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企業の定義が音を立てて崩れていく

JECCICAコラムまとめレポート

先日、一般社団法人ジャパンEコマースコンサルタント協会(JECCICA)で「企業の定義が音を立てて崩れてく」というコラムを執筆しました。私たちは日頃、「小売店=ものを売る場所」「飲食店=食事をするところ」「配送企業=荷物を届ける会社」と無意識に捉えていますが、そうした従来の枠組み自体が大きく変わり始めているのではないでしょうか。本記事では、その主なポイントを145MAGAZINE読者向けに整理してみたいと思います。

1.「売ることを主としない」小売店が新宿・有楽町に

8月1日にオープンした「b8ta(ベータ)」という店舗は、一見すると“ショールーム”のようですが、実際は**「小売店」なのに商品を売ることを優先していない**というユニークな存在です。

• 店内には珍しい製品や体験型アイテムが並び、タブレットで情報を確認しながら触ってみるスタイル。

• 天井にはAIカメラが設置され、来店者がどの商品を見ているかなどのデータを収集。

• スタッフにも販売ノルマはなく、商品知識を深めるテストに合格した“プレゼンテーター”が接客を担当。

こうした仕組みによって、b8taは**「リアル店舗での体験データをメーカーにフィードバック」**する新しい収益モデルを築いています。リアル店舗は「売る」だけでなく、「体験を提供し、データを活用する」場としても価値を見出し始めているのです。

2.配送は“ものを届ける”だけで終わらない

コロナ禍でオンライン需要が高まる中、“配送”そのものの価値も変わってきています。

• たとえば「エニキャリ」は、30分ほどで近隣の飲食店から料理を届けるサービスを展開。お店が“お客さんのもとへ行く”手段を提供しています。

• 大手ではヤマトホールディングスがDoddle Parcel Services Ltdと提携し、店舗受取や返品の仕組みを整えることで、単なる宅配業から「総合的な受取・配送プラットフォーム」への発展を目指しているようです。

ここには、ただモノを運ぶだけではなく、**「来店誘導やビジネスモデル変革のきっかけづくり」**といった付加価値を生み出す狙いが見えます。

3.飲食店が食べに来てもらうだけの空間ではなくなる

飲食業界でも、“店舗での飲食”以外の価値提供が急速に注目されています。

• フードデリバリーの需要増はもちろんのこと、サブスクモデルの導入や他社とのコラボにより、固定ファンとの関係性を深める流れも加速。

• オイシックス・ラ・大地が大戸屋と組んで、“家庭での大戸屋定食”を再現するキットを販売したのも好例です。お店に行かなくても“あの味”を楽しめるというわけですね。

顧客体験を軸に考えれば、飲食店は「ご飯を食べる場所」だけでなく、家での食卓を彩るノウハウやレシピを提供する存在へと変わる可能性を秘めています。

4.従来の常識を捨て、新たな価値で勝負する

これらの事例に共通するのは、従来の企業定義を越えて、自社の役割を再定義しなおしていること。

• 小売店が単なる売り場で終わらず、体験やデータ取得の場となる。

• 配送会社は荷物を運ぶだけでなく、受取を起点に顧客を店舗へ誘導したり、消費者がどこでも受け取りやすい環境を作る。

• 飲食店は店に来てもらう以外にも、レシピや食材提供、デリバリーなどで新たなファンとのつながりを生み出す。

このように、「企業=◯◯をする場所」という固定観念が崩れはじめているのではないか。その結果、意外なパートナーシップや新サービスが次々に生まれているのです。

5.145MAGAZINEとしての視点

私も現場を取材していて、ビジネスモデルの“越境”が多様化していると強く感じます。コロナ禍で新しいサービスニーズが急拡大したこともありますが、裏を返せば「旧来の定義」にしがみつく企業が淘汰されるリスクも大きいと思います。

• 企業同士が役割を分担し合い、お互いに利益を生む仕組みを模索する。

• そこでポイントになるのは、顧客がどんな体験や価値を求めているか、冷静に見極める柔軟性です。

6.JECCICAコラムをもっと読む

コラムでは、b8taやエニキャリ、ヤマトホールディングス、オイシックスなど、多彩な事例をより詳しく紹介しています。興味のある方はぜひ、JECCICA掲載の元記事をご覧ください。

企業の定義が音を立てて崩れてく

https://jeccica.jp/definition-of-a-collapsing-company/

そこから見えてくるのは、事業の垣根を越えて“顧客体験をコア”に再編し、新しい企業価値を作り出す可能性です。ぜひ自社のサービスを改めて見直すきっかけにしていただければと思います。

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