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単一接点型から、常時寄り添い型に

・単一接点型から、常時寄り添い型になる( 参考

今回の取材記事にも共通することですが、商品単体で勝負する時代ではありません。「 アフターデジタル – オフラインのない時代に生き残る」でもこう書いています。

企業競争の焦点が製品から体験になると表現することもできますが、これを「ものやことからストーリー」という言葉にしてしまうと本質的ではなくなります。

そこでこの本では「単一接点型から、常時寄り添い型になる」という言い方をしています。

なるほど、これは深い。つまり、デジタルというと、データ取得やシステム構築に目が行きがちなのだけど、体験で価値を提供するということなんですよね。

デジタル接点を作り出せるという意味で、デジタルが重要だということなんです。なかなか物理的に会っていられない部分を、デジタルではそれを可能にします。だから、リアルでの体験の補完をしていくために、デジタル接点とそこから生まれる体験に価値があるわけですよね。

だから、そのデジタル接点を自分たちの企業であればどうすればいいのか。ここに答えがあるわけです。

最近、日経MJのニュースでユニリーバが歯磨き粉のパッケージにQRコードをつけたというニュースを目にしました。QRから飛んだ先で診療を受けられるようにしたわけです。

この際に、彼らは医療アプリのスタートアップと連携して、自らの商品の付加価値を上げるために、補完していくわけです。こういう風に事業の軸に合わせて、何を通してデジタル接点を作り出すか、企業の大きさに関係なく大事なことになります。

・セブン、加工食品の即日配送取りやめ 物流維持へ脱最速( 参考)

顧客と企業の相互理解が大事だと思います。これからは極力、個々のお客様の対価を提示していくことが大事で、その仕組みづくりが問われます。

相互理解に関しては、少し話がそれますが、以前、ワアクという家具のお店があります。

今までは一律、家具を一定の価格で売っていて用件を飲むために、安売りも辞さない小売の姿勢がありました。そこで、ワアクはチャットを通して、お客様にカスタマイズ調整に関するコストを説明する機会を用意したのです。両方の理解の上に相応しい値付けをしているから、理解あるお客様が集まり、粗利も客単価も向上した( 参考)というのです。

まさか配送をそうするわけではありません。でもそれに近いのがZHDの動きです。配送日を遅くしたらPayPayポイントを付与しました。これで、誰かが疲弊するのでは意味がありませんが、お客様に理解を促しつつそのニーズを区分けして、仕組みづくりをしています。一律で何か答えを見出す状況から脱却して、それ相応の対応を求める事が大事になってきている証拠です。

早く届いて安いものを求める無理難題を言うようなお客様は寧ろ、向き合う必要性すらない。そういう競争の中に入らないよう、自社のブランディングを徹底し、理解を促すことのほうが大事だと思います。