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Netflixが「育てる」理由──クリエイターズ道場が示す人の可能性

エンターテインメントに特化した世界最大級の動画配信サービス、Netflix。日本でのサービス開始から10周年を迎えた節目に、同社は新たな一歩を踏み出した。それが「Netflix クリエイターズ道場」である。単なる配信プラットフォームにとどまらず、映像制作に携わる人材を育て、業界全体の底上げを図ろうとする取り組みだ。

なぜ今、人を育てるのか

配信プラットフォームとして成長してきたNetflixが、日本でのサービス開始から10周年を迎えた今、あえて「人材育成」に本気を出す理由は何か。

それは、物語を届けるのも、映像を生み出すのも、最後は“人”だからだ。テクノロジーや配信システムがどれほど進化しても、観る者の心を動かすのは、作り手の想いと技術にほかならない。

道場の幕開け──大阪での学びの場

2025年9月26日、大阪・関西万博の米国パビリオンで「Netflix クリエイターズ道場」が始動した。

講師はエミー賞受賞歴を持つ映画監督・マイケル・レーマン氏。彼が語ったのは、時代やフォーマットがどう変わろうとも、「物語と演技に命を吹き込み、観客に届ける」という作り手の使命は不変だということ。そして次世代に向けて「自分のビジョンを恐れずに掲げよ」と力強く訴えた。約70名のクリエイターたちは、その言葉に耳を傾け、未来へのヒントを掴んだ。

10年の積み重ねが生んだ「土壌」

Netflixはこの日を迎えるまでにも、多くの土台を築いてきた。

リスペクトトレーニング、VFX研修、ポストプロダクションの学び──延べ7,000人以上が日本で参加している。コロナ禍には救済基金を立ち上げ、制作に携わる人々を支えた。2018年から2025年の間に投じた支援は2億5,000万円にのぼる。こうした積み重ねがあって初めて「道場」という形が自然に生まれたのだろう。

人と地域に根ざす物語

Netflixが日本での10年を振り返る特設ページ「Netflix in Japan」には、単なる映像配信を超えた姿が記されている。

全国37都道府県・200カ所以上で撮影を行い、地域経済や観光にも波及効果をもたらした。「First Love 初恋」の舞台となった札幌では観光客が10倍に増えたという。物語が土地に息づき、人々を動かしている証だ。

世界に広がる「日本の声」

日本から生まれた作品は、今や世界中で支持されている。

2023年以降、日本作品の累計視聴時間は約250億時間。アニメ視聴は過去5年間で3倍に増え、延べ10億ビューを超えた。世界の人々が日本の物語に触れ、心を動かされている。その背後にいるのは、挑戦し続けるクリエイターたちだ。

「人」を真ん中に置くこれから

「クリエイターズ道場」は、Netflixが目指す未来の象徴だ。

そこにはノウハウの共有や経済効果以上に、“人”の可能性を信じる姿勢がある。どんな時代も、普遍的なストーリーテリングの力が人々をつなぎ、心を揺さぶってきた。

次の10年もまた、誰かの想いが映像となり、国や文化を超えて響いていく。その一歩を共に踏み出す場所として、この「道場」があるのだ。

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