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デジタルシフトで鍵を握る「物流」の新しい価値

JECCICAコラムまとめレポート

ネット通販を語るうえで避けて通れないのが物流ですが、多くの場合「コストセンター」として見られがちです。先日、一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)で書いたコラムでは、「デジタルシフトを進めるならこそ、物流の新たな価値をいかに創造するか」がポイントになると提言しました。今回はその概要を145MAGAZINE向けにまとめてご紹介します。

1.“物流=コスト”だけの認識を超えられない企業の苦悩

アパレル系など数多くの企業の物流現場を支援しているリンクス代表取締役・小橋重信氏によれば、一般的に企業の多くは「物流」と聞くと「配送業者に頼むしかないでしょ?」くらいの認識にとどまっていると言います。

• 「コスト削減」や「荷物を運ぶ」レベルの議論しかされず、物流からビジネスを発展させる視点が欠けている。

• そのため、デジタルシフトが加速する一方で、物流の領域が取り残されるケースが少なくない。

一方、物流をただの費用項目ではなく“収益源の一部”として取り組んでいる企業も増えつつあり、そこに差が生まれているようです。

2.“物流”そのものをビジネス化する事例

最近話題になったのが、ジェイフロンティアの事例です。同社はもともとECや通販事業を起点として、医療・ヘルスケア関連にも進出。9月1日からは「オンライン診療」で処方された薬を、最短30分で患者に届けるデリバリーサービスを始めました。

• オンライン診療と服薬指導をセットにし、そこに物流を組み合わせることで新たな価値を提供。

• 病院側がデジタル移行しやすい環境を整え、最終的に配送でマネタイズを図るビジネスモデルです。

EC知見を持つ企業だからこそ、単なる「薬の配達」にとどまらず、医療現場が抱える負担感や導入ハードルまで考慮した仕組みづくりが可能になったと言えます。

3.デジタルコンビニを目指す「QuickGet」

もう一つの例として、レキピオが開発したアプリ「QuickGet(クイックゲット)」があります。

• 欲しいものをアプリから注文すると、30分以内に届ける“デリバリー前提”のサービス。

• 従来のコンビニが果たしていた機能を“データ活用×即配”でアップデートしようとしています。

「いつ、誰が、何を注文しているか」という詳細なデータを収集できるため、メーカーや販売店のマーケティングにも活かせるのが強み。「配送の裏側にあるデータビジネス」という視点をうまく使い、消費者とメーカーの橋渡しを担っています。

4.“物流”をセットで再構築してこそ見える価値

これらの事例に共通するのは、物流単体をコスト扱いせず、外部の仕組み(医療やECなど)と掛け合わせることで新しい価値を生み出している点です。

• たとえば「送料無料」のプレッシャーが強いEC業界では、物流を「安くあげる方法」だけで考えると限界がある。

• 一方で「物流をどう組み込めばビジネス全体を拡張できるか」という発想に切り替えれば、新たな顧客体験やデータ収集の場にもなり得ます。

5.小橋氏の経験:物流を“俯瞰的に見る”大切さ

リンクスの小橋氏が、かつて勤務していた物流会社で手がけた「ZOZO USED」(旧クラウンジュエル)との取り組みも象徴的。

• 富裕層のクローゼットに眠るブランド品を集め、オンラインで再販する仕組みを整え、急成長につなげた。

• ここでは「回収」「保管」「発送」などの物流要素が、本来価値を生み出していないタンスの肥やしを収益に変えるキーになりました。

小橋氏は、「物流を外に出て俯瞰的に見れば、いかにビジネスを変えていけるかがはっきりする」と強調。縦割りで“運ぶだけ”と捉えている企業ほど、そのチャンスを逃しているのかもしれません。

6.145MAGAZINEとしての視点

僕自身、通販ビジネスを長く見てきて感じるのは、“意外な領域”を掛け合わせることで物流が新たな価値を発揮するという事例が増えている点です。コロナ禍で「配送=コスト」という考え方だけではもはや通用しなくなってきました。

• 倉庫や物流会社と密に連携し、独自のサービスや付加価値を生み出せないか。

• それこそがデジタルシフト時代を勝ち抜くためのヒントになるのではないでしょうか。

7.JECCICAコラムで詳しく読む

これらの事例や小橋氏の具体的なエピソードは、JECCICA公式サイトのコラムにまとめています。詳しく知りたい方は、ぜひ以下からご覧ください。

デジタルシフトで考えるべきは縦割りからの脱却だ

https://jeccica.jp/breaking-away-from-vertical-division/

コストに見える物流も、**“何と組み合わせるか”**で大きく化ける可能性があります。今一度、事業モデルを俯瞰し、物流をうまく活かす手段を考えてみるのもいいかもしれません。

まとめのポイント

1. 物流をコストだけで捉える発想を捨てる

• 医療やECなど異業種を巻き込み、新価値を創出する事例が多数。

2. デジタルシフト時代ならではの発想

• ただ配送するだけではなく、データ活用や顧客接点の拡大に結びつける。

3. 現場を俯瞰し、縦割りから脱却する

• 倉庫・配送・販売などを一体として見直すことで、ビジネスモデルの進化が期待できる。

これらを意識して取り組めば、物流は単なる負担ではなく、ビジネスを伸ばす“推進力”へと変わるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。

 

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