためには、単に海外販売の仕組みを整えるだけでは不十分です。Shopifyがプラットフォームとして機能することで、多くの個性的なブランドが独自の魅力を活かしながら世界へと挑戦できます。
特に、Shopifyのシステムは国内と同じ感覚で管理できるため、
- • 1つのストアからシームレスに各国向けのローカライズ店舗を作成
- • Shopifyの管理画面で越境ECの全てを一括管理
といった形で、複雑な運営をシンプルにします。
例えば、国内でニッチな市場であっても、視野を海外に広げれば新たな顧客層に出会える可能性があります。
COHINA(150cm前後の女性向けファッションブランド)のように、国内で確立されたブランドも、同じ悩みを持つ海外の消費者へと自然にリーチできます。
参考:COHINA が「155cm以下の パンプス 」で新たな一手。
とはいえ必要なローカライズ 活きるデータ
しかし、海外市場へ進出するには、単に言語を翻訳すれば良いわけではありません。人種や文化、生活環境が異なれば、好みや購買行動も変わります。
そのため、ローカライズが不可欠です。例えば、
- • 最適な支払い方法の提供(市場ごとにコンバージョン率の高い決済を導入)
- • 適切な物流インフラの整備(現地の配送環境に適応)
- • 文化に合わせたマーケティング戦略の設計
これらの対応を進めることで、越境ECの成功確率が大幅に上がります。
Shopifyの強み – 世界170万以上のストアデータを活用
Shopifyは、すでに170万以上の事業者が活用しているプラットフォーム。その膨大なデータを基に、
- • どの国で、いつ、どのような販売戦略が有効か
- • 各マーケットにおいて最適な決済手段や販売手法
などを導き出し、事業者がより効率的に海外進出できるようサポートしています。
例えば、購入時に最適な支払い方法を自動表示することで、コンバージョン率の向上が期待できます。さらに、越境ECの課題となる物流面でも、Shopifyはインフラ整備を進めているとのことです(フラクタ・河野貴伸氏のコメント)。
「海外だから売れる」ではなく、「ブランドの個性を活かす」
越境ECを目指す事業者にとって、重要なのは「市場の大きさ」だけではありません。
- • 自社のブランドの個性を活かし、どの市場にフィットするかを考える
- • 文化やニーズに合わせた販売戦略を取り入れる
- • ローカライズを通じて、海外の顧客にもブランドの価値観を伝える
この視点を持つことで、D2Cブランドはより自然に海外市場へと溶け込むことができるのです。
越境ECは、単なる販売拡大の手段ではなく、自社の価値観を世界へと広げるための機会。今後、D2Cブランドがますますグローバルな存在へと進化していく時代がやってきそうです。
今日はこの辺で。